17歳からのメッセージReport2002

17歳からのメッセージReport2002 page 21/32

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17歳からのメッセージReport2002

銀賞する。大人達は一七歳のいい所を見ようともせず欠点ばかり言いたてる。まるで変態扱い。ほんの一部の一七歳の異様な行動を見つけては、今の一七歳はすべてこんなだと言わんばかりに言いまくる。皮肉なことに悪い話は消えにくい。大人というのは今まで何を学んできたのか。私でもわかること、それは人間関係は信頼なしでは生まれない、ということ。特に私達は一七歳といっても子供の様に弱い部分がある。ひねくれやすい微妙な年だ。微妙だからこそ信頼というのは大きい働きをすると思う。簡単にはいかない事かもしれない。でも大人だからこそもっと一七歳を広い目で信頼して見ない限り何も変わらないと思う。信頼されるとどんなにちっぽけな自分の事も大切なんだと思う様になるだろう。そうすれば世間からたたかれている様な一七歳は生まれないはず。お願いだ。少しの失敗は目をつむって、時に愛をもってしかりつけてほしい。もっともっと広い目で私達を見守ってほしい。もっともっと広い心で一七歳を信じてほしい。私は”みんな同じ“という言葉をよく耳にする。多くの日本人の好む言葉である。しかし私はこの言葉を聞くと嫌な気分になる。私は友達から、「みんなと違う人」と言われたことがある。人間、誰一人として同じ人はいないのに、何故私だけこのような事を言われたのだろうか。それは、いろんな理由があったが決定的なのは、嫌な事を嫌と言うことだった。彼女たちの思っている”みんな“は、嫌なことでも人に合わせるのだ。例えそれが明らかに間違っていてもみんながするのなら私もするという考え方なのだ。それゆえ”みんな同じ“に会わせない私は「みんなと違う人」なのだ。みんなに合わせる事は大切なことである。しかし常に”みんな“というカラーに自分を染めるのは、自分のカラーがなくなり、にごったカラーに染められる気がするのだ。日本人に多い”みんな同じだから安心“という考え方は私には嫌な考えであり、恐い考えであると思う。小学五年生の頃、祖母に萩焼きの湯飲みをもらった。可愛い小さい湯飲み。私はこれにデパートで売っているのとは一味違う魅力を感じた。深く吸い込まれそうなベージュ、しっとりした手触り、しかし何より気に入ったのは、湯飲みの下の淵が欠けていることだ。萩焼きの象徴であるという。私には何かそれが特別な物に思えた。私はその時学校で、それが伝統工芸品であると習った。この日本であの特別な物が何種類もあるというだけで嬉しかった。全て見たいとさえ思った。日本は奥が深く、魅力のある国だと思った。しかし昨今では、外国文化化が進んでおり、伝統工芸品も幻になりかかっているらしい。悲しくて、寂しくて…何より悔しかった。私は思う。素晴らしい物は何年経っても世代が変わっても素晴らしいのだ。少しでも多くの人に伝統工芸品に触れてみて欲しいと思う。それらはきっと何かを語るから。そして使って欲しいと思う。そうすればきっと、日本の歴史を抱いて、共に生きていけるから…。今、日本は、就職難でせっかく学校を卒業しても、仕事がなく、仕事があってもリストラされたり…。どんどん悪い方に向かっていると思います。やりたいことがあるのに、それができない。そんな、今の日本が、私は大嫌いです。でも、好きなところもあります。それは、私の住んでいる福川です。福川だけでなく他のところも好きだけど、特に、福川が好きです。私が、学校から帰っているとき、近所の人に出会うといつも、「お帰り」や「お帰りなさい」とか、声をかけてくれます。犬の散歩をしているとき、「かわいい犬だね」とか話しかけてきてくれます。都会では、近所付き合いもないっていうので、いつも声をかけてくれたり、みんなやさしく、あたたかい福川が大好きです。こういう、あたたかい人達がいる日本は、まだ大丈夫だと思います。日本中のみんながあたたかく、やさしい心の持てる日本にしてほしいです。私はルーズソックスをはいている。ルーズソックスといえば女子高生の必須アイテムだが、その名を聞いて清楚な女学生を思い浮かべる人は果たしているだろうか?きっと大半の人が短いスカートに派手な化粧や茶髪の”女子コーセー“を想像するだろう。だが私のクラスにはルーズをはいていても、そんな人はいない。日本のあらゆる所で流れるメディアが作り上げてしまった”女子コーセー“の像が固定観念と化してしまった。日本のメディアは何よりも強いイメージを人に植え付ける力を持っている。その力をよいように使えていればいいのだが、今の19私は日本で生まれ育った在日3世です。なので日本の事が他人事のように思えません。今まで生きて来て、日本人の優しさに助けられ、ここまでやってこれたし、スポーツや芸術などで国際的に活躍している人達を見てると、たくさんの元気や感動をもらっています。日本は今、国際社会、IT革命など世界の先を進む国になりました。しかしその裏で、いじめ、就職難など問題は山積みです。そして私達在日の前にはそれ以前にこえなければならない問題があります。私達は日本で自分の国の言葉や歴史などを習いながら日本の事についても勉強しています。しかし日本の学生や学校の様な待遇は受けられず、私達受験生には国立大学の受験資格もありませんし、私達の学校は一般の高校とも認められず、高卒の資格すらありません。日本のみなさん!国際社会などと言う前に、私達在日達に目を向けて下さい。私達は今、色々なハンデを背負いながらがんばっています。日本のみなさんと協力しあって日本の社会を発展させて行きましょう。「人権を学ぶ」授業があって、うちの学校は講演を聞いた。講演を聞いて私は色々な事を考えたので、他の人の意見も聞きたくなった。ところが休み時間になり、その事について話している人がちっともいない事に気付いたのだ。しかも講演の話題を周りの子に振ってみても、興味がなさそうな感じ。仕方ないので、そういう話題についてきてくれる友人のクラスに行くと、その子達も「周りにそんなの話してる人はおらん」と言う。休み時間が「いつもと同じ」なのはおかしいと思った。なんで喋らないんだろ?考えを人に話すのが恥ずかしいの?自分とは関係ない事だと思ってる?第一、なんでみんなで話し合う時間もセットでくっつけないのかな?そういや、1月17日もプリント刷ってそれで終わりだった!テロの翌日も学校はいつも通りだった!これじゃ日本は絶対やばい。もっと若いもん同士でしゃべろうよ!最近やたらと「一七歳は…一七歳は…」というのをテレビや新聞で目にする。私は今一七歳だ。友達はみんないい子ばかり。繁華街の同世代の子を見ると、正直言ってだらしないなとか常識ないなとは思うけど、付き合ってみればみんな結構いい子だったり大阪朝鮮高級学校(大阪府)李薫さん日本のここが好き、ここがきらい神戸市立葺合高等学校(兵庫県)中島明日香さん大人とのすれちがい県立豊岡高等学校(兵庫県)谷下真理子さんきっと一番たいせつな事県立徳山高等学校(山口県)末岡麻美さん伝統工芸品が伝えること県立徳山高等学校(山口県)秋山尚子さん”みんな“県立徳山高等学校(山口県)御明望さんイメージの日本山口県の県立高校匿名希望日本の嫌いなとこ好きなとこ