17歳からのメッセージReport2003

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??奨励賞? 56人々との交流の場や英語を使う場面も増えてきた。私も将来は国際社会の中で活躍できるようになりたいが、この経験で改めて、自分の英語力のなさと英語の必要性を感じた。しかし、これを励みにもっと頑張ろう、という気持ちにさせられるいい経験ができた。また同じようなことがあったとき、きちんと受け答えができるように今より努力をしたいと思う。今年3月、アメリカはイラクに対し戦争を開始した。理由は、イラクは大量殺戮兵器を隠し持っているからだそうだが、最近ではその理由を、フセインの独裁政権からイラク国民を解放して民主政治を行わせること、としているらしい。私は、このアメリカの考えに疑問を持っている。イラクを攻撃する理由を、『大量殺戮兵器所持』とするならば、一番先に攻撃されるべき場所は、アメリカ本国である。いくら他国がそういう武器を持っているといっても、一番大量に人を殺せて、しかもその場では死ななくても後遺症(白血病等)を残す兵器を持っているのはアメリカなのだ。人々に原子爆弾の恐怖とその利用性を見せつけたのもアメリカだし、フセイン政権を認めたのもアメリカだし、そのフセイン政権にイランと戦うための兵器を与えたのもアメリカだ。このことをよく考えて見えてくるのは、全てアメリカから始まっている、ということだ。そして今、アメリカは昔の尻ぬぐいをしている。今の日本みたいに。しかし、それを認めようとせず、逆に正当化しようとしている。まるで、自分の意見を通そうとしている小さな子供みたいだ。戦争が開始された次の日、あるアーティストのライブに行ってきた。その時彼はこう言った。「戦争なんかやめてほしいよね。」私は、イギリス人の父親と日本人の母親を持つハーフです。昔は日本にいると、周りの人の目が気になって、ハーフである自分を否定していました。そして、なかなか日本人の中に溶け込めなかったりと、悩みは絶えませんでした。でも、少しずつ大人になっていく中で、私は父と母の姿を常に見てきました。父と母は互いに違う文化を持っていながら、互いに違う点を尊重し合って共に生活しています。私は、こんな父と母を心から尊敬しています。今、十六歳になって、私はハーフである自分を誇りに思っています。幼い時から、イギリスと日本という全く違う文化を身近で感じてきたということは、今の自分にすごくプラスになっているような気がします。これは、ハーフであるからこそ経験できることだと思います。そしてこの夏、私は一大決心をしました。イギリスに何年か留学することにしたのです。これは、父の方の文化をもっと知りたいという気持ちから決めました。せっかくハーフに生まれてきたんですから、父と母の両方の文化を知るべきだと思うのです。この、イギリスへの留学というチャンスを利用して、自分のいいところを生かせるような仕事を見つけたいです。そして、グローバル社会であるからこそ、世界の人々の一員として活躍したいです。私は、7年間日本ではなく中国に住んでいました。でも、お父さんの都合で1993年7月に初めて日本に来ました。その頃、私は日本語がぜんぜん話せなかったし、字も書けませんでした。そのため私は、夏休み中ひたすら、「平仮名・片仮名」の練習をしたのを今も覚えています。飛行機で1、2時間で着くお隣の国なのに、こんなにちがいがあるなんてびっくりしました。まずは、生活習慣のちがいです。中国では、家に入るとき靴を脱がないけど、日本は畳なので靴を脱いで部屋に入る、という習慣に私は毎日戸惑うことばかりでした。あと、食文化のちがいにもびっくりしました。小学校の給食では、口に合わずぜんぜん食べられませんでした。今は少しずつ日本料理に挑戦していますが、さすがに10年たっても、やっぱり苦手です。もう1つは、日本語の曖昧さです。中国の人は、何事にも単刀直入に言い、日本人は、それを遠回しに、曖昧なことを言います。例えば、中国人は、率直に言いすぎて人を傷つけてしまうこともあるし、日本人はその反対に曖昧なやさしい言葉で後から人を傷つけることがあります。だから、適切に言葉を使いこなす必要があると思いました。私は、これからもっと日本と中国のことを知り、お互いの文化のちがいを理解し、将来は日本と中国の懸け橋になれたらいいなぁと思っています。グローバル社会に生きる私たちに、今、必要なこと。それは、自分たちの国にもっと関心を持ち、誇りに思うことだと思う。現代の日本人は、私も含め、自分の国のことを知らなさすぎると思う。文化でも文学でも、日本には外国に負けないすばらしいものがたくさんあると思う。私は、高校2年の夏にイギリスにホームステイに行ったことがある。その時、ルームメイトになったドイツの女の子に、日本のことを聞かれたことがあった。私はそのことに答えることができずに、恥ずかしい思いをしてしまった。日本に住んでいるのだから、ある程度の事は答えられると思っていた。しかし、実際には、日本について何も知らなかったことに気づいた。この経験から、自分の国についてよく知ることはとても大切なことだと実感した。そして、その上で外国の人とのコミュニケーションをとり、相手のことを知っていくことが、最も大切なことだと思う。ますます国際化していく社会で、外国の言葉や文化を学ぶだけでなく、もう一度、自分の国について知ることが、これからを生きる私たちに求められていくことだと思う。「スイスは何処にあるの?」「スイス語ってどんなの?」こんな質問に私はよく苛立ったものだ。スイス留学帰国直後、私は半スイス人、半日本人だった。いや、ほぼスイス人だっただろう。家族や友人との再会、懐かしい日本文化に嬉しさいっぱいであったが、その反面スイス人であるが故に戸惑うことも多々あった。スイスと比較して日本を批判してしまったり、スイスのことを全然知らない人がいることにも少しショックを受けた。また私が日本のこと、身の周りのことで知らないことがたくさんあるため、笑う者もおり、それに腹を立てたり一人孤独な気持ちにもなった。こうして今、約半年が経った。今の私は60%日本人、40%スイス人というところであろうか。ようやく落ち着きも戻り、冷静に答えることができるようになってきた。スイスについて全く知らない人がいても、この機会に少しでも知ってもらおうと思い、喜んで話している自分がいる。留学など贅沢だ、お嬢様が行くようなものだと批判する者も陰でいる。しかし私の話を聞いて楽しんでくれたり、留学やスイスに興味を持ってくれたり、私を誇りに思ってくれる子までいる。どう人に思われようが私は私。知らないことがあっても恥ずかしくない。今から知ればいいのだ。知らない人がいれば教えてあげればいいのだ。応援してくれている子もいるから頑張ろう。帰国ショックは私を悩ませたが、一歩一歩私は新しい自分に向かって歩み続ける。神戸市立兵庫商業高等学校(兵庫県)周帆さん日本と中国との文化のちがい…和歌山県立星林高等学校(和歌山県)早瀬泰子さん「新しい自分に向かって」熊本学園大学付属高等学校(熊本県)竹下恵さん自分の国をよく知ること徳島文理高等学校(徳島県)清水麻衣子さん「二つの文化を生きる」京都府立京都すばる高等学校(京都府)坂本侑花莉さん駄々っ子アメリカ