17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージReport2005 page 35/44

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17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージ?受賞作品集??奨励賞?町が変わっていく。思い出の場所が消えていく。人の力が変えていく。それだけが何故か許せなかった。私の家のすぐ近くには栗の木があった。今思えばその場所が、この町に笑いを与える最後の希望だったのかもしれない。朝は園児達の笑い声が、昼は老人達の語り合う姿が見聞きできた。そこには必ず挨拶があったのを覚えている。しかし栗の木が消え、アパートが建った今はどうだろうか。園児達は毎朝道路の端に集まり、老人達の散歩の休憩を見なくなった。一番悲しいのは、擦れ違っても挨拶をしなくなったことだ。そんな僕達はまるで言葉の通じない外国人だと思った。みんな忘れてはいないだろうか。その場所にはたった一本の木があったことを。そしてそのたった一本の木が、町にたくさんの笑顔を与えていたことを。町は変わらなければ生きていけないのだろうか。変えていく人達は何を思って変えていくのだろうか。「変わってしまった町をあなたは、未来へ、自分の子へ自慢できるのか」。そして何もかもが変わってしまっても、「それでもあなたはこの町を好きでいられるのか」。僕は、命ってなんなんだろうと思います。命ってなんだろう。ある事をきっかけに、僕は命について考えるようになりました。数日前、僕はショッピングセンターの中にあるペットショップに入りました。入ってみたのは店先にかわいいウサギがいたからです。実際店の中に入ってみると、たくさんの動物がガラスケースに入れられていました。「只今半額セール中!」と書いてある紙に、僕は気付きました。えっ、と思いしばらくその場で考えました。ここはペットショップなんだから、半額セールがあってもおかしくない場所。しかし、なにか心に引っ掛かる。今まで気にもとめていなかったことに、気付いた気がしました。命が半額。なにかおかしい。よく考えてみれば、命が半額なんてとんでもない話だ。明らかに動物をモノとして扱っている。こんな事実を気にもとめていなかった自分を思うと、やりきれない気持ちになりました。僕はこのことについて、まだなんの答えも出すことができません。たぶん、答えが出るようなものではないし、これから大人になっていく上でゆっくり考えようと思います。ただ、命について考える中で少しだけ分かったことは、今、自分が生きていて、自分の大切な人たちも生きているということ。その中の誰かの命が消えることなんて、まったく考えずに自分は生きてきたということ。命って、とても大切なものだということ。私は私と同じ悩みをもっている人に伝えたい。自分は必要とされている事、そして『ここ』にいる意味はちゃんとある事。どうして自分は今『ここ』にいるのだろう。何のために『ここ』にいて、何のためにこんなに頑張っているのだろうと考えた事はありませんか。私一人がいなくなったところで世界は変わらず動き続けるのに。確かにそうかもしれません。世界中でみれば何も変わらない。だけど身の周りに自分を必要としてくれる人がいる事を忘れないでください。私がこう考えられるようになったのは相談してきてくれた友人の言葉からでした。「あなたがいて良かった。あなたがいたから救われた」。すごく心が軽くなった。「私を必要としてくれるんだ。私は今『ここ』にいても良いんだ」。それからは必ずどこかに自分を必要としてくれる人がいると信じられる様になった。人が最初にもらう愛は名前だと私は思う。名前があるだけで愛されていない、必要とされていないという事はないんだ、というのを分かってほしい。そう思えた時、あなたはすごく楽になれるはずだから。僕は十七年間生きてきて常に思ってきたことがある。それは、真面目はいけないことなのか、ということ。真面目と一言聞くだけで、頑固だとか堅苦しいだとかいったマイナスなイメージを持たれるだろう。けれどそんなときこそ、本当の真面目の意味を考えてほしい。僕はこれまで真面目な性格から、いろんな人にいろんなことを言われてきた。それらは、ときに肯定的だったり否定的だったり。その中で僕が特に訴えたいことは、多くの人が、こつこつと努力を積み重ねていくことを「格好悪い」とか「ダサい」と勘違いしているという実情だ。それこそが真面目に頑張る、ということなのに。しかし今の世の中では、勉強もせずにだらだらと遊びほうけていたり、流行の最前線に乗っかっていることが「格好良い」と思っている人が、実に多いと僕は思う、大人も子どもも含めて。なにも勉強だけではない。趣味でも仕事でもスポーツでも、なんでもいい。僕は、そんななにかに一生懸命になって汗や涙を流している勇姿を見ると、身ぶるいするほど心が動く。現在の世界中を埋め尽くす素晴らしい社会の仕組みや文化、経済、宗教、芸術などの陰には、我々の先祖たちが培ってきた真面目さが、確かに存在してきた事実を忘れないでほしいし、その美点をしっかりと受け継いでいきたい。私自身、死のうと思ったことがあった。今でこそ、「生きていれば必ずいいことがある」というのが実感できるけれど、その時は真っ暗な気持ちで沈みこんでいた。原因は私の場合はいじめだった。私のことを好きな人なんか誰もいない……と本気で思っていた。今思えば病気だったと思うが……。それを救ってくれたのは友達だった。私のために泣いてくれた。私のことを大事にしてくれる人がいる、その時初めて生きていればいいことがあるって本当だと思った。そして生きていきたいと思えるようになった。最近、自殺が増えているとよく聞く。前からあったが最近特に増えているようだ。自殺してしまう人の周りには助けてくれる人がいないのかも知れない。もし助けてくれていても、その人自身に余裕なんて絶対ないから気付かないこともあるだろう。でも、もし私のそばに自殺したいと言う人がいたら絶対そばにいてあげたい。何度も死にたいと言われたら困ることもあるかも知れないが話を聞いてあげたい。そしてその人の心を守ってあげたい。私は自殺したいと思う人に対して、絶対死なずに生きててほしいと言いたい。必ずいいことがあると言うのは本当だ。そして、そばにいてくれる人もいるから。バラエティー番組等で芸能人が外国を訪問しているのを見かけることがある。多くの番組では、相手の暮らしや文化を理解し、現地の人との対話や生活を楽しむという内容だが、時に少し引静岡県立気賀高等学校(静岡県)増井勇貴さん無題高田高等学校(三重県)服部義弘さん命って、なに。京都府立嵯峨野高等学校(京都府)西澤芳乃さん誰もが必要とされている立命館高等学校(京都府)松田卓也さんある思い大阪府立清友高等学校(大阪府)井原絢香さん1人じゃないから大丈夫33大阪府立泉陽高等学校(大阪府)岩井智哉さん当たり前であるはずのこと