17歳からのメッセージReport2002

17歳からのメッセージReport2002 page 12/32

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17歳からのメッセージReport2002

10すけられて入った高校なので、そこで決心しました。K・T君の分までがんばろうと思いました。おれは、4月から、また一年生をやっています。今は自分なりにがんばっているつもりです。先生たちは、やめてしまうとか思っているかもしれんけど、必ず、見返してやるからな。今、私が私でいられるのは、きっと誰よりも私のおかげであるような気がする。自分の事が好きでいられるのも私のおかげだ。ここまで断言できるのには理由がある。それは、毎日の「鏡の中のサボテン」の事だ。これは私が考えた、いつも笑顔でいられるとっておきの魔法だ。鏡に映る自分に「君は可愛いなぁ」というだけだが、誰もこのことは知らない。いつ考えついたのかわからないが、今までずっと続けてきた。そのおかげで、自分の事を嫌になったことなどない。いつも笑顔で元気な自分が一番好きだ。誰よりも好きだ。将来、私はカウンセラーになっているだろう。こう断言できるのは、私には「鏡の中のサボテン」療法があるからだ。サボテンは、ほめられるときれいな花を咲かせる。人間も同様に、ほめられると笑顔になれる。いくらトゲがあっても可愛い花を咲かすことができる。どんなにつらい事や悲しい事があっても自分と向き合って話をすれば、なぜか元気がわいてくる。不思議な「鏡の中のサボテン」の魔法を使って、皆の笑顔に出会うのが私の夢だ。「自分の事が好きで好きでたまらない」その一言を言わせてあげたい。心が見えなくて困っている人たちに生きる喜びを与えてあげること。これが私の仕事だ。今までの私もこれからの私も「サボテン」に愛情をそそぎ続けることを誓うだろう。私はある日サラダを作ろうとジャガイモを手にした。私は顔が丸いゆえ昔ジャガイモといわれてた事を思い出した。そういえばガリガリのあの子はキュウリだったっけ……すると野菜が友達の顔に見えてきた。世界にもいろんな人がいて違う色、形、個性を持っている。まるでサラダのよう!!サラダには人参、レタス、トマト……たくさんの野菜がそれぞれ違う形、味を持って入っている。でも特製のドレッシングをからめて一つになるといい味を出し、おいしいサラダになるのだ。ドレッシングって何だろう?それは…地球人・・・の持つ心だと思う。どんな国の人も一つにしちゃう魔法のドレッシング!もちろん私は朝鮮人だが国境を越えてまず自分を見る目、隣の人を、隣の国を見る目で世界中を見て世界中の人と手をつなげる大っきな心を持つ地球人・・・になりたい!いや、なるんだ!世界中のみんながこんな心を持ったらどんなにいいだろうと思いながら私は手にしたジャガイモをむく。泣いているのは心わたし。笑っているのは私。本当の自分わたしはどっちだろう。「……」今、自分わたしは高校二年生になった。いまだに「あの」沈黙の意味を解くことはできない。一つだけ思うこと。自分わたしはとても臆病だということ。心のままになんて生きられないと決めつけて最初から他人と深くかかわることをさけ、他人を素直に受け入れられなくなっているからだ。今は、誰から何を言われても何故か信じることも、受け入れることも全くできない。よくないことだ。みんな自分のことを思って言ってくれてるんだ、と何度も何度も壊れたレコードのように心わたしに言う。だけど自分はとても臆病で結局何も変わらない。心わたしは泣いている、助けを求めている、だけど私は笑っている、大丈夫だと言う。自分わたしはどっちの見方をするわけでもない。臆病でただじっと見ているだけだ。「あの」沈黙を破る言葉かぎは見つけている。「どっちも自分わたし」なのだ。だけどまだ解けない。「何か」が足りない。その「何か」を探そう。一生かかってもいい。そしていつか「あの」沈黙を破る言葉かぎを使おう。小学校4年生のときに、僕はいじめられた経験があります。そのときに、僕は2人にいろいろ文句を言われましたが、ずっと我慢して、「大丈夫、大丈夫」と、笑っていました。小学校にも、クラブというようなものが存在していて、僕は漫画イラスト部にいて、絵を描いていた所に、担任のF先生が入ってきて、「二神くんちょっと」といわれて、となりの教室につれていかれました。そこは、机が1つ、イスが2つあり、僕は片方に座らされ、先生はもう片方に座って「今日の昼休みにS君とT君に何か文句言われたんやって?そんなに笑って『大丈夫、大丈夫』なんて我慢せんでもいいねんで」と言われました。僕は、その時になって、自分は自分の中に感情をおさえ、押し殺し悩んでいたのかもしれないと、後々思い返してみたりしました。その時僕は、小さな声で泣き、でもやはり自分の感情を押し殺し「なんでもないよ。大丈夫」と言っていました。今思えば、その頃の自分は意思が弱く、自分の意思を殺し続けていたのだと、人生というものはやはり思い返せば分かるものなのだとよく分かった気がした。これからの人生、もし自分が夢を叶えられなかったとしても、自分を見失わないように、自分が自分であるために、自分の意思を押し殺さずに、まっすぐと、まっすぐと。「うちはお父さんが大好きや」こんな言葉、父に言ってあげたら喜ぶだろうなあ。だけど恥ずかしくて、面と向かっては言葉にできない…。私の家にはお母さんがいない。だから、父が私を男手一つで育ててくれた。私が三歳の時、私を保育園に預けてから、急いで仕事に行っていた父の姿が幼心に印象強く残っている。その頃は誰もが認めるお父さん子で、父の後ろばかり追っていた。だけど成長していくと共に、父へ接する態度も変わっていった。父を避けたり、話しかけられても素直になれない自分がいた。悪いこともいっぱいした。塾の月謝を使い込んだり、父の財布から、お金を盗ったりしたこともあった。あの時怒られて、自分が悪かったのに、父をうっとうしいと思った。あの時は言えなかったけど、「お父さん、本当にごめんなさい」今、父も四十四歳。若くないのに、外の現場仕事で、一生懸命私たちの為に、汗水流して働いてくれている。「うち、いっぱい勉強して、早く一人前になる。そしたら、お父さんにいっぱいいっぱい親孝行してあげるから待っててな!」どんなに正しい事と言われても自分の許せない事には腹がたつ。誰かに言われた道を歩く事など何の輝きもない。しかし確かに今道を歩いている。僕たちは右や左に曲がりたいんじゃない。ただどの道も僕たちの道じゃないんだ。しかし立ち止まる訳にはいかない。十七年間の歳月の中でさまざまな道を歩いてきた。自分の道は誰も歩いた事のない道でありたいと願っている。それを強く望んでいる。別に何かに逆らいたい訳じゃない。目立ちたい金蘭千里高等学校(大阪府)山田麻由さん「鏡の中のサボテン」大阪朝鮮高級学校(大阪府)韓由夏さんサラダ理論府立三国丘高等学校(大阪府)濱口真由子さんわたし府立八尾翠翔高等学校(大阪府)二神徹郎さん思い返せば。大阪市立淀商業高等学校(大阪府)上野真優美さん素直な気持ち県立出石高等学校(兵庫県)塚原正也さん想い