17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージReport2003 page 63/76

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17歳からのメッセージReport2003

私は、母に「夢」を応援してもらっている。だから、私は絶対がんばって誰にも負けない、青年海外協力隊になりたい。今もなお、世界のどこかで苦しんでいる人たちの助けになれるようにと。毎日学校に行ったり遊んだりして疲れた時に、私が一番疲れを感じずにいられるのは、小さい子どもとふれあっている時です。いとこの小さい子どもが私の家に遊びにくると、私はどんだけ疲れていても心から笑えます。赤ちゃんが来た時は、もっと心が和みます。そこにいるだけで周りに元気をわけてくれるような気がします。この間ある飲食店に行った時、隣のテーブルに4人家族の人たちが座りました。4才くらいの男の子と2才くらいの女の子がいて、2人でお子様ランチについていた車のおもちゃで遊んでいました。2人はケラケラ笑っていてすごく楽しそうに笑うので、私たちまで楽しい気分になりました。子どもは素直だし全くイヤミがないし、ママになった人が「子どもは天使☆」っていうのが、すごく分かります。しかし、次の日の朝刊を見ると、表にはイラクの戦争でケガした子どもや、カメラに向かって涙いっぱいの目で手を差し出している子どもたちが載っていました。私はその時飲食店で出会った兄妹の姿と重なりました。私たちは生まれた時から豊かで戦争のない平和な国に生まれてきて、幸せに過ごしていけるけど、同じ地球に住んでいるにもかかわらず、食べる物がなくて死ぬ子どももいます。そういう現実を知っていくのは辛いけど、私に子どもが生まれたら絶対その子に、大変な子もいるんだよと教えてあげたいと私は最近よく考えます。完成とともに一本の「つた」が植えられ、今では球場全体を覆い、甲子園の象徴とまで成長した。私は甲子園が大好きであり、そのグラウンドで思いっ切りプレーしている高校球児も大好きだ。多分つたもそのプレーと応援が一体になっているのを養分として今まで枯れずにシンボルとして居続けてるのであろう。しかし白球を追い続ける選手、それを応援し続ける応援団の中で、試合中につたの元へやって来るのは、独特の浜風に乗って漂ってくる煙、煙、煙。スタンド内の禁煙のために、廊下は煙草を吸う人で混雑し、窓から外に向けて多勢の人が一気に煙を吐き出す。そ17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??奨励賞?61んなことされてたら、つただって絶対に嫌なはず。最近歩きながら煙草を吸うことも違反になったり、禁煙場所も増えてはきているし、甲子園だって以前の禁煙スペースがなかった頃に比べれば良くはなっているんだろうけど、せめて誰かが一生懸命何かをやっている時に、煙草を吸う大人の人にはやめてもらいたい。まして『未成年』が夢追い掛けて頑張ってる時に、煙草の煙むんむんとかあり得ない。つたは、浜風に乗ってやって来る、歓声やらプレーの音を聞いて若葉揺らして喜んでるのに、そんな時に煙が漂ってたら喜ぶ気もなくなるよ、きっと…。甲子園のつたには永遠に若葉のまま揺れ続けていてほしいから。私が人とのふれあいの中で最も大切だと思うことは、思いやりを持つことだと思う。思いやりを持って接したり、相手の気持ちを考えて行動することは誰に対してもしなくてはいけないと思う。人は慣れると態度が横柄になったり、何に対しても雑に接してしまうようになる。そうならないためにはどうすればいいのだろう…。私はいつも、人を傷つけるようなことをふざけて口にしてしまう。それは、私からすれば冗談のつもりだけど、相手の人をヒドく落ち込ませてしまっていた。いくら仲の良い友達で馴れ合いから出てしまった冗談とはいえ、冗談ではすまされないことをしたと今は思っている。だから今は、常に相手に対する思いやりを持って生活しようと心がけて人と接している。例えば、言い方や態度。相手にイヤな思いをさせないように考えている。だから、言葉を発する前に心の中で考えて口に出すようにしている。「今日は付き合わせてゴメン」よりも「今日は付き合ってくれてありがとう」の方が自分の気持ちも込められているし、相手に気を使わせないと思う。こんな感じで、一言ずつ言葉を選んで、みんなが楽しくなるような会話や雰囲気をつくっていけるようになりたいと思う。思いやりも何もなく人に嫌われるよりも、この人といれば楽しいとか落ち着くと思われる人になって、みんなと仲良くしていきたいと思う。私は今、家から離れた祖母の家から通学している。もう3年目なので下宿生活にも慣れ、充実した学校生活を送っている。それでも週1回は我が家に帰っている。私は1週間で一番これを楽しみにしている。帰ってくると夕飯と家族が待っている。一家そろっての温かいひと時だ。夕飯の後片付けが終わると母との会話。よく悩みや不満ごとを打ち明ける。悩みといえば、中学生の頃の私はあまり学校に行きたがらなかった。友達関係よりも行事や先生が嫌だった。中1のときの宿泊学習も、母に行くよう説得されたが結局行かなかった。その時の母の涙が今でも忘れられない。あの時は何も言えずにいたけど、母にも自分にも本当に申し訳なかったと思う。登校前日は祖母の方へ戻らなければならない。その時はいつも母に送ってもらう。ある時私は母に「毎週大変じゃない?」と遠慮がちに聞いた。「あんたが思うほどお母さんはきつくないから、大丈夫よ。」と私の心境を察するかのように優しく返してくれた。今でも多大な迷惑をかけているというのに…。あまりの嬉しさに涙ぐんでしまった。到着後、母を見送る私。今日はいつもより声を張って叫んだ。「ありがとう、気をつけて帰ってね!!」ふとした瞬間、いつもは『どうでもいい事』として考えない事について、深く考える時がある。『どうでもいい事』というか、ただスケールが大きすぎて、いくら考えても答えが出ないことを知っているから答えないだけであるが、それらはずっと頭の隅に存在し続けている。それが何かをきっかけに浮上してきた時、私は出口のない迷路に迷い込むのだ。特に最近思うのは、『この世界は本当に存在するのだろうか』ということだ。私は17年間生きてきて多くの人の人生と交わった。しかし私が知れるのは自分の心だけであって、人の心を探ることは不可能である。そう、人が本当に考えていることは分かるわけがないのだ。だからもしかしたら…この世界で心を持つのは自分だけで、他の人は何も考えず、ただ私の言動に反応しているだけなのかもしれない。だとすればここはどこなのだろう。私はどこにいるのだろう……。授業中、そんな事を考えていたら当てられたので挙動不審に陥った。『やばい!!また妄想が……!!』と焦って我れに返る私がそこにいた。その時私は『現実』に戻ったのだ。大人に近づき、世の中が見えてきて、守らないといけないルールも増えてきた17歳。けれどそれ故に全てを否定したい欲求もある。だからこそ想像力は無限なのだ。今しかできないことを、後悔する前に、精一杯やってみようと思う。佐賀県立厳木高等学校(佐賀県)田久保愛さん「思いやり」は大切長崎市立長崎商業高等学校(長崎県)田奈津美さん母へ滋賀県立国際情報高等学校(滋賀県)嶋本友美さんこどもたち兵庫県立明石城西高等学校(兵庫県)菅原麻衣さんつたの気持ち広島県立庄原格致高等学校(広島県)谷川真美さん17歳に思うこと