17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージReport2003 page 32/76

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??銀賞? 30と出会う。目を覚ました僕自身は、これから、自分という深く険しい森の中へと、厳しい社会の現実へと瞳の中の光る自信をもって、心のアルバムに、季節ごとではなく、一日一日の今日というかけがえのない時をしっかりと心に刻んで人生を歩んでいく。「まばたきの、ひとみのレンズを輝かせ、険しき森の、冒険者」から自分への誓い。1986年6月10日、僕は生まれた。僕の「真悟」という名前はお母さんがつけた。理由をきいたらすごい簡単で真実の真が好きだから真、お父さんの名前が悟(さとる)だから真悟らしい。僕のあとに妹が2人生まれたが、その後お母さんは離婚した。そして今、新しいお父さんができてだいぶたった。だが4人目の子供が生まれようとしている。お母さんが離婚した事を2人の妹は知らない。僕だけがうちの複雑な事情を知っていてそれを思うと複雑な気持ちになる。お母さんはいつかは2人にも言わなあかんなといっているが、それを聞かされた妹2人はどんな事を思うだろうか。今お母さんと妹2人は名前を決める本を見ながら楽しそうにしていたし、おなかが大きいうちに記念にと写真を撮ったりしているが僕はいっしょにさわいだりする気にはなれなかった。こんな複雑な心境の中、お母さんはもう入院の準備も終えてあと1、2週間というところまできている。新しい妹の誕生の喜びと不安、迷いなど様々な気持ちの中1週間後を待ち、今僕は毎日をすごしている。なぜここに生きているのだろう。爆破されて殺されて飢えて死ぬ子どもたちのいる世界で、なぜ私はここに生きているのだろう。いのちには定量があると思っていた。いのちに定量があるように、幸せにも定量があると思っていた。あの子たちは定量から洩れた子なんだ。人は平等ではない。平等な権利をもちながら平等ではない。すべての人が幸せになることはできない。いつの時代になっても、哀しいことに人の運命は生まれた国で決まる。ああ、なのになぜ私は生きることができるのだろう。生きていていいのだろう。冷めたハンバーガーが捨てられる国で、米粒が茶碗に残るこの国で、なぜ私たちは素知らぬふりをして幸せになっていくのだろう。生きるって何なんだ。生きるって何なんだ。どこに行けば誰に会えて何ができるだろう。ああ、しかし、生まれてくるのだ。私の姪が、姉の子が、この世界に生まれてくるのだ。生まれる。この世界に生まれる。色をもって生まれる。どうかどうか幸せであってほしい、幸せになってほしい、幸せに定量などない。生きていてほしい。生きていてほしい。生きる喜びを知ってほしい。私は戦争のない世界をつくりたい。誰も殺したくない。私たちが生きていることでもう誰も殺したくないから。私の望む社会を語ったら、驚く人が多いだろう。今の社会ではある意味で非現実的だからだ。それは一体どんな社会なのかというと、例えば同性愛者が異性愛者に自分の恋人との惚気話や愚痴をしたとする。すると、異性愛者は異性愛との共通点や相違点などを通して多様性の面白さに気づく。そして、少しずつ理解を深めていく。そんな社会だ。しかし、これが実現するためにはまず、皆が人間の多様性を少しでも受け入れる姿勢が必要である。差別心や偏見なんかに凝り固まってはいられない。そうすれば、同性愛者も少しずつ自分を出していけ、それが実現可能になる。けれど、常識という障害がある限りこのどちらも大変勇気がいる事に違いない。それには常識を疑って自分で考え、知ることによって対抗できる。しかし実は、この社会はほんの序章に過ぎない。これが実現すればそのうち、「え!昔って同性愛とか異性愛にいちいちこだわってたの!?信じられない!そんなの定義する必要ないじゃない。うわ?、やっぱ昔の人って考えてることわかんないね」と、いう声が普通に聞こえてくる社会になるはずだ。このような事が同性愛だけでなく、全ての性的少数派にも起これば、柔軟性のある素晴らしい社会になるだろう。とっても面白そうだ。17歳、今の私には、色々な可能性がある。それは全ての人にもいえる事だし、社会にもいえる事だ。希望の社会へ!!私の夢は『飛車角』を維持すること。『飛車角』というのは、私の両親が十六年前から始めた居酒屋のことである。私は小さい頃からそこで育てられた。私はそこでいろんな事を学んでいる。目上の人に対する接し方。言葉遣い、あいさつなど。社会っていうのはとても難しいところだと思う。なにより一番大事なのは、笑顔。この店はあいそが悪い。それだけでお客さんが遠ざかっていく。料理よりも先に気遣いなのだと教えられた。「今日はしんどそうやなぁー」ってお客さんに言われたらハジやと思え!母の言葉です。駅前に大手企業が進出してきた。これは大変だと、偵察に行って見た。チェーン店だから、値段が安い。これじゃー値段は勝てない。威勢もいい。でも威勢では勝負できる。料理の味は勝っている。あとは何か?やっぱり駅から近く、値段が安く入りやすい。自営のところは、値段がわからなくて入りにくいっていうのも問題の一つ。あとは最近できた『飲酒運転、罰金三十万』という法律。これじゃ客足も減ってしまう。今、大手企業にどう勝てるかということで頭を悩ましている。バブル崩壊にはまってしまった。母はあの頃に戻ってほしいとつぶやいている。どうしたらいいのか。この不景気に追い込まれている『飛車角』。両親がここまで築き上げてきたものを壊したくない。その店を維持することを目標に。あの店が好きだから…。二〇〇二年七月七日、私に新しい家族が増えた。それは赤ちゃんが産まれたからではない。父が再婚したのだ。私は父方で、三人姉妹である。むこうは二人の息子がいて、一人は私の姉と同じ歳、十九でもう一人は私の一つ上の十六。その上、家が近いもんだから小学校も一緒、中学校も一緒だった。当然顔見知りなわけである。こちらとしてはやってられない。お年頃の男女が同じ屋根の下で暮らすなんて…。二〇〇三年三月二十一日、私たちは引っ越しをした。家族みんなで住むために新しく建てた家に。これからの同居生活とても不安だと思ったのを覚えている。一緒に住むんだから、トイレもオフロも共有しなくてはならない。私は彼らのことが好きでないので、本当に嫌だった。今、私は家族七人で暮らしている。父と母と、姉妹それと義兄二人である。嫌だ嫌だと言っていても、これからずっと死ぬまで縁は切れないと思うので、慣れるように努力している。今でも彼らが入った後のおフロの湯ぶねには絶対つからないし、下着も一緒に洗ってない。だけど、仲良く話せるようにはなってきたと思う。十五歳という若さで再婚やら何やらで忙しい私は本当にかわいそうだと思う。でも、最後は家族だと言えるように努力していきたい。福岡県立久留米高等学校(福岡県)松美穂さん家族沖縄県立那覇国際高等学校(沖縄県)鈴木聖子さん驚愕の社会!?千葉県立千葉高等学校(千葉県)下山田梢さん無題尼崎市立尼崎高等学校(兵庫県)木亜美さん夢のための目標京都市立伏見工業高等学校(京都府)三條真悟さん今、思うこと