17歳からのメッセージReport2005

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17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージ?受賞作品集??銀賞?て”夢“なのだ。まだまだ何もわかっていないけれど、自分の夢が何なのかを見定め、夢のために毎日を精一杯過ごしたい。働くという事に対して、私は「自分の責任を自身で負う」ということ、また「大人の一員」というイメージを抱いている。働く、という事に対して、私がイメージしか抱けないのは私が未だ働いた事がないからだろう。私は今18歳の健康体で、働けるか働けないかと聞かれれば、働ける人間に属している。つまり、働いて自身の責任を負える立場にいるのだ。にも関わらず、現在の私はといえば、働き始めるタイミングを計りかね、さらには、働くか働かないかの間でぬるま湯に浸りながらゆらゆら揺られている、というのが現状だ。働くという選択は、大人の一員としての輝かしい未来と、汗水流して苦労しながらも充実した毎日とをつかむことができるものだと解っているのだけれど、ぬるま湯に慣れた子供な自分がその選択をひどくためらい、甘い飴でもって、働こうとする私を強く揺さぶるのだ。働き、自立し、自身の責任を全て負う事こそ、大人になるという事だと認識している私は、この子供の甘い誘惑を断ち切ってこそ、大人へと成長する一歩ではないか、つまり、子供の自分を捨てる事が新しい自分を切り開く鍵なのではと考える。私の将来の夢は、プロバレリーナになって、世界で活躍することです。今、私はバレエ教室で助手をしています。先生に頼まれたからです。幼稚園生や小学生を教えたりしています。だから、小さい子からは先生と呼ばれています。先生と呼ばれると嬉しい反面、ちょっと複雑です。なぜなら、15歳で先生と呼ばれるのは嫌だし、前にも書いたように、将来の夢はプロバレリーナです。プロになる前に先生になってしまったら、順番が違うように思います。私が助手をして学んだことは、働くということはすごく大変だし、責任感が必要だということです。バレエの先生の場合、自分の思いや欲求を生徒にわかりやすく伝えなければいけません。それはすごく体力や忍耐力のいることです。でも私はそれを苦だとは思いません。なぜなら、バレエが大好きだからです。好きなことは、この先、どんな試練があっても、乗り越えていける自信があります。働くということは、お金を稼いで食べていくということだと思っている人がほとんどだと思います。だから、給料が高ければ、どんな仕事でもいいという考えを持っている人が多いと思います。私は絶対に、そうは思いません。二度と無い自分の人生、自分の才能を活かせる仕事に就けたら、たとえどんなに貧乏でも私は幸せをかみ締めることができます。この世界には、本当に多くの仕事があります。働く場所も、時間も、求められる能力もさまざまです。でも、もし一つだけ共通点を挙げなければならないとしたら私はこう答えるでしょう。「仕事とは常に自分以外の誰かのためのものである」。どのような人を相手にするのか、どのようなものを与えるのかなど違いはありますが、働くということの基本は他人への奉仕だと私は思います。その行為に報酬を受けとったとき、それは「仕事」と呼ばれるのではないでしょうか。ありがちな言葉ですが人は独りでは生きていけません。「独り」と「一人」は違います。例え親の手を離れ自分の収入で生活できるようになったとしても、それでも私達は誰かの造った家に住み、誰かの作った服を着ます。生活の全てを自分で創り出すのはとても困難でしょう。顔も知らない数えきれない人達のおかげで、私達は日々生きています。働くということは、自分を生かしている多くの人々に感謝し、また自分も誰かを支える力になろうとすることではないでしょうか。私は、今はまだ働くことの出来ない、生かされているだけの存在でしょう。それでも、本当にたくさんの人のおかげで生きていることは忘れたくないと思います。いつか、大人になるときまで。誰かのために働く、その日まで。五月の数日間、祖父は一年で一番輝く。祖父は畑で野菜を育て、私達に食べさせてくれる。その畑に唯一の果物―私の大好物の苺だ。一年間その収穫の数日間の為に毎日汗を流して世話をし、雀から守る。手伝おうとしても頑なに断わり、たった独りで。そして待ちに待った、私が苺を食べる時、彼は私の顔を至近距離で覗き込み、「甘くてめっちゃおいしいで。」の一言を待つ。が、待てずに、「おいしいやろ。どうや、おいしいやろ。」と、口に入れた瞬間催促する。そして私の反応に満面の笑みを浮かべ、次の年には苺の棟が一本増えている。辞書によれば「働く」とは、「目的にかなう結果を生ずる行為」とあるが、その「目的」とは祖父にとって、「お金」ではなく、「笑顔を見ること、笑顔になること」であろう。ところで私の夢は、子どもに関する国際協力をする事だ。よく人から、「それは仕事じゃないだろう。」と言われる。しかし祖父が畑でこれからの一生を「働く」ことに捧げる様に、そんな彼の孫である私も世界のどこかで彼のように働きたい。子ども達の笑顔を見る為、それを見て私も笑顔になる為、そんな私の笑顔を見て笑顔になってくれるだろう家族の為。それが私の「目的」だ。「高校生?」と聞かれて「はい」と答えた。店長は「じゃあ今が一番楽しい時期やな」と言った。「あと数年で働ける。わくわく。」と思っていた自分は正直、面食らった。店長の言った「今」「一番楽しい時期」というのは高校時代のことだろうと思う。ただ自分の「今」を楽しい時期だと思った事もなければ「人生で一番」という気は全くない。話を少し変えるけど、自分は早く働きたい。もちろん自分のしたい仕事に就くことを前提に「働きたい」と言っているのだけど、もしそれが叶えば人生で最も充実した生活ができ、「一番楽しい時期」が訪れると思っていた。しかしバイト先の店長は「高校時代が一番楽しい時期」だと言った。店長のその一言は経験論なのか一般論なのかは知らないが正直、マジでうっとうしかった。働くことは実はそんなに楽しくないんじゃないか。と思わせるような、そんなことを労働者に言われた。それからあらゆる業種の労働者の顔を無意識的に見るようになった。「彼らは楽しいのか?」と思いながら。でも残念な事に会社帰りのサラリーマンは疲れきっていたし、顔面一杯に愚痴をこぼしていた。そんなサラリーマンを見ているとフリーター増加の原因が窺えた。大人は労働することの厳しさ、気に入らない上司のこと、人間関係の確執のことやら色々子供に教えるが、働くことの面白さ、大切さはその色々の中にはあまり入っていない。学生時代が一番楽しくて、働きだせば辛い事ばかりが起こるのではないかという想像は自分の中で妙に信憑性を帯びてきた。だから自分は労働者になりたくなくなった。せめて大人にはも大阪女学院高等学校(大阪府)田中沙央理さん働くこと、自立すること、大阪市立桜宮高等学校(大阪府)松元伶奈さん仕事に就くということ…大阪府匿名希望誰のために働くか神戸市立葺合高等学校(兵庫県)青木梨花さん五月の苺尼崎市立尼崎高等学校(兵庫県)北川晴也さん仕事15