卒業生・在学生からのメッセージ・エピソード


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  福井孝治学長に一筆書(色紙)をいただいた時の思い出
   経済学部経済学科  昭和32年3月卒業  三宅 正修 様

 私は昭和32年3月の卒業生です。
卒業に際し、記念として学長 福井孝治先生に何か一筆書いていただこうと卒業式の数日前から目論んでいました。そこで卒業式終了後に用意していた色紙と筆と墨汁を持ち、下駄履きで(私は在学4年間少々蛮カラ気取りで六高下駄を履いて通学していた)学長室に入り一筆お願いしたところ、当時学長の経済学特殊講義というのがあって、それを毎回教室の最前列中央で受講していたものですから私の顔は覚えておられた様子で快く承知して下さいました。
そして「自分の作詩ではないが、恩師 河上 肇博士の漢詩でもよいか」と、たずねられたので、結構ですと申しましたところ、次の四行の漢詩をさらさらと色紙に書き、署名もして下さいました。感激の極みでした。

宛如萍在水      さながら水面の浮草の如し
從風西又東      風に從うて 西また東
此是鄙夫事      此は是れ鄙夫(ヒフ)の事なり
学者那得同      学者いずくんぞ同じく得んや

   色紙

 この漢詩は河上博士が、戦前・戦中の「御用学者」や「転向者」を痛烈に批判し、学者としての確固たる信念を詠まれたものであると説明されました。
 さて、目論みは無事達成したものの学長室を退室すると直ぐ高室事務局長から呼ばれ「一筆をお願いするのはさることながら、下駄履きで許可なく勝手に学長室に入ったりすることはよくない…」とやんわりたしなめられました。嬉しいけれど冷や汗の出る思い出です。しかし、その時改めて本学は教授と学生の間に隔たりのない自由と融和の学園であることを痛感いたしました。
 また、この詩の内容は学者のみならず、社会人としての総ての人間の生き様にも当てはまるものだと思考。而して、この様な色紙をいただいたことは単なる思い出にとどまらず、私の42年間に亘る会社勤務を含め、77才の今日に至るまで処世上のバックボーンとして貴重なものでした。
 最後に在学生の皆様におかれましても在学中に、或は卒業後の大学や教授との交流に於いて、何か一つでも心に残るものを得られるよう願ってやみません。

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