17歳からのメッセージReport2003

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??銀賞?11力してきたつもりだ。目標や夢もたくさんあった。なのに、なぜ私は今立ち往生しているのか?それは、現実という氷のような世界を見てしまったからであろう。夢から覚めない私をつれ戻そうとしに来たのかもしれない。壁にぶち当たってようやく気づいた私は、自ら現実を見ることを放棄したのだ。だがそんなある日、家の屋根の軒下につばめの巣を見つけた。つばめが運んできた土がしっかりとくっついている。一つひとつ巣をつくる材料を運ぶのは、さぞや根気がいることだったろう。私は心打たれた。できないことはないと私に言っているような気がした。一筋の光が闇を切り裂いて前途を照らしていた。心の中から炎が湧き上がっているのがわかった。この果てしなく続く道を思いっきり走ろうと思った。将来、美容師になりたい。そう思い始めたのは小学校五年生の時だった。その頃から現在まで何度か気持ちがゆらいだこともあったけれど、やっぱり美容師になるという夢は変わっていない。私の家は、祖母の代から美容室をやっている。そのため小さい頃から母の仕事を見てきた。初めはただ単に、かっこいいから私もやりたい、と思っていた。母から美容師の大変さを聞いて、自分に務まるのかどうか不安になってもいた。しかし、私には母の後を継ぐという夢があったので少しぐらいきつくたって、がんばろう、と決めた。そして祖母の代から続いて、地元の人たちからも親しんでもらっている店をこれからもずっと続けていきたいと思った。それが私が美容師になろうと思った一番の理由だ。私は今、美容師になるための勉強を少しずつではあるが始めている。これから何度も迷ったり挫折したりすることもあるだろう。だけど私はあきらめない。夢に向かってがんばりたい。今の私には自信がある。なぜなら、私の大先輩でもある母が、背中を押してくれたから。朝、何かが私を呼ぶ。目覚ましのアラームだ。すぐスイッチを切って、目を閉じる。……。しばらくして我に返り、時計を見ると、いつの間にか時間が過ぎている。「やばいっ!!」と思って、飛び起きる。それが私の一日の始まりだ。それからはもう時間との戦いである。全て時間通りに動かなくてはならない。私はいつも、何時にこれをして、何時にはあれをして、というふうに考えなければならないのだ。そして一日が終わり、布団に入ると、ようやく時間から解放される気がする。そんな毎日にはもちろん疲れるけど、生き生きしていると思う。今は、そう思える。でも昔はただ、忙しい、疲れた、辛い、という思いでいっぱいだった。だけどある日、私はこんな詩に出合った。「ぐちと泣きごとばかり言ってる人はぐちと泣きごとの時間を作りながら生きている人。言いわけと弁解ばかりしている人は言いわけと弁解の時間を作りながら生きている人。そして、明るくさわやかに充実したいのちを生きている人は明るくさわやかに充実した時間を作りながら生きている人です。」この詩を読んで私は今まで「ぐちと泣きごとの時間」を作っていたことに気づいた。それなら、「明るくさわやかに充実した時間」を作る人になりたいと思った。同じことをしていても考え方ひとつで「いい時間」にも「悪い時間」にもなる。私は「いい時間」を作る人でありたい。過去の私は、自分の世界で生きていた。一人でひきこもることが多かった。表面だけの友達はいらないと、一人の時間が好きだった。今の自分は違う。高校に入り大切な友達ができた。人と話すことへの抵抗がなくなった。楽しいと思える生活。でも、三年生になって今までとは違う不安やあせり、イラだちに襲われた。自分がコントロールできない日が増えた。一人おいていかれるような気持ちになったから。一緒にいるのに寂しく感じて、落ち着かない日を送る。部屋を掃除していたら一枚のメモを見つけた。小さな走り書きを見た。不安を抱いた二年生の自分が書いた物だった。文字は今を語っていた。『今しかない今を今だから』。簡単で当たり前の文だったけど救われた気がした。今という時間が幸せなことだと思い出したから。何気なく書き残した言葉が大切だと思った。誰かに言われたからじゃなく自分を振り返って気づいたこと。だから私は今を生きている自分を書き留めることにした。これからの私が今を忘れないために。僕は今、丁度中間に居ると思う。ただ年齢的に大人と子供の境ということではなく、僕は精神的に考えて、そこに居ると思う。今までの僕は、自己を中心に置いた生活を送ってきていた。利益がないこと、意欲が進まないこと、そういう類はことごとく回避してきた。言わば、僕の考えは紐で「自分」という心の内面に繋がった状態にあったと思う。浮かぶ考えは全て「自分」中心であり、紐の長さを超えた域は無駄である、と僕は決めつけていたらしい。つまり、僕が今居る中間というのは、考えの中心が少しずつ「自分」だけの状態から離れ始めている時期だと思うのである。それというのも、高校までは、学校という閉鎖的な空間から、大学や社会という人々と接する機会が遥かに多い環境を前にして、自ら自覚すべきと考えたからであると思う。僕が目指すこれからの僕というものは、考えの中心をある一点に固定するのではなく、様々な側に立っても思考できるようになりたい。また、大学や社会の中で、したいことはたくさんあるのだが、そのためには、親や先輩など、既にこの地点を通過した人に相談することも必要だと思う。結局のところ、精神的成長というものは、他人の意見も含みながら、発展させていくべきだと思うのである。僕は今、丁度中間に居ると思う。これからどう進めるかは僕次第だ。私は周囲の人に「笑顔やな」と言われることが多い。私は笑顔を大切にしているので、それは私にとって嬉しい言葉のはずなのに最近は素直に喜べない。それは私が真剣な顔をしている時まで言われてしまうからだ。だから私は周囲の人にて「ヘラヘラした奴、何も考えていない幸せな奴」とか思われているんじゃないか不安になった。そして、笑顔の自分を少し嫌いになった。私が笑顔を大切にしているのは中学の時、とても辛い時期があり、「自分が変わらなければ何も変わらない。暗い顔はやめて笑顔でいれば良くなるんだ」と思ったのがきっかけだ。「笑顔」は私に先の自分への期待と元気をくれた。しかし、今は辛いこと、認めたくない自分を隠すためだけのものになってしまった気がする。けれど、最近私にとっての「笑顔」とはどういうものかを思い出させる出来事があった。知り合ったばかりの人に「元気になれる」と言ってもらえた。母には、それが私の長所だと教えられた。そのおかげで私は笑顔でいることを決めた時の気持ちに加え、自分自身だけでなく周りの人たちのことも元気にさせる力を私は持っているんだと自信が持てた。少し前の私は確かにヘラヘラしたところがあったのだろう。だから自分の笑顔が後ろめたかった。私にとっての笑顔の意味と、それを通して新たな自信を手に入れた今、自分の笑顔をもっと輝かせていこうと思う。和歌山県立新宮高等学校(和歌山県)奥薗晶之さん私はあきらめない!!セントヨゼフ女子学園高等学校(三重県)垣野貴子さん考え方ひとつで広島県立尾道商業高等学校(広島県)亀谷歩さん自分へのメッセージ熊本学園大学付属高等学校(熊本県)北里友作さん中間に居る自分兵庫県立香寺高等学校(兵庫県)黒川綾子さん笑顔