17歳からのメッセージReport2003

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??奨励賞? 3614歳の夏、僕はボーッとテレビを見ていた。宿題など全くせず、勉強に背を向けていた。ある日、スーパーにアイスクリームを買いに行き、また何も考えずにテレビのスイッチを入れた。そうすると何も悪いことをしてないのに、殺されたり、御飯が食べたいのに、食べられなかったり、学校に行って、勉強をしたい人たちがいるという世界の社会状況を知った。ものすごく衝撃的だった。何も考えずテレビをつけたはずなのに、あのシーンが鮮明に目に焼きついていて、その日の夜も、次の日も、そのことについて、考えていた。台所で母が言っていた。「いやな、世の中だ」と。確かに共感できるのだが、母のその意見は、自らで変える気のない第三者の意見だった。僕は、この深刻な問題に関わりたいと思った。助けてあげたいと思った。だから今、僕は、机に向かっている。将来を変えるために、世界の人たちの運命を変えてあげるために。もちろん、僕一人が動いたとしても、世界は動かない。大きな岩のように。だが、その大きな岩もより多くの人数で押すことによって、動くんだ。何をしてあげられるのかは、わからない。しかし、水をくんであげるだけでもいいから、助けてあげたい。世代は変わり始めている、今、僕達の世代なのだ。「私、学校行けない」その一言で私の人生が変わった。理由なんて分からない。ただ行けなかった。「どうして?」何度も言われた。「わからない」何度も答えた。学校へ行くというのは普通のことでその普通のことができない自分が嫌いで嫌いで消えてしまいたかった。将来への不安・不登校への罪悪感。それが一気に押し寄せて自分を見失った。暗いトンネルに迷い込み出られなくなった。息がつまるような毎日。そんな時、一人のカウンセラーに出会った。それまで外にまったく出られなかったのがその先生に会いに行く時は楽しみで仕方なかった。そして先生が言った。「奈々ちゃんの思う通りにやってごらん」まるで呪文のように、肩の荷が下りた。そして「行けない」から「行かない」になり、不登校を楽しむようにした。すると不思議に外へ、学校へ行きたくなった。それからは本当に速いスピードでいろんなことをした。そして絶対に無理だと思われていた高校受験に挑戦した。本当に大変だったけど見事合格。ようやくトンネルからぬけ出した。不登校生だった自分。今の自分。私にはどちらも本当に大切な自分だ。私は今、カウンセラーになるためがんばっている。あの時、私が助けられたように同じ思いで悩んでいる人の助けになりたい。この経験を財産にして。私は本当の自分を見せない。いや、見せないのではなくて、人に弱みを見られたくない。変なプライドのせいだろう。変なプライドに私は締めつけられ、翼を、自分のこれからを切り拓いていく翼をもぎ取られた。それからの私は、全てに恐れ、自分の未来に不安を抱いたままでいた。「何をする?」「何でもいいよ」、「どれにする?」「何でもいいよ」これらの言葉を、私は何度口にしただろう。相手の意見に同調し、自分の意見を口にしないまま、噛み殺してきたことが何度あったことだろうか。私は輝きを見失い、もがき苦しんだ。「人から外れるのがそんなに怖いこと?」「自分の意見を言えないことが辛くないの?」と、私は何度も自問した。今私は受験真っ只中。そんな重圧にもめげず、自分の未来を切り拓くには、あの美しく輝いていた翼が必要だ。取り戻さなければならない。プライド?そんなプライドがあるから目標を見失うのだ。外れること?時には人から離れ、自分の意見を述べ、目標を切り拓いていかなければならない。ある友との葛藤が私をここまで成長させてくれた。翼を取り戻させてくれた。私には今、未来を切り拓いていくための翼がある。今まで私は人の意見に同調してきたが、翼を取り戻した今、これからはもっと自分の意見を堂々と述べ、自分の本来の姿で、本心でぶつかりあっていきたい。門限がなく、お小遣いも言えばすぐにくれて、友達にうらやましいと言われたことがあった。私からすれば、何か悪さをした時にすぐに怒ってくれる、門限をつくって心配してくれる親がうらやましい。私の家は放任というか、友達に言わせるとうらやましい家らしい。全然そんなことはないのに…。昔から夫婦喧嘩というものが激しく、とばっちりで傷を負ったことがある。親は気付いていない。酔いにまかせ怒られたことが何度もある。おとなしくしていた時に限ってそうなるのだ。今、私はちょっとしたことで、その時の事を詳細に思い出し、気が狂いそうな状況によくなる。小さい時のそうした経験は、年月が過ぎたからといって忘れるものではない。私はこのことを体験し、自分の子供には同じことをさせたくない。17という歳で、未来の子供のことを考えてるなんて、友達には恥ずかしくて言えないけど、とても強く中学の頃から考えていたことだ。ニュースで虐待の事件がよくあるが、しつけだと考えて子供を殴る親はもっといるはずだ。しつけと殴るのは絶対に別だと思う。私はそんな勘違いな親にはなりたくない。自分の子供にまで、そんな思いをさせたくないと思う。親の身勝手で死んでいく子供がこれ以上増えないことを強く、強く、願う。私は子供たちを守れる大人になりたい。人の評価、世間一般の常識などに気を取られて、自分の行動範囲を狭めてしまう。常に絶対的だと信じている事にも、危険な要素が含まれている事実に気付けない。いつ崩れるか知らない不安定な場所に存在し、小さく身を屈めてひたすら耐えることしかできない。「自己主張」という言葉には縁がない。そんな自分。―だからといって、私は「私」から逃げ出したくない。自分の存在を自分で否定することはとても簡単であり、虚しいモノに思えてならないのだ。では、私は何をすればいいのか?答えは明確だ。それは即ち「自己革命」である。革命といっても決して大それたことではない。ネガティブな感情に埋没した「自己」を拾い上げ、命を、輝きを与えてやる。そうすることによって自分が生きている「世界」に奥行きが増し、今まで以上に視野を広くすることが可能になるのだ。自分の未知の領域を探るための手段は、自分自身の中に必ずある。そしてそれは、本当に些細なことなのだ。「自己革命」とは、自己の内に渦巻く炎をくすぶらせ、知らない自分を加速させる『私自身の革命』なのだ。私が過ごした18年と1カ月、数えきれないほどたくさんの思い出がある。うれしいことや悲しいことに満ちたその人生の中に「今までの私」がいる。「今までの私」には2人の「私」がいる。1人はまじめでマイペースな勉強が好きな小学校の頃までの「私」。もう一人は明るくクラブが大好きで勉強が嫌いな最近までの「私」。どちらも私だが、今の私から見ると別人だ。受験を控えた今の私は前者がすご大阪女学院高等学校(大阪府)木下裕美子さん今までの私、これからの私。広陵高等学校(広島県)金嶋美佑紀さんいつかはばたいていくために。守山市立守山女子高等学校(滋賀県)梅澤奈々さんトンネル大阪府立河南高等学校(大阪府)菊地真美さん人間和歌山県立和歌山商業高等学校(和歌山県)北村恵理さん静かなる「革命」近畿大学附属新宮高等学校(和歌山県)岩谷昇さん変わり始めた自分…