大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001

大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001 page 26/40

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大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001

24私が今まで生きてきた中で、出会った人はどの位いるのだろう?すれ違うだけの人、毎日一緒にいる人、一緒にいたけど今は離れてしまった人、好きだった人、嫌いになった人、傷つけた人、傷つけられた人、そして「私」を心からわかってくれた人。私が知らないところでも、多くの人が私を支えてくれていたと思う。出会いは一瞬でも、その中に隠れた物語がある。すぐに、埋もれてしまうものもあるけど、出会えた奇跡が軌跡に変わっていく。?私はまだ、出会いたい人がたくさんいる。何でも話せる人、信じたい人、守りたい人、私を抱きしめてくれる運命の人。いつ現れるかわからないから、一つ一つの出会いを大切にしたい。穴が空いていても、手近な者で埋めたりしないでゆっくり探そう。焦って手に入れた者は、その位の価値でしかないから。隣に誰か居ればいいなんて、それはおかしい。よく考えて自分がいいと思う人に出会えたら、伝えたい。「あなたに出会えてよかった。」?高松中央高等学校(香川県)??牟禮里江子さん?あなたに出会えてよかった?いつ頃くらいだっただろう…。いつも私の後をつけてきたあなたが、自分の力で歩くようになったのは。?運命のあの日。あなたの体の病気を聞いた時、私は事実をうけとることができなかった。だってこんなに元気なんだから…。世界でたった一人の私の弟。努力家。好き嫌いが多い。サッカー好き。優しい。泣き虫。テレビが大好き。親思い。無邪気。短気。笑うと目が細くなる。素直。めりはりがある。一つ一つの動作や性格を、私はあなたのかけがえのない財産だと思うよ。そしてそれは、私の財産でもあるんだと思う。あなたのためなら、どんな遠くであっても、絶対、治療法を見つけてくるよ。だから、ずっとずっと元気でいてね。にくまれ口でもいやみでも何でもいいから、いつまでも私のことを呼んでね。「おねえちゃん!!」と。世界でたった一人の私の弟。あなたはわたしの大好きな弟だよ。?県立久留米高等学校(福岡県)?井上恵理子さん?おねえちゃん!!?今年、初めてかかった五月病。初めてなんて今まで気付かなかっただけかもしれないけれど。毎日が憂うつで仕方がなくて、学校に行く気にもなれなかった。日に日に、遅刻や欠席が多くなって、一年の頃とは比べものにならなくなる。そんな時、一番最初に私の事を心配してくれたのはお母さんでも、友達でもなく先生だった。いつものように遅刻してくる私を見て、「まだ病気が治らんとね?早く元気にならないかんよ。」って職員室の窓を全開にして話しかけてくる先生。後から頭をぽんっと叩いて、笑いながら励ましてくれる先生。私、結構ふまじめだから先生とかに嫌われるタイプだったんだよ。だから今まで先生に心配された事なんてきっとなかったよ。あの時はただ笑ってただけだったけど、本当はすごく嬉しくて涙が出そうになった。?先生、心配してくれてありがとう。多分もう大丈夫です。良い先生に会えてよかったです。卒業式はきっと泣くでしょう。?県立久留米高等学校(福岡県)??古賀彩子さん?13のお父さんとお母さんへ。?今、毎日がすごく楽しい。学校が、教室がすごく楽しいよ。みんなのおかげだね…。みんなは高校生らしい「大人」部分や、他に流されない「自分」をちゃんと持っている。だから私も素直になれる。意見も言いあえる。大きな声でみんなで笑って、そんな時ふと、「あっ、これが私だ」って思う。ありもしない噂だとか、幼稚な次元のコトに悩まされ、「何がいけない?どうしたらいい?」っていつも考えて、陰口をたたかれる自分の存在に価値を見失っていた去年。でも私は去年の苦悩のおかげで成長した。強くなった。私は間違ってなかったんだって、そう思えるようになったよ。?全ての人に好かれるのはムリかもしれない。だけど本当の自分を見てもらえる今、私は私の居場所が見えてきた気がする。?もう今の私は去年の私とは違う。去年の私は一つの思い出としてどこかにおいてこよう。その勇気をくれたみんなに感謝。?私、今、自分のコトを認められそう。好きになれそうだよ。ありがとね。みんな。?県立城南高等学校(福岡県)?川野節子さん?居場所?私が母に叱られる度に裏庭へ連れて行き、パンという大きな音を立てては、叱っているふりをしてくれた祖父が危篤だと聞いた。?中学生になった私は、母の実家へ行く事などめったになく、急いで病院へ駆けつけると痩せこけた祖父がベッドで横になっていた。私の事も分からないだろうと言われていたが私を見た祖父は、泣きながら名前を呼んでくれた。私は、何年も会わなかった事を後悔しながら体を擦った。祖父は、それから二・三日が山だと言われていたが、あれから二年以上経つ今でも生きてくれている。?私達は、忙しく繰り返す毎日の中で、大切な事を忘れている気がする。大切な物程、大切な人の事程、その存在を当然にあるものだという錯覚を起こしているのではなかろうか。?私にとって、祖父は本当に尊い存在だ。会わずにいた事を後悔しながら体を擦るなど、もう二度としたくない。いつも守られてばかりいた私も今年で十八だ。じき、自分で働き給与を受け取る様になる。そうしたら、いつか必ず祖父と温泉にでも行き、美味しい物を沢山食べようと思う。そして何よりも、これから先、あの日のように失いかけて初めて大切だと気づかなくても良いよう、全力で生きていこうと思う。?県立島原商業高等学校(長崎県)??植田愛優子さん?大切だから?