17歳からのメッセージReport2002

17歳からのメッセージReport2002 page 27/32

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17歳からのメッセージReport2002

銀賞■藤枝南女子高等学校(静岡県)■大阪高等学校(大阪府)■姫路市立飾磨高等学校(兵庫県)■県立沼津城北高等学校(静岡県)■高岡第一高等学校(富山県)■明石市立明石商業高等学校(兵庫県)25恵まれた私のこの暮らしは本当の平和ではない。この地球上の生物全てが豊かで明るい生活を手に入れられた時、本当の平和が存在するのだろう。恵まれている私達だからこそ決して忘れてはいけないことである。いつもの朝のいつものトーストが有難く思えて胸が痛かった。ちょうど今、一つの校内チラシの下書きを終えた。学校の奉仕部長である私は、ユニセフ活動への協力を呼びかけるチラシをつくっている。手に入れた資料で知識を深め、小さな紙にまとめる。活動についてほとんど知ることがなかったので、これを機に勉強することにした。地球の裏側のこども達。悪循環の現実の中で生きている。ユニセフはそんなこども達の健康と平和を願い、支援していく。現地の様子や活動の様子がいろいろと書いてあった。知れば知るほど、生まれる場所を選べないことが悲しくなった。そして、心から協力したいと思った。一枚の小さなチラシにまとめるのが困難に思えるくらいに……。チラシづくりのために居残りをしていた私に、ある先生が声をかけてくださった。「あなたの努力が、インドやバングラディッシュのこども達の助けになるんだよ」。この言葉はとても励みになった。もうすぐ完成だ。地球の裏側の叫びと、私の祈りは、学校のみんなにどれくらい届くのだろう。平和であること。一つ、生きていること。一つ、うれしいこと。一つ、おこったりすること。一つ、おなかがすくこと、物が食べられること。一つ、空が青いこと。一つ、海が青いこと。一つ、親がいること。一つ、友達がいること。一つ、学校へ行けること。一つ、弟とケンカすること。一つ、平和だと感じられること。これは、私が、平和だと思うことです。私が今普通に生きていけることが、一番の平和だと思います。おこったり、弟とケンカしても、許せるような、心の平和な人になってください。さりげないことも、ほんの小さなことも、幸せだと感じられる人になってください。花が咲くことも、虫が飛ぶことも、セミの鳴き声も、船の汽笛も。すべて、すべてが平和の証。幸せである証拠。平和だと感じられることが、一番の平和。六月二十三日は沖縄慰霊の日です。この日の正午に鳴る、もの悲しいサイレンの音を、十七年間聞いてきました。サイレンの前後の二、三分、町は静まり返ります。その静けさの中で、五十七年前の戦争が、私自身の記憶のように浮かび上がるのです。この日は新聞に、戦争にまつわる多くの話が寄せられる日でもあります。半世紀の沈黙を破って告白される話もあり、戦争の悲惨さをあらためて思わせられます。いつかも、九州の方の、次のような話が載っていました。「私の母は九十歳。痴呆症で、ほとんどの記憶をなくしていますが、テレビで『オキナワ』という言葉が流れると、じっと画面を見つめます。母は戦争未亡人、夫が戦死した沖縄の地だけは、記憶の深い所に潜んでいるようです」。世界の人々の戦争の記憶を自分の記憶として受け継ぐ事が平和の創造に繋がるのです。県立鹿児島女子高等学校(鹿児島県)渡邉瑠美さん祈りのチラシ県立種子島高等学校(鹿児島県)大山薫さん平和だと感じられること県立宮古高等学校(沖縄県)下地若菜さん記憶を受け継いで特別賞6校?