17歳からのメッセージReport2005

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17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージ?受賞作品集??銀賞?「時間」とは不思議なものだ。それは目で見ることもできないし、手で触れることもできない。でも確実に存在している。ものというより空間に近いかもしれない。そして、僕達人間は、その時間というものから逃れられない。時間は止まってはくれないし、早く進ませたり、遅く進ませることもできない。たぶんこれからも、タイムマシンでも開発されない限りはそうだろう。そんな人間が逆らえない、不思議な何かを持っているのだ。僕は今まで、その不思議なものについて、深く考えたことはなかった。けれど、中学生の頃に聞いたおじいちゃんの言葉が、どうしても頭から離れなかった。「時間に追われるな。時間を追うようになりなさい。」最初は何のことだかさっぱりわからなかった。でも、まさに時間に追われる忙しい高校生活の中でふと気づいた。勉強をする時間や部活をがんばる時間、友達と楽しく遊ぶ時間。それってすべて自分が作り出しているんじゃないか。時間とはただあるんじゃなくて、作り出すことができるんだと。そして、そのすべては自分の知識や経験、思い出となる。つまり時間とは、自分の人生を豊かにするための道具であり材料となる、生まれつき誰もが与えられた財産なのだ。その財産を自分を高めるため、人のために使い、作り出す。そうすれば、その人の人生は、どんどん限りなく輝きを増していくのだ。私は、自分と同じ子供に伝えたいことがある。それは、親という存在があると言う幸せだ。私自身、親はいるが、血はつながっていない。だが、それを苦に思うことはない。けれど時々、本当の親に会いたくなる。そういう時に、私はよくこういうことを考えている。小学二年生の時、私は施設に入った。そこには、親の都合で入った子もいたが、8割以上が親のいない子ばかりだった。けれど、そこの園長先生を本当の親のように思う子ばかりで、とても幸せそうだった。でも私も、そしてきっとみんなも、自分の親を想い、現実を受け入れられずに、夜に一人で泣くこともあった。ここで考えて欲しい。親を「うるさい」「邪魔」などと言っている人に。親がいないというほどの一生の悩みを、解決できない苦しみを、あなたにはわからないだろう。うるさく言ってもらえるのは、大切だから心配するということ。邪魔と言えるのも、孤独を感じることなく生きているということ。それは、身近すぎて気づかないだけの大きな幸せであるということ。もしあなたが、いきなりそれを手離すことがあれば気付くだろう。だが、その時にはもう戻すことのできない幸せなのだ。だから、今この文を読んでいて、まだこの幸せがあるのならば、今からでもいいのでその親という存在を大切にしていって欲しい。「私なんかだめ」「どうせ私なんて…」とか人生つまんなくする言葉を言う人って多い。そういう人程、例えば恋愛なら「彼氏欲しい」と言いまくるくせに「でも私なんて無理」と最初からあきらめモード。なにかと願望はあるくせにそれを叶えようと努力をしない。そのくせ、また恋愛に例えれば「あなたは彼氏いて良いわね」と言い、「あなたは顔が整ってるから…」とその人が少なからず努力して得たことを、あたかも「他の理由」のせいにして納得しようとしている。なにも恋愛だけにいえることではなく、最初から努力しようとせず自分自身を過小評価している人は多いように思える。もっと自分の力を前向きに見つめてほしい。だめな人間なんていないし最初から何事にもあきらめてほしくない。失敗したっていいじゃないか。何もしないよりはかっこいい。ほんの少しでも「勇気」を持って行動する努力をしたなら、恋愛であればなにか変わるかもしれない。「私だって出来る」「私だからこそ…」って人生おもしろくする言葉を言って何事も前向きに取り組めば、絶対毎日が楽しくなるはず。そんな活気と希望に満ちた社会であって欲しいと私は願う。そして私自身もそうあり続けたい。「大人になったね」。ある夜、家の駐車場に留めた車の中で母が言ってくれた言葉。父は四年前から単身赴任、姉が一人暮らしを始めてからは、”オバサン“の話を聞いてあげられるのは僕しかいなくなった。あの夜も、他言もできずにずっと抱え込んでいた”一人の人間としての悩み“を聞かされた。悩みを聞く、ということはなかなかしんどいことである。なぜなら悩みを聞けば聞くほど、その人の過去や弱さが浮かんできて、完璧だったその人のイメージが崩れるからだ。もう、昔のようには甘えられない。それを怖がり避ける人もいるが、「人生の縮図」であるその人の悩みを聞けるからこそ、その人との距離が縮まり、相手の心に寄り添うことができるのだ。不完全な母を見るのは子供としては辛いし信じたくないことでもあるけれど、ある年齢を過ぎたなら、育ててくれた母親の弱さを受け止める勇気も必要だと思う。だから、あの夜の話も聞いていた。顔が見えないことに安心し、声色を不安定に変化させながら話す母を見ていると「母も人の子なんだ」と思った。昔の僕に、愛されていること、帰る場所はちゃんとあることを教えてくれた母。今の僕に、頼られる幸せを感じさせてくれる母。強い面も弱い面も持ったどちらも同じ、世界でたった一人の僕の母。飾り気のない母の脆さも、この上なく愛しかった。「人は誰も完璧じゃない。」情が薄いと言われる時代に、もう一度思い出してほしいです。私の弟はつまようじが好きだ。小学生なのだが。彼いわく、噛みごたえがいいとか。雑誌に掲載されていた、外国のリサイクルの記事を読んでいて、私は弟のことが頭に浮かんできた。その記事というのは他でもない、弟が愛してやまないつまようじについてであった。お隣韓国では、サツマイモなどのデンプンからつまようじが作られている。使い捨ての皿、箸などの使用を制限する法律があるためである。このつまようじは木材資源を守り、残飯を家畜の飼料や肥料に再利用しやすくする効果があるらしい。もちろん、人間が食べることも出来るようだ。まさに、弟のようなつまようじ大好き人間に、うってつけではないか。今、日本国内では廃棄物としてでる割り箸やつまようじは、年間に国民一人が二百十膳使っているという計算になっている。確かに、一人一人が気をつけて使用を控えることも大切だ。しかし、ファーストフードやコンビニが多く軒を連ねている現在、それだけでは不十分である。同時に、韓国のように環境面も考慮した新しい工夫の模索と、それを支える人々の環境への意識やうったえかけが必要ではないのだろうか。まずは自分の興味のあるものや分野から、環境について考える機会を私たちはもつべきなのだと思う。大阪府立市岡高等学校(大阪府)並河賢祐さん時間という財産明石市立明石商業高等学校(兵庫県)外崎和美さん身近で大きな幸せ和歌山県立那賀高等学校(和歌山県)下地瑞穂さん前向きな想い修道高等学校(広島県)五島拓人さんCherish徳島県立池田高等学校(徳島県)松下真理さんつまようじ噛じった19