17歳からのメッセージReport2003

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??グランプリ?かのE.G.B.リットンの作品の中の言葉に、『ペンは剣よりも強し』という言葉がある。言論が人の心に訴える力は武力よりも強いという意味であるが、私はこの言葉がもっともであると思える経験をした。私は高一の時、反抗期を迎え何をするにもやり切れなくてイライラしていた。友達や周りの人を傷つけてしまう時もあった。その頃の私はいつも自分の意見を通したいと思う時、いつも相手に意見を押しつけていた。それが相手に何かを伝える最良の方法だと思っていた。でも私はその方法が弁論大会に選ばれて間違いだったとわかった。言葉を選び、何度も訂正した弁論文。友達に「よかったよ」と言われた時、私は相手へ意見を伝えるのに必要なのは半強制的に合意を求める剣のようなものではなく、何度も訂正し熟考された、自分の主張の論理づけられたペンによる文章なのだと思った。剣は強い。だがそれは一時的なもので、表面的な強さしかない一方、ペンは表面的ではなく内面的に強く、その主張に確かな芯を持つものだ。このことがわかって以来、反抗期も落ちついて、文章を通して自分の考えをもう一度見つめ直すことができるようになった。ささいなことだが、私には大きな財産となり今の私を支えている。私はこれからの自分をペンを使うこと、つまり自分にとっての最良の将来を、何度も訂正しながら見つけ、少しずつ前へ前へと進んでいきたい。今まで、そして今の自分を言葉で表すとすれば、「ふわふわ」という言葉がいちばんあっているような気がする。今書くこの字も、少し気をぬいただけで、消えてしまいそうだ。確かにわたしは生まれて、家庭、そして幼稚園や小学校、中学校と、それ以外にも今までの自分、これからの自分様々な場所、集団に属していたはずだ。それぞれに思い出はある。そしてそれは皆楽しかったと思う。でも、実感というか、実際にそういう中で暮らしてきた気がしない。あまりにも幼くて、記憶がないというのもあるが、今までの自分が、実体のない、「ふわふわ」としかいいようがないのだ。そんな風に、「ふわふわ」とした今まで、そして今の自分。そして今、わたしはこれからの自分になる。将来についても、やはり漠然としたもの、「ふわふわ」としたものしか感じられない。これからも、わたしは「ふわふわ」と生き続けるのであろうか。だが、こんな自分をどうにかしたい、変えたいという気持ちも今の自分にはある。その点では今までの自分とは少し違う。「ふわふわ」と同時に実体のある、「わたしはこういうものなんだ!」と言える、そういう自分に、わたしはなりたい。直子たちは元気にしているかな突然やってきたその手紙に、私たち家族はとても驚きました。それは10年前に病気で死んでしまった祖父からの手紙だったのです。私が生まれた1985年に筑波で博覧会があり、そこで15年後の2000年に手紙を届けてくれるというイベントがあって、祖父は旅行に行った時にこっそり私たちに出していたのでした。手紙の内容は15年後の未来に対する期待や、子供たちは元気に頑張っているかなど、希望あふれるものでした。けれど実際の私は、祖父の期待に決して応えられるような人になっていませんでした。親とは喧嘩ばかりして受験生だったのにろくに勉強もせず、自己中心的であったと思います。そして、そんな自分に気付かず、ただ、たんたんと意味のない毎日を送っていました。そんな時に来た祖父の手紙は胸に突きささるようなものでした。自分は一人で生きている気になって、周りの支えがあるからこそだということを忘れていました。このままでは、祖父に申し訳ないと思い、気持ちから改めました。今の自分なら祖父に恥ずかしくない自分を見せられると思います。まさか今は亡き祖父から、そんな大切な事を気付かせてもらえるとは驚きます。そして感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう、おじいちゃん。大阪女学院高等学校(大阪府)山田靖子さんペンは剣よりも強し人とのふれあいの中で…4新潟県立小出高等学校(新潟県)割田直子さんありがとう、おじいちゃん京都府立嵯峨野高等学校(京都府)吉岡美也子さん自分とわたし