17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージReport2005 page 20/44

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2005 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージ?受賞作品集??銀賞?映画鑑賞は僕の趣味の一つです。映画が好きで、よく映画館へ行きます。ジャンルは、ハリウッド映画のSFや、アクションです。特に、「スターウォーズ」のシリーズが好きです。ほとんど、洋画を観ることが多いです。日本映画やアニメは観ません。なぜなら、実は、僕はろう者なのです。ろう者とは耳が聞こえにくい者で、身体障害者と呼ばれています。僕は生まれつきのろう者です。音声を区別するのは、不可能です。どうして、洋画だけ観るかというと、字幕が付いているので、内容がわかるからです。しかし、日本映画では、ほとんど、字幕が付いていません。最近、日本映画やアニメのDVDでは、その一部に字幕が付いています。それは、便利だなぁと思いますが、自宅で観るよりも、僕は、映画館で観たいタイプです。映画館は、大画面があって、迫力を体感できるからです。どうして、字幕がないのかという疑問が以前からありました。多分、ろう者の人数が少ないので、字幕を付けても、映画館の利益が上がらないからだと、考えられます。僕は日本人なのに、日本の映画を楽しめないことはショックです。僕は、ろう者の為に字幕を付けてほしいと思います。朝、学校の図書館に行くとおもしろい光景を見ることができる。スポーツ新聞のプロ野球の記事を真剣に読んでいる女子高生がいるのだ。雑誌を見ている女の子達の中に混じって一人だけスポーツ新聞を読んでいる。はたから見れば、とても不思議な光景だろう。しかし何を隠そうその女子高生こそ、この私なのだ。小学生の頃からプロ野球が大好きだった私。今では年に数回、球場までわざわざ生観戦をしに行く。しかし年齢を重ねるごとに周りの目が気になりだした。野球記事を読む私に向けられる目。本屋でも友達とは反対側の本棚に立って野球雑誌を立ち読みしている私に向けられる視線。そして野球雑誌を買う時に私を不審がって見つめるレジ店員。何かとても気になって仕方がない。とうとう家族には「変な奴だ。まるでオヤジだな。」とまで言われてしまったぐらいだ。しかし、だからなんだと私は言いたい。女子高生がプロ野球を真剣に観戦するののどこがおかしい!野球雑誌を読んでいる私がそんなにも変なのか!何もおかしな事などないじゃないか!…と。それでも私を変な目で見る人は増える一方だ。昔はよく選手が好きだと騒いでるだけじゃないのか?と言われた。けどそうじゃない。今では自己流のスコア表をつけている。そのぐらい、私は本当に野球が好きなのだ。今後も私に向けられる周囲の目は変わらないかもしれない。けれど私は自分の好きな事をめいっぱいやっていこうと思う。「あ?あ、○○○殺してぇ?」中学三年の秋、クラスメイトのこの一声で教室内は一時笑い声に包まれた。○○○とは私の事を間接的に指す呼び名である。彼等は○○○についてからかう時、私の方を見て「お前の事じゃねぇよ」と言う。しかし、私の事を言っているというのは誰から見ても一目瞭然だった。『殺す』という単語が出てきたのは、この時が初めてだった。二年以上『間接的』にいじめを受けていたのだが、この時期が一番辛かったのではないかと後になって思う。当時の私は辛いと思うより、怒りに満ちていた。間違っても人の生死に関わる冗談を言ってはならないとある人からきつく教わっていたからだ。もし○○○が私でなかったとしても、怒らずにはいられなかっただろう。「殺せばいいだろ」と。無意識に声に出していたらしく、教室内は静かになった。私は深呼吸し、自分でも驚く程低い声で言った。「殺したければ殺せばいい。その後の責任が持てるなら、○○○を殺せばいいじゃん」その日を境に○○○へのいじめは少なくなった。ここで私は問う。いじめのその先にあるのは何だろうか。優越感なのか。それとも憎しみ故の殺意だろうか。どちらにしても誰かを傷つける事には違いない。何かの事件が起こるその前にこの意味を考えるべきだと思う。いじめの、その先を。生後8ヶ月の時、自分は心臓中隔欠損症と診断されました。特に急いで手術することもなく小学校にあがる前に京大病院に入院し、手術を受けました。もちろん自分は小さかったのでそれほどはっきり覚えていないのですが入院中の事を親から聞いた事があります。当時も京大病院には心臓病の子供はもちろんのこと、白血病や生体肝移植の子供達がたくさんいたそうです。その中でも自分は比較的簡単な手術で完治することができましたが、周りの子供達は手術をする間もなく亡くなったり、術後に経過が悪くなり手術のかいもなく亡くなってしまった子供達がいたそうです。最近テレビや新聞で若い人の集団自殺をよく耳にします。人それぞれ悩みはあるかもしれませんが、自分で自分の命を断つ事が自分には理解できません。その記事を読むたびに病と闘って生きようと頑張っていた子供達の事が頭に浮かびます。生きたくても生きることができなかった子供達、夢を半ばに事故で亡くなった人達も大勢います。簡単に命をなくさないで欲しいと思います。最初は胸の傷が嫌で友人に聞かれることすら憂鬱になっていました。胸の傷跡は一生消えないけど、そのかわり自分は元気な体になれました。今は何も不自由なく元気にすごせています。だから、与えられた命を大切に精一杯生きようと思います。戦争反対なんて、私は言えるわけがない。これは、私が中学一年生の頃から考えていたことです。もちろん、大人には言ったことがありません。初めから怒られることは目に見えているので、言ったのは姉と兄だけです。理由はもちろんあります。日本の歴史を思い出してみると、戦後から大きく経済成長したことが目に見えて分かります。ではその原因は何かと言うと様々にありますが、その中の一つとして戦争が考えられるからです。一九五〇年に起こった朝鮮戦争。日本は受注を受け様々な武器を作り、そして恩恵を受けました。確かに日本は戦争はしていませんが、その武器のお陰で一体何人の人が死んだのでしょうか。こう考えると、今も世界中に広がる戦争の裏で日本のように潤う国があるのかもしれません。戦争をすればカネが回ると言った塾の先生が居ましたがその言葉通りだと思います。そんな訳で私は戦争反対ができません。むしろ、同世代の人達がする平和運動や安易な戦争反対の作文に腹が立ちます。その人たちの訴えはなんだか、私もそう願いたいけれども、なんだか薄っぺらい理想論のようです。私は特に同年代の平和を愛する博愛・平和主義の人たちにぜひ聞きたいことがあります。あなた方は、戦争で一部の恩恵を受けたこの国に生まれておいて戦争反対と訴えることは違和感を感じない当たり前のことなのでしょうか。もっと、ギャップに悩んでもいいはずです。長野県下伊那農業高等学校(長野県)各務麻利江さん朝、図書館にて長野県軽井沢高等学校(長野県)桜井裕貴さんいじめ、その先京都学園高等学校(京都府)粟津治樹さん胸の傷跡大阪府匿名希望果たして私は平和を訴える権利はあるのか。それは、あまりにも。18石川県立ろう学校高等部(石川県)西誠覚志さん映画の字幕