17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージReport2003 page 40/76

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??奨励賞? 38自分っていう一人の人間は一番近くにいるのに一番理解できない。今の私には何かが足りない。私は十七歳。もう自分のことを理解して、しっかりと責任もあると思われている。でもまだまだ何も知らないヒナ鳥なのだ。精一杯はばたこうとしている鳥だ。私の中のいろんな自分。今は好きになれなくてもこれから好きになってあげたい。自信を持って「これが私なんだぞ」って言いたい。たとえ嘘や偽りの自分でも、胸を張って生きていく。どんな自分も私だから、これからの自分をもっと知りたいから。戦争のニュースを見た。それも3日続けて。だけどこんなに毎日、たくさんの人が死んで、兵士は殺すことを日常としているのに私の日常はそんなことおかまいなしに特に大きな出来事がある訳でもなく過ぎて行く。学校でも、みんな戦争のニュースを見ているはずなのに誰も話題に出さない。だってブラウン管の向こうで起こっている遠い国の戦争や人々の叫びより、その人にとっては今日の放課後のことの方がずっと重要だと思ってるから。私もそうだった。ニュースを見れば見るほど、全てがリアリティに欠け、まるで映画でも見ているようだった。全てが虚像に思えた。どこかの誰かの死なんて全然興味がなかった。でもある日のニュースが私を変えた。敵の軍に家族を目の前で殺された少女。祖母と2人で粗末な家にたった2人きりで暮らしていた。少女の瞳はそれでも絶望していなかった。彼女はいつか来る平和のために必死に私達に訴えていた。私は今までその目に気付かなかった自分を恥ずかしく思い泣いた。他人から見たらたかがニュースで泣くなんてバカみたいと思われるかもしれない。でもそこで気付いて素直に泣ける気持ちが私達には欠けているのだと思う。戦争なんて私達には遠い存在だけど、少しでも考えて痛みを解ってあげることがあの少女の願いに近づける一歩だと思う。あんな瞳をもう増やしたくない。中学が嫌いだった。というよりも、暗い性格のせいで周りになじめない自分が嫌いだった。学校に行っても話す人なんかいなくて、孤独だった。それでも毎日登校する自分が滑稽で、醜くて、夜一人でただ意味もなく泣いた。或る日突然、痩せたいという衝動にかられ、ダイエットに走ったこともあった。毎日毎日下剤を飲んで、生きた心地がしなかった。脱毛、目眩、リストカット。心も身体もボロボロだった。卒業式、皆の涙の側で、涙一つ流さず決意した。変わろう、そう思った。高校に入学してから、たくさん友達ができた。性格も見違えるほど明るくなった。けれど、何処かでまだ人を疑っていた。結局、私は変われない弱い人間なんじゃないかという不安が、いつも付き纏っていた。或る時、友達と話していて中学の話になった時、私は思わず口をつぐんでしまった。御免ね、過去の私。本当は、気付いてた。虚勢張って無理してたってこと。誰かに気付いてほしかっただけなんだよね。でもね、もう無理しないで。思いっきり泣いていいんだよ。まだ君の存在を認めてあげられないけれど、もう少し待って下さい。私は、過去を振り返ったりはしない。けれど、捨てたりもしない。そう、私は、ワタシと生きていく。「人生」。私の人生はたとえ誰かが真似をしようとしても決してできない。私が誰かの人生を真似をしようとしても決してできない。それが人生なのだ。今までの私は、人を傷つけたり、裏切ったり平気でしていた。いろんな過ちを繰り返し、どれほど人に迷惑をかけてきたのだろうか。ある意味、自分の殻に閉じこもっていたのかもしれない。自分の思っていることも言えないで、何をしても中途半端。そんな自分にあきれていた。でも、自分の意見を口に出し、否定されることが恐かった。言っても怒られて、聞いてもらえないなら言っても無駄だって思っていた。ある時、親に怒られた。その時感じた一つの想い。「人を裏切りたくない」。本当は心の中で分かっていた。怒られたり否定されたりしても、自分の意志を持っている方が強いんだって。私は少し背伸びして大人になってみた。自分に素直になりたいって思った。決められた道を進むのではなく、遠回りをしてもいい、自分で作った道を進む。それが私の人生。いろいろあったけど、これからの人生は皆に羨ましがられるような人生にしたい。自分の人生に華を咲かせ、自慢のできる大人になりたい。「人の見方は、一通りではない」そう思ったのが、高校の授業だった。世界史の授業の時、教科書に沿っては進まないやり方で、初めは「なんで、こんなことをするんだろう?」と思っていた。でも、それは私が知りたかった社会に近くて、楽しかった。その中で、「アメリカの人たちは、インディアンの人たちから、土地をうばって自分たちの土地にした」とかいろいろあった。それまで、アメリカには、良いイメージの方が強かったから、「そんな過去があるんだ」と思うと、イメージが変わった。それだけだったら中学でも教えてもらったけど、その後に「でも、これだけがアメリカじゃない。良いところもいっぱいあるけど、こんな歴史もあったということを知ってほしい」と言っていて、「あぁー、そうなんだ」と思った。悪いこともした。良いこともしていると思うと、どっちもアメリカで、「一通りの見方だけじゃないんだ」と分かった。先生の考え方を教えてもらって、そうすると「先生の考え方も一人の人間としての考え方じゃないか?」と思えた。こういう授業から、いろんな考え方があると分かり、「こういうふうに、考える人もいる」という、考え方に変わった。何もない、ただ平凡な時間を毎日毎日同じように繰り返しているだけ。平凡といっても何の悩みも何の感情も持ってないわけではない。今は17だ。人生の中で2回目の大きな進路選択をせまられている。将来の夢を持っている人が私は今、すごくうらやましい。私も全く夢を持っていなかったわけではない。色々な理想を描きながらここまでやってきた。しかし、それはただ私の描いていた単なる理想にしかすぎない。社会に一歩でも踏み出せば厳しい現実が待っている。それは分かっている。分かってはいるけれど…実際に社会に踏み出していない私には厳しい現実を受け止めることがまだできない。きっと同じ悩みをかかえている17歳はたくさんいるだろう。だけど、考えれば考えるだけ暗闇に吸い込まれていくだけのような気がする。これは私の人生だ。今は自分の思うがままに、理想を求めて動くしかない。現実はそれからだ。頑張れ自分!!頑張れ17歳!!僕は、生きている。呼吸をしている、心臓が鼓動している。生まれてから今まで15年間、生き続けている。呼吸をし続けて、心臓は鼓動し続けている。僕は、感じている。考えている、悩んでる、夢を見ている。生まれてから今まで、常に何かを感じている。何かを考えている、何かに悩んでいる、自分の夢を見続けている。僕は、成長している。変化している。自分の道を進んでいる。京都府立嵯峨野高等学校(京都府)高野純平さんing西山高等学校(京都府)諏訪原美樹さん「授業中に。」兵庫県立香寺高等学校(兵庫県)清水亜衣さん過去の私へ山形県立米沢商業高等学校(山形県)重野ひかりさん私達に足りない心昭和学園高等学校(大分県)末金美衣子さん我が道を進む久留米市立南筑高等学校(福岡県)高田千秋さん理想と現実の迷路