17歳からのメッセージReport2004

17歳からのメッセージReport2004 page 32/40

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17歳からのメッセージReport2004

実際温度が下がった訳ではないが僕の気持ちがそうさせる。この彼の言葉には色々な意味がこめられているのかもしれない。僕の将来の事を考えてくれているのかもしれない。しかし、彼の言葉には心がこもっていない。その心のこもっていない言葉は、ただの音にすぎない。だから僕は言葉を話さない彼を好きになることはできない。一年程前、それまで全く縁のなかったケータイを手に入れた。僕は何かにとりつかれたようにメールやiモードを使った。よくメールを打っていると、「これで伝わるだろうか?」と思うことがある。そんな時はとりあえず考えて、文章を打ち直すか決めるのだが、送って返事が来ても、どこか納得がいかず、気分が悪い。気持ちが伝わっているかいないか分からないだけでこんなにも不快なのだ。人との対話なら発音の仕方によっては気持ちが通じるだろう。だが、発音のないメールでは言いたい事が通じないのだ。「音」と「メール」。僕は父から逃げてケータイを手にした。しかし、逃げた先は全く同質の、耳で聴くか、目で聴くか、ただそれだけの違いしかないものだったのだろう。『朝のリレー』という谷川俊太郎氏の詩を、皆さんはご存知だろうか。某CMに起用されている詩なのだが、私はそれを見てすごい事を考える人がいるものだと大変強い感銘を受けた。その一節にこんな言葉がある。”僕らは朝をリレーしている。経度から経度へと。いわば交替で、地球を守る。“今現在も世界のどこかが日の出・日の入りを迎えていて、それを”朝のリレー“と題したものだ。衝撃だった。何と広い視野だろうかと。今まで幾度も当然のように迎えてきた朝を”リレー“しているなどと表した詩は、凡庸な頭しか持たぬ私にはとても新鮮な表現であった。陽のあたる場所全ての生命が行う大規模な協同作業。文化や言葉や種族が違えども、何億年も前からこの地において”朝のリレー“は行われてきたのだ。しかしながら、誰しもそれに気付かずに生きている。あまりにも当然すぎて。勿論私もその一人だった。何気なく見たCMで私は、少なからず”朝のリレー“に悠久のロマンを感じた。それと同時に、自分の心の視野もわずかばかり広がったような気がする。広い心で、様々な世の中を見たい。今日も、明日も、明後日も、私達は生ある限り朝を迎え、そして送り続けるのだ。万物の活動の源と言っても過言ではない朝を。そして今も、どこかで誰かがゆっくりと、ゆるやかに朝を迎えるのだ。どこの学校でも、必ず行われる「マナー検査。」私は、本当にこの検査は行っていて意味があるのだろうかと、思います。なぜなら、マナー検査の時だけ規則を守っている人がいるからです。先生達は、そういう人達に気づいていないだけなのでしょうか?私は、先生達は普段の私達の服装などを見ているので、本当は”普段、違反している人“と、気づいているはずだと思っています。それでは、どうして先生達は注意しないのでしょうか?生徒が恐いのでしょうか?それとも見逃がしてくれているだけなのでしょうか?それなら、マナー検査をしている意味がないと思うのです。私の様に、普段から規則を守っている人から見れば、どうして私まで検査されなければいけないのだろうと思います。先生達が、”普段、違反をしている“と思っている人だけ集めて、マナー検査をすることはできないのでしょうか?規則を守っている人達から見れば、意味のないマナー検査のせいで、自分の貴重な時間を奪われているとしか思えないのです。もちろんマナー違反を、している人達が一番悪いのですが、先生達も、行って意味のあるマナー検査をしてほしいです。全国にも、私と同じ様に思っている高校生も、いるだろうと思います。マナー違反をしている高校生達に、同じ17歳からのメッセージで、あなたが違反しているせいで、規則を守っている人に迷惑をかけている事に、気づいてほしいです。朝、家を出る時に眠っている母の姿が見える。母は今年で五十七歳。友達のお母さん達に比べたら少し年上のような気もするが、気持ちの面では母の方が若いと思う。私には、七つ年上の兄がいる。しかし、生まれてくる時にトラブルがあって、重度の障害を抱えている。寝たきりで言葉もうまく話せず、全介護の状態。そんな兄を母は、この二十五年間ずっと育ててきた。そして母は、体力づくりのためにスポーツジムにも通っている。それだけではない。三年ほど前から、夕方から深夜にかけて働いているのだ。昼間は兄の介護に家事、ジム、そして夜は仕事―。私より小さい母の体のどこに、そんなパワーが隠されているというのか。母のすごさには本当に驚かされる。母は、私にとって尊敬する人であり、私の心を支えてくれている人でもある。かけがえのない存在だ。眠っている母を見ながら「いつもありがとう」と、私はつぶやく。直接伝えるのが一番なのかもしれないけど、照れくさくてなかなか口には出せない。この十七年間、頑張っている母の姿を見て私は育ってきた。そして、幾度となく助けられ、支えられてきた。今度は私が母を助ける番だと思う。母のために、何ができるのか、何をするべきなのかを考えながら、これからも母の力になれるよう精一杯頑張って生きていこうと思う。私は農業高校に通っています。授業では、野菜や草花等の栽培、マウス、牛、豚、山羊、ポニーなど多くの動物の飼育や管理と、さまざまなことを学びます。週の授業時間の約半分ぐらいが実習ですから、机に向かって学ぶことが嫌いな私にとっては、とてもうれしいことです。高校に入りたての頃、普通学校に通う友だちからよく言われました。「農業高校って楽しいの。手足が汚れて嫌にならない?」友だちの言う通り、確かに手足は汚れます。そして、そのことを嫌だと感じたことがなかったわけでもありません。でも、農業についてくわしく学ぶこと、体を動かしてものを作り出す学習の中には、言葉では表現できない感動や楽しみが数多くあります。農業高校で学んだからこそ実感できた命の尊さや食べ物の大切さ、そんなことの一つひとつが、今では私の誇りになりました。もちろん、動植物を育てるということは、想像以上に大変なことです。しかし、生きている命と向かい合い、その大変さの中に喜びや楽しみを見つけだす学習には、感動の出会いがいっぱいです。そんな農業高校生の学校での様子を、もっともっと多くの人たちに分かってほしい、そして出来たら、農業の大切さを理解してほしい、これが今の私の願いです。「何この子、気持ち悪い。」私が初めてアシェリーをテレビで見た時の率直な感想でした。アシェリーは13歳、けれども肉体年齢は80歳を超えています。髪の毛はなく、13歳の子供のようなつやつやとした肌ではなく、色白く大きなしわがいくつもあり、目だけがぐりぐりとして強調されています。プロジェリアという言葉を聞いた事があるでしょうか。私も今までその言葉を知りませんでした。今はまだ、研究の進んでいない未知の病気ですが、普通の人の8倍から10倍の速さで年をとってしまいます。ですから、この病気の人たちの平均寿命は14歳。アシェリーのボーイフレンドのジョニも15歳で、つい最近亡くなってしまいました。だから、アシェリーは自分の命が短いことも、充分わかっています。でも奨励賞?17歳からのメッセージ[受賞作品集]??30宮崎県立高城高等学校(宮崎県)下村友美さんマナー検査宮崎県立宮崎商業高等学校(宮崎県)須小百合さん私の母鹿児島県立市来農芸高等学校(鹿児島県)梅木美穂さん農業高校に学んで思うこと鹿児島県立指宿高等学校(鹿児島県)林友萌子さん生きてそして死ぬということ長崎県立有馬商業高等学校(長崎県)中岡美波さん「地球防衛軍」