17歳からのメッセージReport2005

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17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージ?受賞作品集??銀賞?っと仕事を楽しんでほしいと思った。”働く“目的には優先順位があると思う。第一に自分のため、第二に社会に貢献することだ。まず第一に自分にとって働くことの意義とは、お金を稼ぐこと。それは生きていく中で最優先される。また自分に負けないこと。やり始めた事に挫折すると、自分に甘く弱い人間になってしまうから、精神的にも強くなることが必要だ。これらを成し遂げるには、社会の厳しさを知ることも必要となる。社会常識を身につけていることは当然だが、何よりも規則を守ることが大切だ。他者の意見を聞き、主張する能力を身につけることも必要なことだ。第二に社会に貢献することとは、「人々にとって住みやすい社会をつくる」ことだと思う。具体的には、年齢関係なく役立つことを考えることだ。将来、看護師という職を持ちたいと思っているが、看護師になった時には、少しの障害もなくせるようにしたいと思っている。正直なところ、自分自身の生活が安定し、精神的な成長がなければ、本当の意味での社会への貢献はできないと思う。「人が動く」と書いて”働く“なので、人が努力することでこの言葉が成り立っていると思う。これから成長する若い人たちが今から努力することで、今後さらに人々の生活が豊かになり、社会に役立つこととなるだろう。私もその一員になりたい。子どもの頃、「大きくなったら何になりたい?」と聞かれると「ケーキ屋さん」「お花屋さん」など誰でもはっきり答えることができた。中には「仮面ライダー」など今考えれば夢のようなこともたくさん言えた。でも、今「何になりたい?」と聞かれると答えられない自分がいる。私の子どもの頃の夢は保母さんだった。しかし、今思うと自分がその保母さんのどこにあこがれていたのか、本当にそれでいいのかわからなくなっている。子どもの頃の「大きくなったら」が今もうすぐそばまできているんだなと思わされる。最近、親と将来の職業についての話をすることが多くなった。前までは笑いながら聞いてくれていた単純な未来計画案も、今となっては現実的な言葉が返ってくる。私は未だに将来についてちゃんと考えたことがない。友達の意見についていって流されてしまっている。正直「まだ考えなくてもいい」という思いばかりで何をしていいのかわからないでいる。「このままでいいのか?」たまに思ってもどうしようもない。働くということはこんなに大変なことなのか。今の楽しい高校生活が続けばいいと思う。働くということ、それは難しいこと。苦しいこと。考えるのもいやになること。でも、私の未来のための欠かせない大切なこと。”働く“ということを突き詰めて考えると、あれやこれやと不安になる。現代社会は不況真っ直中だ。まるで満員電車のようだと思う。若者は教職員や両親の後押しのもと、この電車に乗り込もうとするわけだが、乗り遅れたり、努力実らず乗り込めなかったりする人間が必ずでる。乗り込めたとしても、思うように座席に座れる人間など限られていて、その他の人間は身動きの取りづらい環境の中、ただひたすら耐えなければならない。下手をすれば、その中で圧死だ。いつ電車内から弾き出されるかもわからず、僅かばかりの金と共に、駅に取り残された日には一体どうしたらいいのか。まさに去るも地獄、残るも地獄。私は不安になりすぎているのだろうか。無知ゆえに考え過ぎているのだろうか。そうだとしても、思わずにはいられない。現実は甘くなどないのだと。そうやって自己を戒め、夢が破れたときのことを覚悟させておく。現代において夢ばかりを追うことはできない。現実とどこかで折り合いをつけなければならない。でなければ働けない。働くことは人の責務だ。働かなければ生きていけない。そうやって手にするものが”不自由“という”自由“であったとしても……。高校3年、17歳。電車に乗り込む時刻まで、そう、遠くない。小学校の時、よく将来の夢について考えたり、みんなの前で発表したりした。子どもの夢はとても大きく、希望に満ちあふれている。「野球選手になりたい。」とか、「歌手になって有名になる。」とか夢を語るのを聞くと、今の自分がとても冷めた人間だと思えてくる。私の将来の夢は、幼い頃から「習字の先生」だった。三歳の頃から硬筆と毛筆を始め、少し自分に自信があったのだと今では思う。書道はとても好きだったし、授業で書写の時間は楽しかった。そして私は今でも書道を習っている。しかし、今の私の夢は「保育士」という全く違う道へ進もうとしている。どうしてだろう。深く考えても答えは出ない。でもあまりに大きな夢に負けてしまったのだと思う。夢を追い続けてそれを実現した人は、自分とは遠く離れた存在のように感じる。でも、実現できなかった人もたくさんいるはずだ。実際、フリーターが年々増え続けている。私はある人に、「フリーターとは何もしていない人の事じゃない、将来の自分の夢に近づくために頑張っている人の事を言う。」と言われた。私はそれを聞いて、フリーターという言葉のイメージが変わった。自分の夢を実現して働いている人はたくさんいるが、夢を実現するために働く人もいることに気づいた。違う見方で考えると、いろんな思いがある。蒸し暑い工場で、油まみれになったり、汗だらけになり、危険で常にけがととなり合わせ。そういう仕事が嫌いだ。お金を稼ぐためとはいえ、そういう仕事をするのはめんどくさいと思っていたからだ。そんな僕だが、近くの工業高校に進学した。そこでは機械をいじるなど、ものづくりがメインだった。最初のうちは自分の進路に後悔したり、学校をやめたいと思う事は何度もあった。しかし、ある授業で小さな電気回路をつくった。汗を流し、運ぶだけでも疲れてしまうような道具を運び、教室に戻った時にはバテバテになった。基板に色をつける着色液で、服や手を汚しながらつくりあげた。その回路を実際に使うときには、ちゃんと動くか不安になりながらも、ちゃんと動いた時には、喜びというより、むしろ感動した。この授業をきっかけにものづくりの楽しさや、充実感を知った。僕は今でも工場で働くのは嫌だ。でもあの授業での気持ちがきっかけになり、変わった部分もある。きつい事だらけの工業でも、ものづくりの楽しさや充実感を求め働く人達がいる。僕の心の中で、そういう人達を今ではかっこいいと思えたり、また心から尊敬できる。神戸市立葺合高等学校(兵庫県)寺内千景さん無題和歌山県立和歌山高等学校(和歌山県)數見陽さん発車時刻まで和歌山県立橋本高等学校(和歌山県)中山真実さん働く、ということ山口県立徳山工業高等学校(山口県)吉國直哉さんきっかけ16兵庫県立神戸甲北高等学校(兵庫県)古田陽子さん正直に…