17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージReport2005 page 22/44

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17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージ?受賞作品集??銀賞?私は今まで親に勉強しなさいと言われたことがありません。門限などというものも無いし、習い事も親に言われて始めたものではありません。全部私がしたいと言うまで親は一言も言いませんでした。私はそれが普通だと思っていたけど最近普通ではないと気づきました。親だったら自分の子どもの成績が気になるのではないか、夜遅くに帰ったら怒るのではないかと思うようになりました。どうして私の親は何も言わないのだろうか、気にならないのか、どうでもいいと思っているのかなど色々考えてしまいました。私には兄と姉が一人ずついます。兄は頭が良かったけれど、音楽の方が好きだと言って大学は音楽系に進みました。姉も大学の推薦を断って自分の行きたい学校に進みました。兄と姉の時も私の親は何も言わなかったそうです。私はどうして小さい頃に親が勉強しなさいと言ってくれなかったのかと腹が立ちました。もし言ってくれていたら、もっと勉強していたかもしれないし、頭が良くなってたかもしれないのになどと思っていました。でもこの考え方は自己中だと気づきました。私の親は自分の事は自分で決めるべきであって人に頼ってはいけないと教えたかったのだと思います。今はそれが分かったので親にとても感謝しています。これからまだまだ親に迷惑かけると思うけど、今までありがとう、これからもよろしくと両親に言いたいです。私は中学三年間で猫をかぶり続けた。それは、入学当初、人に嫌われるのが怖かったので、少しの間だけと思って始めたことだった。すると、どんどん本当の自分から遠ざかってしまう。弱い心がもっと自分を失わせた。もちろん、何度も自分を出そうと思った。でも、一度タイミングを逃してしまうと次々に嘘の自分が強くなった。決して環境が悪かったからではない。私の心の弱さが招いた事だった。自分の言いたいことも言えない、合わしてしまった方が楽。そう思って始めたことが、自分を結果的には追い込んだ。そんな自分を変えるチャンスが、高校入学だった。私は、自分を変える決意をした。しかし、入ってすぐにまた弱い所が出た。そう、猫をかぶってしまった。だが、私は逃げなかった。自分を出すタイミングを、ずっと窺っていた。入学して、月日もあまり経たない頃、とうとう私は自分をさらけ出してみた。すると、周囲はあっさりしたもので私が考えていたのとだいぶ違った。今では、さらけ出しすぎて逆にうっとうしがられるくらいだ。悩みも相談できる。自分を変えることは、とても勇気がいる事だと思う。でも、うじうじ考えているよりまず行動を起こすことが大事だ。それで私も変われた。変わることで、今見えている視野はもっと広がる。考えるよりまず動け!「インターネットが普及すると、学校もお店もサラリーマンさえいなくなります。みんな家で仕事や買い物ができるんです。家族の絆が深まります!」「わあ!すばらしいですね」。あるテレビ番組で、某IT会社の社長の放った言葉に私は唖然とした。学校がなくなる?サラリーマンがいなくなる?司会者の感嘆する声とは裏腹に、私の中には怒りにも似た感情が生まれた。今、社会が乱れている。朝テレビをつければ、日々違った犯罪のニュースが流れる。少年による殺人。お年寄りを狙った詐欺。強盗。通り魔。例を上げれば枚挙に遑が無い。私はそういったニュースを見るといつも思うことがある。現代の人々は、昔を捨て、先を見すぎているのではないか――。どういう事かというと、先人が長い時間をかけて見い出した礼や道徳を捨て、次世代の便利さをばかり求めているのではないかということだ。例えば昔は、両親が生活の為に苦労する姿が常に子供達に見えていた。だから子供達は両親を大切にしようと思った。しかし今は、そんな姿が見られなくなった。結果、どうだろう。子供が親を殺害するという事件が頻繁に見られるようになった。現代の人々が捨ててしまった昔には、便利さよりも人間に必要なものがあった。次の世代を見つめる事も大切だ。だからこそ、今は昔を見つめ直す時ではないだろうか。私はある日、「相合いガサが禁止になった高校ができた」と聞いて驚いた。相合いガサが禁止。何故?その理由はとても簡単だった。保護者が禁止にしろと言ったから。何でも、自分の子供が相合いガサをしてあげて肩を濡らしていたという。ばからしい。たかがそれだけの理由で相合いガサというすばらしい青春の一ページを奪われてなるものか。私は反対である。相合ガサというのは、優しさの表れだと私は思う。雨の日の帰り道、隣りあるいは目前に友達、先輩又は恋人がいるとしよう。その人はカサを忘れて困っている。すると、たいていの人は「私のカサに入らない?一緒に帰ろうよ」。と言うはず。自然と人に優しくできている。そして、一緒に帰る時少しぐらい肩が濡れたって平気。カサの中での楽しい会話に夢中で、全然気付かない。それが相合ガサ。とうとう別れの時、カサに入れてもらった人は入れてくれた人の優しさにとても感謝して帰るだろう。だから、相合ガサを奪わないで。相手を思いやる優しさを奪わないで。自分の肩が濡れたってかまわない。だって自分も、相手も笑顔になるから。これ以上優しいカサってあるだろうか。大人がくだらないと思っても、私たちにとっては優しくて、楽しい大切な時間。慢性疲労症候群。これは三年前私に告げられた病名だ。この病気は以前は大人に多くみられる病気だった。極度の疲れを感じたり、学力の低下などといった症状があるため、この病気になったほとんどの子供達は学校に行けなくなりしだいに不登校となる。私もその中の一人だ。学校に行けない日々が続く。ストレスが溜まり家族にあたる。その度家族は悩む。こんな生活が一年続いたある日。カウンセラーの先生からあるフリースクールを紹介された。嫌々ながらも行ってみると不思議と居心地が良く、押し潰されそうだった毎日から抜け出す事ができた。それからは短い時間だが学校に行けるようになった。どの先生も温かく私の事を見守ってくれた。そして熊本県立氷川高校を受験した。絶対無理だと止められたが私の決意は変わらなかった。将来の夢が私の背中を押してくれた。私には養護の先生になりたいという夢がある。学校に行けなかった私が学校で働きたいと思っている。不思議な巡りあわせだけど今まで私を支えてくださった先生達や家族に少しでも恩返しができたらなぁ、と思っている。そして何より私の経験をいかし、悩んでいる人達の手助けをしたいと思っている。今までの私はいつも支えられたり助けられた事ばっかりだった。だからこれからは私が手助けをしていきたい。愛媛県匿名希望猫は必要なし。高知県立高知南高等学校(高知県)大崎葵さん必要なもの熊本県立天草高等学校(熊本県)荒木智子さん相合いガサロマンス熊本県立氷川高等学校(熊本県)増田沙也加さん輝やけ未来20聖カタリナ女子高等学校(愛媛県)香川恵美さん両親に言いたい事