大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001

大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001 page 6/40

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大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001

4今までの自分、それは『ニセモノ』だった。周りから思われているイメージ通りに振る舞い、周りの人たちも、自分でさえも騙し続けていた。?しかし、『ニセモノのいい子』を演じるのに疲れ、ついに昨年6月、完全に学校に行けなくなってしまった。?それからの日々はとても辛かった。母に「何故学校に行けないの?」と聞かれても、自分でもそれが解らなかった。?ただ、友達に「明日学校で会おうね。」と言われても、「うん。」と言えない自分に苛立ち、理由の解らない涙を流す毎日だった。?何故自分だけが…?と思っていたある日、通っていたカウンセラーの先生に、通信制高校というものがあるという事を聞き、そこで私と同じような悩みを持つ人達がたくさんいる事を知った。?通信制高校は、自由な時間が多いので、自分の生活次第で大きく変わってしまう。?だからこそ私は、そこで自分を試したいと思い、転校を決意した。?今の私は『ホンモノ』だ。アルバイトをしたり、大学進学を目指して予備校に通って頑張っている、等身大の17歳の女の子だ。?前の学校にいた時のように、周りのイメージに合わせるのをやめ、自分らしく生きるようにしたら、物事を前向きに考えられるようになり、すごく軽くなった。?私は通信制高校に転校した事を後悔していない。むしろ、自分がたくさんの人に支えられている事に気づき、人生にはいろいろな道がある事も知ることが出来て、とても良かったと思っている。これからもたくさん辛い経験をする事もあるだろうが、大人になるための大事な過程だから、そこからいろんな事を得て、成長していきたいと思う。?そのためには、大人の方達の柔軟な考え方が必要不可欠なので、これからも私達の事を長い目で見守っていただきたい。?そして、私もいつかそういう大人になりたいと思う。?2001年4月8日、空港で家族と別れた私は1人でオーストラリアに向かった。知っている人はいなかった。?泣き出しそうな不安。?そんなものはなかった。?私の心は期待で満ち溢れていた。?私は今南オーストラリア州の公立グラント高校の正式な生徒である。友達や先生、?ホストファミリーに恵まれ、とても充実した毎日を送っている。??そもそも私をここまで動かしたのは、かつての夢があったからだ。?国際協力事業団に入って、現地コーディネーターの仕事がしたい。今も変わっていない。?「かつて」と言う意味は今は目標であるからだ。?夢と言うととても遠い感じがするが、目標だとなんだか手が届く感じがする。?日本の高校で生徒会をしていた頃、人の上に立つのではなく人の前に立って皆を纏めることの難しさを実感した。?難しいことだが色んな意見を聞く事で色んな人の事が理解でき、何だか人間しているなあという少し変な実感があった。?それが私を今の目標に向けたのだろう。??ここに来てもう3ヶ月が経つ。?規則で縛られない生活、明るくフレンドリー、そして個々を持っている人達と出会って自分自身どんどん視野を広げていると思う。?特に世界中からの留学生と一緒にオーストラリアを周った23日間で私は多くの事を学んだ様に思う。?世界的には悲しい事にまだ差別と言うものは目に見えて残っている。?アボリジニの人達に対しての差別は目に見えるものだった。?オリンピックであれだけ成功したと思われたオーストラリアだが実はまだまだ成長しなければいけない所がある様だ。??これからの私に何が出来るか。?差別があるのはこの国だけではない。?差別と言う前に人間として最低限の生活が出来ていない人達も居る。?私は言語を生かして少しでもそういった人達の役に立たせてもらいたい。?私の時間が役に立つのなら喜んで開発途上国の進歩に捧げたい。?金銭的な成長よりもまず人の心を満たしたいと思う。?八洲学園高等学校(大阪府)?中嶋ひと美さん?本当の私?県立総社南高等学校(岡山県)?佐藤友紀さん?夢が目標に変った時?テーマ1今までの自分、これからの自分?