17歳からのメッセージReport2004

17歳からのメッセージReport2004 page 6/40

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2004 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2004

部屋の掃除をしていた時にふと青色の丁寧に2つに折られた画用紙を見つけた。開いてみると中には、原稿用紙。タイトルは年頭所感。思い出した!小学6年の時のものだ。3月生まれの私は年女ということもあって3学期の始業式に全校生徒の前でこれを読んだのだ。読み返していると、文の終わりに「強い風が吹いてもキレイに咲く花のように、今年は今まで以上に頑張りたいと思います。」と書いてあった。ドキッとした。こんな言葉を書いていた時があったのか。とても小学生が、ましてや自分が書いたものとは思えない言葉だった。あれから中学・高校と「強い風が吹いてもキレイに咲く花」になれたか。人から何か言われるたびにうるさいな、とか思っている私。ささいな一言でケンカしてすぐ周りにあたる私。決して風に身をまかせて揺れている花ではない。今思えばこの言葉を書いていたあの頃が一番美しい花を咲かせていたと思う。しかし、今からでもできる。今から枯れかけている自分に水をやろう。相手のことも考えればケンカもおきず、自分の心の花に栄養をやれる。心の太陽で「強い風が吹いてもキレイに咲く花」をもう一度咲かせよう。過去の自分に会うのもたまにはいいもんだ。今日も俺は、大きな野球カバンを左肩に背負って下宿を出る。自転車を走らせながら考える。「監督は今日はどないかなぁ」毎朝俺は考える。監督の考え、監督の言った言葉、監督に怒られたことを思い出しつつ、考えつつ、俺の長い1日が始まる。俺と監督が出会ったのは高校1年生の時。監督も赴任してこられたばかりだった。俺はすぐ野球部に入部を決めた。初めての高校野球に身震いがした。興奮した。あの時の心臓の、バクバク感は忘れられない。グラウンドには、たくましく見える先輩たち、まだウロウロするだけの1年生、そして「ドスン」と腰をおろしている監督。練習着を選手よりもきれいに、そして堂々と着こなしている。その時から俺は、「監督についていこう」と決めた。まだ入部して1日もたっていないのに俺は決めていた。毎日苦しい練習が続く。その中で監督に一目でも見てもらいたくて声を出した。「さぁ元気出して行こぉ」かすれた声で必死に言った。ある日の全体のミーティングで、「ヘタでも必死にやれば力になる」と監督は俺の方を向いて言った。俺はうれしかった。たとえ俺に言っていなくても、俺は、一生この言葉を忘れない。俺はあと少しで野球部を引退する、後悔はない。2年半、俺たちは監督を信じて必死についてきた。そして今、俺たちは監督を甲子園へ連れて行く球児になった。「人は人を信じて強くなれる」俺は監督に教わった。4山口県立徳山工業高等学校(山口県)中村未来さん花17歳からのメッセージ[受賞作品集]??グランプリ?点?4グランプリ?今までの自分、これからの自分?テーマ?広島県立宮島工業高等学校(広島県)向井正志さん俺と監督人とのふれあいの中で…?テーマ?