17歳からのメッセージReport2003

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??奨励賞?49私は、駅の待ち合い室にいる時に何度かある男性に会うことがあります。名前や年齢は知らないけど、その男性は窓側に立って同じ言葉を繰り返し言っていました。最初は少し驚いてしまったけど、何度かその光景を見るうちに、その男性の個性なんだと思えるようになりました。一般的にいえば、その男性は障害者かもしれません。しかし障害者の人たちだけに障害があるとは思いません。たまたま私の他に、その待ち合い室にいる高校生数人は笑っていました。私はその人たちにも障害があると思います。自分にはそういう障害なんてないという目で見てバカにすることが障害だと思います。その男性だって、同じ一人の人間なのに…。自分が親になった時、子供に障害があって生まれてきたらどう思うの?…と腹が立ちます。私の親戚にも一人、脳の発達が遅れて育った男性がいます。私が小さい時から、その男性が遊びに来た日などにみんなで楽しく遊んだ覚えがあります。その男性は今はもう成人になりましたが、一生懸命に毎日を生活しています。障害者の人を見た時、確かに少し恐いと思ってしまう人がたくさんいると思います。だけど笑ったりバカにすることはやめてください。その人も一生懸命なんです。一人の人間なんです。私は、バスケットボールをするために地元の大阪を離れ、岡山県倉敷市に来ました。高校でバスケットボールの練習がきつい時、倉敷に来たことを何度も後悔しました。しかし、地元を離れる時に友達が私に言ってくれた言葉があります。それは「杉田、うちらはいつも杉田の味方やで!いつも杉田を応援してる。しんどくなって、やめたい時はうちらのことを思い出してほしい。うちらは距離は離れてるけど、心は一緒やで。そのことを忘れんといてや!杉田が強くなって帰って来るのを待ってるから。」この言葉は私にとって忘れられないし、忘れてはならない言葉だと思います。ありきたりな言葉だけれど、この言葉は私に勇気をくれる大切な言葉です。これから先、今まで味わったことのない辛さや、悲しみに出合うと思います。しかし、私はくじけそうになった時には、大阪で応援をしてくれる友達がいることや、強くなって帰る私を待ってくれている友達がいることを忘れず、これから先の高校生活を、前向きに、大きな壁にぶつかりそうになった時でも、その壁を叩きつぶして頑張りたいと思います。そして強くなった私を地元の友達に見てもらいたいです。「みんな、応援してくれてありがとう。これからも、成長する私を見守っていて下さい。」私の家族は6人です。お父さんとお母さん、お兄ちゃんと妹、そしておばあちゃんと私。最近の家庭では、ふれあいがない家があるらしいけど、私の家では、ふれあいがいっぱいあると思います。例えば、お父さんは、自分がどんなに忙しくてもイライラしたりしないで、私たちと会話などをする。お母さんは、仕事で疲れていても、笑顔でご飯を作ってくれるし、お兄ちゃんは今は家にいないけれど、電話やメールで「元気か?」と聞いてくれる。妹は、毎日家では、私にちょっかいを出したりしてきて、うっとうしいなぁと思う時もあるし、喧嘩もするけれど、それでもやっぱり仲良しで、おしゃべりとかお買い物とか一緒にする。おばあちゃんは、私が玄関で「ただいま。」というと、2階から顔を出して「おかえり。」と笑顔で答え、下に降りてきて、今日の出来事とかを話したりする。こんな家族がいてくれるから、私は毎日笑顔でいられるのだと思う。みんなみんな、私の大好きな家族。みんなみんな、私の大切な家族。いつまでもこのままの家族でいたいです。私が人とのふれあいの中で感じとったことは、人間は、一人では生きてゆけないということである。それは、一人ではできないことも、二人で協力しながらやることでできることは多くあると思うからです。ここで私の体験を話します。私は、広陵高校で野球をしていて、この春の選抜大会で優勝することができました。私はメンバーではなく、野球部員の一人として、アルプスから応援していましたが、その時私が感じたことは、初戦は、「メンバーはいいなぁ。」と思っていましたが、二回戦、三回戦と勝ち続けていくことで、私の心の中に少し変化がありました。その変化とは、アルプスでの応援のよさを知ったことでした。アルプスではグラウンドの中にいるメンバーとは違い、アルプスの中にいる全員の気持ちが一つになって、メンバーを後押しできたということです。全員で勝つというのを私たちの目標にして、一戦一戦勝ち続けたのは、メンバーはもちろん、アルプスにいる私たちの力もあったからだと思います。私はそういう人とのふれあいの中で、全員で協力すれば、どんな大きな夢も叶うと知りました。だからこそ、人とのふれあいを大切にしていくようにします。人とのつながりは「信頼」という言葉が、キーワードになると思います。信頼が成り立つことで、人と人とのつながりができてくるはずです。ぼくは中学二年生の頃、まったく知らない人に、ナイフをつきつけられるという事件にあいました。もともと神経質だったぼくは精神的に不安定になり、人間不信に陥りました。文字通りだれも信じることができず、愛情や友情、そんなものはすべてうそだと思っていました。そして、近づいてくる人はみんなつき離しました。このときのぼくは、人を嫌いになったというより、人を恐がっていたというほうが正しいと思います。このような状態に陥っていたぼくは、とても苦しんでいました。自分は一人だ、自分は孤独だなどと。でも、そんなぼくを救ってくれたのは、つき離していたはずの家族や幼少時代の友達でした。家族は本気でぼくを心配してくれ、友達は何度も何度も話しかけてくれたり、遊びに誘ってくれたりしました。ぼくは心の底から救われた気分でした。今考えると、当時のぼくは人が恋しかったのかもしれません。この出来事によってわかったことが二点あります。一つは、ぼくが元の状態に戻れたのは、みんなと最後のギリギリのところでも信頼しあえたからだということ。そしてもう一つは、人と人がつながりあえば一生切れることがないんだということです。私たちの周りにはたくさんの言葉がある。その一つが”頑張れ“だ。日常生活の中で当り前に使われる”頑張ってね“の一声。私もいろんな人にかけたし、かけられた。しかし、このちょっとした一言でとても重荷に感じてしまう人がいる事に私は気づいた。私の姉は昔から人一倍負けず嫌いで、完璧主義だった。勉強や部活、また女性なら誰もが一度は挑戦するダイエットでも自分に妥協せず必死に頑張っていた。そんな姉に私たち家族は”実穂ちゃん頑張れ“といつも声をかけていた。壁にぶちあたって落ちこんでる姉に自然と出たのがこの言葉だ。さらに頑張り続けた姉はその結果、病気になってしまい高校を中退してしまった。勉強やダイエットどころではない。部屋に引きこもり家族とも顔を合わせない、元気で明るかった姉からは想像もできない状態になって和歌山県立那賀高等学校(和歌山県)瀬部みゆきさん無題長野県立中野西高等学校(長野県)下田美緒さん一人の人として…倉敷翠松高等学校(岡山県)杉田愛友香さん友達がくれた言葉広陵高等学校(広島県)宗美晃永さん人とのふれあいの中で…神戸市立須磨高等学校(兵庫県)高橋銀河さん一人ではない熊本学園大学付属高等学校(熊本県)建川怜子さん一つの言葉から