17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージReport2003 page 15/76

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17歳からのメッセージReport2003

ればならない理由がある。一度きりの人生をムダにしてはダメ。その上私は三度死にかけ生き返った女だ。一度目は母の子宮にいる時。母がカゼ薬を誤飲し、私は堕ろされるか五体不満足で産まれるかだった。どんな体でもいいと両親は産んでくれた。五体満足の巨大児で産まれた直後、原因不明の高熱で死にかけたのが二度目。三度目は自宅の浴槽で溺れ、両手両足に点滴十数本を刺されてあの世から帰ってきた。何度も救われたこの命。なのに毎日納得なんかしてない。私は良い子を通してきた。勉強も委員長も部長もした。何のため?親?自分?進学に有利だから。イヤラシイ子。家に帰れば悪い子と化す。良い子の仮面をとって自分勝手ワガママやり放題の親泣かせだ。こんな親不孝な自分が嫌い。昔から友達とトラブって孤立してしまうことがあった。孤立して初めて幸せはどこにでも転がってると知った。幸せを幸せと感じてなかっただけ。自分が”生きて“なかったこと、幸せの存在に気づけた今ならまだやり直せると思う。ただ存在するのではなく、”生きる“ために今の自分にバイバイしようと思う。死ぬ時に「自分の人生を生きた」と言えたらいいな。今の私を一言で表すならば、「謎」という言葉がぴったりです。どうして「謎」なのか。理由はとても単純で、自分のことがよくわからないからです。私は何がしたいのか、何を考えているのか、何ができるのか…。私自身しか知らないことなのに、私にもわからない。すごくもどかしい気持ちになることがあります。例えば、友だちが何か悩みを持っていて元気がない時。どんな人だって心配すると思います。もちろん私だって友だちが元気なかったら心配します。けれど私はどうしたのかなと思うだけ。役に立つことあるかな、力になってあげたいそう思うだけです。私に、あなたは何がしたいの?と問いかけても、思うだけ。こんな自分が嫌です。何もできない自分がとても情けないです。だから私は変わりたい。「謎」である自分から、他の自分に。自分を知ることは、とっても難しいことだと思うけれど、私は自分を好きになりたいから、少しずつ自分を見つめていきたいと思います。自分の謎を解くように少しずつ努力していきたい。17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??銀賞?13私は、昔から、人と違うことに抵抗を感じていた。人と同じでなければ恥ずかしい、人と違うことをしている人はおかしいと、ずっと信じていた。だから、携帯も高校生になる前に買った。メールがしたいから買ったわけではない。ただ、「みんなが持っていて、私は持っていないから」欲しかったのだと、今は思う。そして、色々考え直すと、私が過去に欲しがったものは、そういう「不純な動機」が多かった。服、カバン、日用品は、特に気を使おうとしていた。私は飽きっぽくもあった。「何故だろう?」と必死で考えていたけれど、今から考えたら当たり前だ。人のマネをして飽きないわけがない。携帯にも飽きだした私は、ついに解約してしまった。「みんなが持っている」という言葉は、私には恐ろしい言葉に思える。多少、まだ「人と同じ」ことを魅力的に思える。口惜しいけれど、私はようやく「人と同じ」愚かさに気付くこともできた。そうして、人と同じになりたいという気持ちはなくなってきている。みんなの真似をする方が恥ずかしいのだと、改めて発見した。17歳になって2ヶ月ちょっとがたった私。小さい頃、17歳ってもっと大人だと思ってた。思い描いていたこととは反対に実際は身の回りのことを親に手伝ってもらっていたり、うまくいかないことがあるとすぐ投げ出そうとしてしまったり…まだまだ子供だ。大人になるってどういうことなんだろう?自立した生活ができること?自立した生活ができるようになることは大切だが、もっと難しいのは精神的に大人になることだと思う。世の中うまくいくことばかりではない。むしろ、うまくいかないことの方が多いと思う。そんな時、だれもがイライラしたり、落ちこんだりするだろう。人や物にあたったり、ひきこもったりする前に、違うことや楽しいことを考えて気持ちを落ち着かせよう。イライラしながら考えてもよけいにイライラするだけだ。冷静になった時、今まで見えなかったことがきっと見えてくるから。だれも傷つけずに生きていくなんて無理だと思うし、むしろ傷つけあって成長していくものだと思う。自分と考え方が違う人との上手な付き合い方に頭をかかえたり、友達や恋人とのすれちがいや裏切り、ケンカや別れに泣き悩んだり…辛いことの方が多い毎日だけど、そんな一日一日を大切に、いろんな経験をして、いっぱい悩んでいっぱい泣いて、最後には笑えるようになりたい。笑えるようになった時、私も大人になれるかな。私は、低身長(成長障害)である。私がこれに気づいたのは、わずか五歳の時であった。それから何度も病院に通い、治療・検査それから入院…。それが中学・高校まで続き、その頃思春期だった私にとっては辛いことであった。もちろん、学校で行う身体測定も嫌だったし、身内や近所の人から言われる「大きくなったね」という言葉も、お世辞にしか聞こえない。「小さい体って醜い」って思っていたし、「親のせいだ」と思ったこともあるし、第一、あの頃私の中から笑い顔が消えていたような気がする。しかしある日、親が私にこぼした一言、「ごめんなさい…」。その言葉に、私の心の中の奥底にしまい込んであった煩いが、消える感じを覚えた。と同時に、今まで「小さい」ということにコンプレックスを持っていた自分がばかばかしく思えてきた。それから私の考えは変わった。「微笑みをたやさず前向きに生きていこう」と。そして、これからは自分の目線で見る世界(景色)を注意深く見てみようと思う。小さい人にしか味わえない小さな世界を。そして最後に、自分なりに今を精いっぱい生きてるって体と心で感じたい。私の特技は”自分を演じる“こと…。人は誰でも何かしら特技を持っているもので、踊りが上手なのも料理ができるのも嘘が上手いのもまた、一つの特技である。私が自分の特技を自覚したのは小学生の頃だった。私の親の望む”他人から見て少し変わった娘“と、先生の望む”素直で聞き分けのいい生徒“と友達の望む”面白くて一緒にいて楽しい人“になろうと努力していた。普通ならそうやって努力しているうちに、まるで自分が生まれた時からそんな人間であったかのように錯覚し、それが当たり前になる。だが、私は錯覚する前に自覚し気付いてしまった。相手の望む人間を演じれば楽に生きていけると…。実際親は私が机に向かっているだけで優しくなったし、先生はきちんとした服装と笑顔だけで満足した。友達さえも適度に話を合わせて愛想笑いをうかべるだけで親友だと信じた。皆外見だけで本当の私を知りもしないし知ろうともしない。部屋で音楽の音量を最大にして怒りを物にぶつけている時は音量を下げ話を聞いてくれる人が、悲しくて一人声を押し殺し泣いている時は、優しく頭をなでてくれる人が欲しかった。たとえそれが偽りの優しさや一時の気まぐれでも…。だから私は誰かが望む時に望む物を与えられる人になりたい。それが私にとっては演技でもその人にとっては心の助けになると信じているから…。岐阜県立大垣桜高等学校(岐阜県)田晴美さん謎を解くために大阪府立長野高等学校(大阪府)武正美由紀さん「同じ」ということ兵庫県立明石北高等学校(兵庫県)立花小織さん17歳大阪青凌高等学校(大阪府)田中啓太郎さん小さな世界から微笑みを高知県立高知南高等学校(高知県)谷合千奈さん自分を演じる