17歳からのメッセージReport2003

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??銀賞? 26私は第三回水フォーラムにボランティアとして参加した。その中でも子ども水フォーラムという場に加わり、そこでは三十一ヶ国もの国から一〇九名の子どもたちが参加していた。たくさんの外国の人を目の前にし、様々な国の言語を耳にしたのは初めてであり、今となっては素晴らしく貴重な体験だったように思う。そこで私はたくさんの影響を受けた。自分たちの意見を政府に提出するための最終決議が子どもたちの手で行われるのを見学した。一度考えた文章なのに、次々と子どもたちの発言によって練られ、変わっていった。私はその場で同年代の人々が、自分の意見をマイクを通し伝え、水に対してとても真剣に考えている姿に、しみじみと感動した。日本は、水そのものには恵まれているが問題はたくさんある。だが他の国では、学校に通えず家族のために、生きるために、一日中水汲みをするという現状もあるのだ。日本は水道を捻れば水は出る。この環境を当たり前と思いがちな我々は、水が身近にある事に感謝の気持ちを忘れてはならない。現代に生きる我々であり、先進国である日本だからこそできる事をしよう。私は、水道から出る水を機械を通し分解すれば、想像以上の効果がある事を知った。水分解して出る酸性水は殺菌力、還元水は飲用とし、秘めた力があるとされ医療関係でも効果を挙げている。たかが水と思わず、大切さを感じ、一人でも多くの人に水の力を知ってほしいと心から強く思う。修学旅行のタイの水上マーケットで出会った女の子は、香辛料を売っていた。年齢は五歳ぐらいで、砂利道を使い古したサンダルで歩き、通る人すべてに声を掛けていた。その日はよほど売れなかったのだろうか、私に声を掛けた時には泣き出しそうになっていた。自分が五歳だった時を思い浮かべてみた。泣いた時といえば、注射が痛かったとか、小さな事しか思い浮かばなかった。でもあのタイの女の子には、物が売れずに困る両親や兄弟、そして日々の生活を悲観して泣いていたように見え、やりきれない思いがした。同じアジアで生活し、同じ生活を保障されてもよいはずなのに…。一度、アジアを上空から見た事がある。私の目の前に広がった景色は、絶望という言葉が見合うような砂漠だった。日本で生活し、毎日食べ物などの心配もせず暮らせる私たちに、できる事はあるはずだ。現在アジアでは、たくさんの内戦や民族紛争、そしてアフガニスタンやイラク戦争で、たくさんの人々が傷つき、絶望を感じていると思う。そんな人々を放っておかずに、理解し助け合えれば、平和は近づくと思う。世界では、三秒に一人のペースで、貧困により命が奪われている。私は、世界中の人々が、生を楽しむ機会を持てる未来をつくっていけるように行動していきたいと思う。そしていつの日か、あのタイの女の子もどこかで笑ってくれたらよいと思う。昨日の夕食は、きんぴらゴボウにブロッコリーの胡麻あえ、マグロの山かけであった。さて、これらの材料は一体何処で生産されているのだろうか。まず、ゴボウは中国産、ブロッコリーはアメリカ産である。胡麻については、パッケージには「京のいりごま」とかかれてはいるが、産地は示されていなかった。しかし、日本で消費される国産の胡麻は10%以下である。マグロにいたっては南太平洋産と、海の豊かさを感じる。上記をふまえたら、このいかにも純和風の夕食は日本以外の国からの恵みで作られていることがわかる。このようなことは普段あまり気にとめることがない。いや、何も疑問とは感じずに口の中へ運んでいる。私以外にもそういった人は少なくないだろう。いろいろなモノが様々な経緯を経て消費者の、自分の手元にくる。その中で最も欠かすことのできない食事は私の中で最も身近で気付きにくい地球的規模だと思う。自分の口にするものが何処の恩恵を受けているのかを知ること、それが物の流れ、社会の流れを知る一つの足掛かりだと私はそう思っている。最近私は、母国語である朝鮮語と英語、日本語の3ヶ国語を習得して、世界のいろんな国の人たちと交流できる仕事に就きたいと、考え始めた。それで、空港で働きたいと思うようになった。それまでは、いくら考えてもやりたいことが思い浮かばず、焦りと不安を感じていた。でも、空港に行った時に見て、感じたことが忘れられず、そんな夢を追うようになったのだ。空港ではいろんな国の人がいて、大切な人を送らなければならない悲しみを抱えた人や、新たな事業を実現させようと希望に溢れている人、楽しい経験をするため旅行に行く人、外国に行っていた家族を笑顔で迎える人等々…。別れや出会い、不安や希望、悲しみや嬉しさが、入り混じっているそんな場で、人々の旅立ちを惜しみながらも祝福できる、そんな職業にあこがれた。私も空港で、大好きな姉を送り、迎え、韓国に住む親戚との再会に喜び、離別に涙を流した。だからこそ、人々が別れと出会いを大切に迎えられるように後押ししたいのだ。数年後、いろんな国の、いろんな感情を持った、いろんな人々の旅立ちを、旅立つ者の家族のように送り、迎えられる日が来るように、多くの知識を身につけ、強く、そして広い精神力を持つ、大きな人間になる。週一回、世界の広さを感じます。毎週月曜日、その日はECC英会話の日であり、また私が小さな国際舞台に立つ日でもあります。英会話を習い始めて四年目の今年、偶然の出会いがありました。一つは、在日朝鮮人の私と同じ境遇の子との出会い。その子は私と違って朝鮮学校ではなく、日本学校に通っています。もう一つは、日本に留学目的で来た韓国人との出会いです。もう日本に来て五年ほどだそうです。その人は英会話を習いに来ているのではなく、日本人たちに韓国語を教える講師なのです。偶然にも、私たち三人は同じ国の人間だったのです。しかし、この三人が集まって会話をすると、どうでしょうか。ペラペラと母国語をしゃべる韓国人講師の隣で、何とか母国語の抑揚を真似てしゃべろうと奮闘する私、その隣で「何を言ってるのかわからない」と?マークを作っている友人。とてもこっけいです。そこに韓国語を習う日本人も加えたとしたら…はたして私たちは一つの言葉をもって本当に気持ちを伝えあえるのでしょうか。たくさんの人が外国語を習得しようと奮闘していますが、その中でどれほどの人が自分の母国語をきちんとしゃべれるのでしょうか。ECCという一つの場でたくさんの人に出会います。カナダやオーストラリアの先生もいます。「外国人」と言いますが、私も外国人だなぁと思う今日この頃です。大阪朝鮮高級学校(大阪府)李正穂さん無題大阪府立芥川高等学校(大阪府)山本奈帆子さん無題大阪朝鮮高級学校(大阪府)李喜陽さん週に一度の小さな国際舞台で神戸市立葺合高等学校(兵庫県)山崎萌さん笑顔京都市立紫野高等学校(京都府)森口麻未さん『水』のちから