17歳からのメッセージReport2003

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??金賞? 8できる部分があった。とても忙しい高校生活、その上進路選択にも追われプレッシャーのかかる時期だ。しかしこの忙しい、最後の貴重な一年もあっという間に過ぎていくだろう。部活も引退し、文化祭をはじめとする数多くの行事も最後の一度限りでもう来年はない。そう思うと無性に寂しくなった。忙しい毎日がいつの間にか自分の中に定着し、ライフスタイルとなっている。生き生きした自分を生み出す糧であるかもしれない。今父はおそらく社会から孤立し、必要とされなくなること、自分を見失ってしまうことに不安を感じているのだ。灯していた明かりが突然ふっと消えるような静けさに恐怖を抱いているのだ。人は生きがいや目標を持つ事で初めて生きた心地というものを実感するのだと思う。父もきっとこれからの余生で何か生きがいを見つけることだろう。僕もまだまだ先の長い人生、早く夢や目標を持って、今より一層生き生きとした自分に巡り会いたい。鍵は新しくされていた。私の持っている鍵では、もう開くことはない。顔なんて見たくない!アイツは私を捨てたんだ。生きてるかどうかもわからない奴に、言いたいことがあるわけない。どうなってても、私の知ったこっちゃない。本気で言ってるように、聞こえるかもしれない。でも、人間そんなに素直じゃない。本当は、会って言いたいことがある。(志望高に合格したよ。友達たくさんできた。化粧も覚えちゃった。まだ早いって反対してた、彼氏もいるんだ。)責めたい時もある。(なぜいてほしい時にいてくれなかった。)感謝したいこともある。(許してる。強く育ててくれて、ありがとう。)いろいろな想いが、複雑に入り混じってて、それをいっぺんにはきだしたい。困らせたい。父親らしく叱ってほしい。抱きしめてほしい。頼りないけど、これこそ、私の本音。口に出さないのは、聞いて傷つく人がいるから。だから今日まで、この想いはずっと、胸に秘めてきた。(あの頃の夢、保育士になること、まだ諦めてないよ。私がこんなんだからかな。子供の心の内を見抜ける、保育士になりたいんだ。本当は気付いてほしいくせに、強がって隠してる子のために。なれるように、頑張るね。ううん、絶対、理想の保育士になる!)そしたらいつか、伝えたい。部屋で音楽を聴いている。その時の私の手の中には、ケータイがある。誰かとメールのやり取りをしている訳でもない、誰かと話をしている訳でもない。ケータイに用はないはずだが、ピコピコ触りながら片手にケータイを持ち音楽を聴く。一人の孤独な時間を、何も言わずに相手になって過ごしてくれるケータイ。ケータイで孤独な時間を過ごす私。ケータイを触っていることで「私は一人じゃない、誰かが相手にしてくれている」と一人で部屋にいる自分を紛らわそうとしている。私はおとなしい性格ではないが、言いたいこととかをはっきり言うことができない。それは、自己の中にまだ弱いものがあって、自分を隠しているところがあるんだと思う。だから、相手に伝えたいことがあると、すぐメールで済ませようとしてしまう。メールでなら気持ちを伝えることができる。けれど、もしケータイがなくなってしまえば、私は友人に伝えることもできなくなってしまうのではないか。いつの間にか私の代弁者になっているケータイ。気が付けばいつも手の中にケータイがあり、きっと私はケータイ中毒症に陥っているのだろう。机の上から着メロが響いている。誰からだろう。私は、私の代弁者であるケータイにまた手を伸ばす。静岡県立富士宮東高等学校(静岡県)松原奈美さん素直に言いたい。西日本短期大学附属高等学校(福岡県)柳瀬瀬津子さん手の中にあるもの