17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージReport2005 page 29/44

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17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージ?受賞作品集??奨励賞?「葵」という名前は、祖父がつけてくれたものです。私が生まれた六月、雨の中でもしっかり花を咲かせるアオイの花を見て決めたそうです。大好きな祖父がつけてくれたこの名前が、私は大好きです。しかし同時に、この名前は私にとってコンプレックスでもあります。なぜなら、今の私は完全に名前負けしているからです。アオイという花、特に私の名前の由来になったタチアオイはとても美しい花です。草丈は大人の背丈ほどもあり、そのすらりと伸びた茎に赤く大きな花をたくさん咲かせます。梅雨の激しい雨にうたれながら花を咲かせる姿からは、気品さえ感じられるほどです。ある日、テレビでマロウブルーという名前のハーブティーが紹介されていました。人を癒す力を持ったそのハーブが、アオイの花を原料としていることを、私は初めて知りました。今まで、アオイの持つ外面的な美しさにだけ気を取られていましたが、見た目からは想像できないような魅力を持ったアオイの花が、よりいっそう好きになりました。今年もまた梅雨の時期を前に、我が家の庭ではアオイの花がたくさんのつぼみを膨らませています。私もあの花のように、まだまだ小さなつぼみを育てていきたいです。いつか、胸を張って名乗れるように。オレの夢、理学療法士。オレは中3の夏、体育祭の組体操の練習中、ピラミッドの5段目から転落し、左肘を粉砕骨折した。最初は、3ヶ月で治ると言われたが、もう3年がたとうとしている。その約3年の間に理学療法士の事を知った。怪我をするまでは聞いたこともなかった。手術をして、リハビリをすることになった。その前まで、「死にたい」とまで思ってたオレが理学療法士の人と話して、勇気をもらい、元気になったりと、精神的にオレを励ましてくれた。その時、オレは理学療法士という仕事にやりがいを感じ、この仕事について、たくさんの人をオレの力で励ましてあげたいと思った。怪我をしてからのオレは、全ての物事に対してネガティブになっていた。でも、今のオレ、そしてこれからのオレは違う。怪我をして知った事を、悩んでいる人、つらそうな人にアドバイスし、オレみたく、元気にしてあげたい。そう思う。今までのオレ、これからのオレ。「死にたい」とまで思ったオレが夢を持つことで変わることができた。オレは夢を実現にする為、これから頑張っていく。オレの夢、理学療法士。高校生活を始めるにあたっての僕の一番の不安は、家を離れ、寮で生活をすることにあった。当時、僕は洗濯ひとつまともにしたこともなく、あらゆることを親任せにしていたように思う。それでいて、例えば、体育服のシミが落ちていなかったから恥ずかしかったということを家に帰ってきて親に愚痴を言ったりしていた。そんな僕がいざ一人で生活できるのか?と考えるたびにため息ばかりついていたものだった。それからあっという間に一年が過ぎた。寮には新一年生が入ってきて、僕は先輩と呼ばれる立場に立っていた。あの時から僕は、何か変われただろうか。そう自分に問いかけた時、あの頃とは違ってみえるようになったものが一つあった。それは親の姿だ。久しぶりに帰省した時、「おかえり。」と言って出迎えてくれる。そしてご飯を口にした時も、風呂に入った時も、キレイに掃除された部屋に入った時も、僕には、そこまでするまでの苦労がみえた。息子をゆっくり休ませてあげようと色々なことを準備してくれる親の姿だった。そんなことがあってから、「もう少し勉強がんばらなきゃな…。」とか考えてしまう自分がおかしくもあり、自分の中での心の変化が嬉しくもあった。アパートのベランダからいつもみていた風景はとても懐かしく、しかしどこかあの頃とはちがって僕の心に映るのでした。高校生になってちょっとだけ変わったことがある。それはただ単に、窓の外の景色を眺めていることが多くなったことである。入学して少ししてから席替えがあり、窓ぎわの席になってふと気づくと、なぜか窓の外を眺めている。これは授業がつまらないとか集中できないという思いも少しはあるかもしれないが、僕はこれを、窓の外に広がる世の中をもっと知りたいと思う気持ちや自分の心にある窓から出たいと思う気持ちだと思う。高校生になり、ある程度の自覚を持ち一人前の大人になるために社会についての知識をたくわえて、自分の心の窓から出られる時を計っている自分がそこにはいると思う。しかし到底無理だ。まだまだ窓は開けられない。いや、鍵をはずすことさえできないと思う。しかし着実に前へ進んでいると思う。以前は新聞を読むにしてもスポーツとテレビにしか興味がなかったが、今ではほぼすべてに目を通している。やはり小さな傾向は見え始めている。世の中のことを少しずつ理解していく中で、だんだん世の中を見る目が変わってくる。世の中を見る目が変わってくれば、他人を見る目も変わってくる。他人を見る目が変わってくれば、自分を見る目も変わってくると思う。その時やっと窓を開けて、窓の外の空気を吸うことができると思う。ほんの小さなことだけど、僕はこの変化を出発点だと思っている。高校生になり、ただがむしゃらにひた走ってきた私を支えているもの。それは”帰り道“である。部活のグラウンドから帰る一時間以上もの長い道のりが、私にとって唯一、ゆっくり自分と向き合い反省できる時間なのだ。家に帰り着けば、夕食をとり、宿題に追われ、お風呂に入ったらすぐに布団に入る。そうしたらまたすぐに朝だ。そんな日常の中にできた自分だけの時間。私は様々なことに思いをめぐらす。例えば昼休みに友達と話したこと、部活で上手くいかなかったこと、考えても解決しないような悩みごとなど。どうしても辛いことしか考えられなくて涙する帰り道もあるが、大抵帰り着くころにはどうでもよくなってしまっている。これが”帰り道“のパワーだ。原付の免許を取得し、バイク通学を始めた私の”自分だけの時間“は、半分以下に減ってしまった。その分だけ家で過ごす時間は増えたのだが、家にいたら、あれをしなければこれもしなければと落ち着いている暇なんかない。そうした生活の中で自分が追い込まれてきたと感じたら、私はまた自転車に乗り、学校へ向かう。自転車をこぐ少しの疲労と共に悩みも吹き飛ばしてくれるのだ。高校生の”今“だけの特権であるこの時間。これがあるからこそ私の高校生活は充実していて、”帰り道“は今までもそしてこれからも、私を支えてくれるのだろう。今までの自分、これからの自分について、僕の今までの自分は親に迷惑や心配ばかりかけていました。口ごたえなども時々ありました。どうしてなのか、親の前では素直になれず、親を困らせ久留米信愛女学院高等学校(福岡県)丸山葵さん「葵」が花開くときまで長崎県立豊玉高等学校(長崎県)宮浩介さんmy dream is・・・熊本県立天草高等学校(熊本県)大塚大剛さん当たり前のありがたみ熊本学園大学付属高等学校(熊本県)平山健成さん「窓の外」熊本学園大学付属高等学校(熊本県)宮田めぐみさん帰り道の力27宮崎県立妻高等学校(宮崎県)正岡大介さん無題