大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001

大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001 page 7/40

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大阪経済大学 17歳からのメッセージReport2001

5「私、いじめられる理由わかってるねん。」?誰もいなくなった放課後の運動場で、私と彼女は2人ブランコにゆられながら、あたたかい夕日に染まるオレンジ色の世界を眺めていた。その時だった、彼女が私にそうつぶやいたのは。その声はとても小さかったが、はっきりとそしてしっかり私の心に、いつまでもひびいていた。?当時、彼女はクラスのほぼ全員からひどいいじめを受けていた。しかも、それは彼女の見た目に対するいじめで、きもちわるいだとか汚ないだとか、それを彼女の前で平気で口にするものまでいた。彼女はある意味、自分がいじめられる理由を悟らずにいることすらゆるされなかったのだ。ただつらく苦しい現実にたえるしかなく、そんな彼女にその時の私は一緒にいてあげることしかできなかった。?人は時として、なぜこんなばかげた世界を作りだしてしまうのだろう。人間関係は永遠の課題だ、何かの本で読んだことがある。そう人間関係はむずかしい。だけど人間が人間として人と関わっていく中で、その人に思いやりをもつことができれば、こんなことにはならないと思う。そんな簡単なことだけではないのかもしれないが、その簡単なことができていないのだ。そうではないだろうか。?私は6年たった今も忘れることができないあの時の夕日に照らされ悲しく映った彼女の横顔を。そして、あの言葉のあとにつづくであろう私に言いたかった本当の言葉を…。?最近、親との仲がうまくいかないとか、会話が無いという話をよく友達から聞く。でも家は変なのか、朝のドタバタの中ケンカをし、今日こそは帰っても口もきかないでやろうと思いはするものの、結局、普通に会話が始まってしまう、そんな拍子抜けする様な家族だ。でもムカツク時はムカツク。そんな私を一瞬だけ変える事件が起った。?その日の夕食後、私は突然腹痛におそわれそのまま意識を失ない、救急車で運ばれた。救急車の中で母は、私の冷たくなった足を、ずっと手でさすり、温めていてくれた。17年の主婦歴だけあり、母の手は厚くてガザガザしていた。その痛みも近くに居てくれているという安心感をあたえてくれた。意識が戻り始めた頃、その父母にやっと気付き、涙があふれ出て止める事が出来なかった。父母は気付いていたのかも知れないけど、私は痛みからくる汗と頭が痛いふりをして、ひっしで涙をかくした。母の手の温もりと痛さ、おぶってくれた父の背中の大きさだけは、決して忘れない。今だからこそ言えるけど、ノーメイクの母の恐い?顔も、仕事帰りで汗臭い父も全部がうれしかった。本当に本当にうれしかった。と同時に、今までの反抗やケンカを一瞬だけ、ゴメンねって思った。?私には私の家族が最高だ!父親にしたいタレントは?なんていう質問がよくあるけど、父以外は考えられない。今の家族じゃないと絶対ダメッ!!?以上、生まれてこのかた、ずっと反抗期の娘の、知られざるココロの内でしたっ。?県立今治北高等学校(愛媛県)?黒部佳奈さん?知られざる娘の一面?明石市立明石商業高等学校(兵庫県)?横山沙織さん?言葉にしなかった本当の心?テーマ2人とのふれあいの中で?