17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージReport2003 page 11/76

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17歳からのメッセージReport2003

9私の最近興味があるもの、それは蟻の行列だ。列を乱さずきれいに並び歩いている。一体どこに向かって歩いているのだろう。私は試しに近くにハチミツを流してみた。そうしたらハチミツがどんどん真っ黒になっていく。もう列なんて関係ない。自分の好きなものが近くにあったらそれを求めるのに夢中で、周りは見えなくなっている。私はハッと気付いた。「蟻は今の自分とそっくりだ……」私も今現在、自分がどこに向かって歩いているのかがわからない。何の目標もなく、ただ毎日何となく生きているだけだ。自分の好きなものには夢中になり、嫌なものには近づかない。まるで蟻と一緒だ。今私は高校一年生。このままだと高校三年間を無駄にしてしまう。今のままではいけないような気がしてきた。「何か目標をもって、毎日に刺激が欲しい。これからの自分生まれ変わらなきゃ!私は蟻ではない。人間だ!」と思う今日この頃。気づいたら生まれていて、気づいたら今ここでこうして生活している。当たり前だったことが、何故か不思議に思えて、どうして私がいるのだろう、と疑問が浮かびあがる。思春期には、このように思うことはまれではないそうだ。生きるということ、私にとって今、これが頭の中でぐるぐると回っているのだ。今までの、過去の出来事を後悔し、またもう一度やり直したいと思うことが多くなってきている。今までの自分を情けなく思う。何にもならないのに……。これからの自分の人生は、自分で決めることだ。生死を探究し続けていくことは意味がないと思うが、自分をもっと探究すれば、人生を決めるカギが見つかるかもしれないだろう。今私が思うのは、何故生まれてきたのか疑問に思うより、未来をどう作るか、ということ。生まれてきてしまったのだから、これからの人生を楽しくしよう、と思うのが正解なのではないか。「今までの自分、これからの自分」は、まず自分を知り、もっともっと探究すべきことにあるのだと思う。今までの私は、情けなくて仕方がなかった。生死にこだわりすぎて、周りが見えなかったのだ。自分さえも理解していなかったのだ。未来を作る。これが、私のこれからの目標になった。私は最近自分のことについてよく考える。自分とは一体どういう人間で、人からどう見られているか、などすごく気になるようになった。前からそういう部分はあったけど、最近その考えが強くなってきている気がする。答えは何となくわかっている。自分に自信がないからだ。外見にしても内面にしても、自分は人より劣っているという考えがなぜか根底にあってなかなか拭えないでいる。私は少なからず人よりもマイナス思考だと思う。自分でも嫌になる時がある。でも人の性格なんて簡単に変えられるものではないし、難しいことだと思う。けれども、私は今、自分を変えたいと切実に思っている。表面上ではおもしろおかしく振る舞っていても、いつもどこかで本当の自分を抑えていた。でもそれじゃあ息苦しくなるばかりで、自分で自分を追いつめてしまうのは、ものすごく悲しい事だと思う。人の気持ちを思いやっているつもりでいつも遠慮してきた。悪く言えば、友達とも一線を引いてきたのだ。でもこれじゃいけない、と私は思うようになった。4月で18歳になった。もうそろそろ自分探しはやめて自分という人間を受け入れられる広い人間になりたい。弱い部分があったっていい。自分が自分を受け入れないと何も始まらないと思うから。少しずつでいい。ゆっくり大人になっていきたい。そして、素の自分で人と向き合っていけるようになりたい。「諦めず挑戦」ということがこれからの私の目標です。今までの私は、何ごとにも前向きではありませんでした。何かに挑戦すると、途中で壁につきあたってしまい、そのたびに諦めて中途半端で終っていました。たとえば、わからない問題があったら諦めたり、部活で一つできないことがあると投げやりになっていたりしました。でも、諦めて中途半端に終ると、悔いが残るし損をするのは、親でも先生でも友達でもなく自分であることがわかりました。今まで気付かず楽な選択をしていたように思います。これからは、どんなに高い壁につきあたっても諦めず、頑張りたいです。一つ一ついろんなことに挑戦していき、最後までやりとげたいです。壁を乗り越えるだけを考えないで、いろんな方法を見つけて最後の目標を達成できたらいいと思います。人より時間がかかっても諦めず少しずつ頑張りたいと思います。最後の目標を達成できた時の喜びを胸に抱いて、諦めず挑戦していきたいと思います。達成できた時には、自分で自分の首に金のメダルをかけてあげたいです。金メダルが高校生活の中で何個たまるか楽しみです。成績も運動神経も普通、顔も別に可愛くないし、標準体型だった私。小学生の頃、私はなんて普通の人間なんだろう、人と違った個性はないのか、と幼心にいつも考えていました。幼かったのでこのように漠然と考えていましたが、この頃から私は人との違いを求めるようになりました。それは自分の能力を高めることに始まりました。習い事をたくさんしました。学校でも頑張って良い成績を挙げました。体力をつけるため、バスケ部に所属しました。いろんな経験をするために生徒会に入りました。どれも「普通」という言葉から離れるための努力でしたが、そのために挫折も味わいました。この数年間で私は人と違った様々な経験をしたと思います。しかしこれらの足跡を見ても、私の個性が何かは見つかりませんでした。今通っている私服の自由な校風の高校で、私は多くの個性的な人に出会いました。服装、話し方、考え方、これらに個性が溢れています。驚きと発見と感動の毎日です。そんな人たちと一緒にいると、周りから見る私もまた個性的な人なのかもしれないと思えてきました。どうやら必ず一人一人に個性はあるようです。個性は探すものではなく、自然に表れてくるものなのです。中途半端って、すごく嫌な言葉だと思います。確固たるものも持たずに、何かに属することもなく、まるでつまみ食いのように物事と接するようなイメージがあるからです。だから私は、中途半端という言葉が嫌いでした。それが自分にも当てはまる言葉だとも気付かずに…。私は高一の末から美術工芸部に所属していました。周りはみん今までの自分、これからの自分聖霊女子短期大学付属高等学校(秋田県)朝田由香里さん蟻の行列藤枝順心高等学校(静岡県)池谷絵里香さん未来を作る立命館高等学校(京都府)石田智佳子さん自分の成長の中で和歌山県立和歌山商業高等学校(和歌山県)池田真美子さん「私」愛媛県立今治北高等学校(愛媛県)池田有里さん『諦めず挑戦』17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??銀賞?兵庫県立香寺高等学校(兵庫県)今津奈都美さんハンパ