17歳からのメッセージReport2005

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17歳からのメッセージReport2005

近藤直美?●人間科学部?●担当科目?文学入門/日本の文学/日本語表現/日本文化論?基礎演習/人間科学研究法Ⅰ?奥田聡?●経済学部?●担当科目?経済学史/卒業研究/教養演習?家近良樹/藤岡里圭?(家近)?●人間科学部?●担当科目?歴史学入門/日本の歴史?人間科学研究法Ⅰ/日本文化論?基礎演習/演習Ⅰ?(藤岡)?●経営学部?●担当科目?流通政策論?現代経営入門Ⅰ・Ⅱ?17歳からのメッセージ?受賞作品集??審査講評?今年も「17歳からのメッセージ」に多くの応募をいただき、ありがとうございました。審査員一同、時には共感し、時には胸を締め付けられ、またある時にはにやっと笑いながら、一枚一枚読ませていただきました。「今までの自分、これからの自分」にも1万3千を超えるメッセージが寄せられました。?自分の心をありのままにさらけ出すことはとても難しいし、何より私自身の様々な要素の中のどれがいったい今までの自分であり、可能性の中のどれがこれからの自分だろう?という問いの前にまず立たれた方がたくさんいました。その戸惑いを声にしてくださった方、ストレートに自分をぶつけた方、そんなことを簡単に人に伝えたくない、という気持ちをそのまま書いてくださった方、それぞれが「私」の表現の方法だろうと思います。自分の成り立ちとしての家族(もちろんペットも)や友人に思いをはせ、傷つく自分を覗き込み、わかってくれようとしない外側の世界を疑う、その一つ一つが現在の高校生のありようであり、同時にこの文集を読む、大人を含めた人々に「ここに私がいる」と思わせるリアリティだと思います。今、世界は自他に誠実に生きようと思う人にとって決して生きやすいものではありません。ですが、一度立ち止まって「自分」に思いをはせ、それを言葉に出してみたことで、たとえそれが舌足らずなものでも、自分では不本意なものにしか思えなくても、必ず世界と私の関係は変わります。それが言葉の力です。?皆さんが自分を振り返ることはこれからもたくさんあるでしょうし、それが心楽しいことばかりでもないことも確かです。それでも、言葉の力で皆さんが世界と豊かに結びつくことを私たちは疑いません。どうぞこれからも、時に自己と向き合い、表現することを大切にしてくださることを願ってやみません。?入学したばかりの1年生から進路選択を間近に控えた3年生まで、「働く」ということの捉え方も感じ方も実に様々でした。自身の将来の職業選択を念頭に夢や希望について語る作品、父母兄弟など身近な人たちの中に、あるいは、彼らから「働く」を探る作品、自らの実習やアルバイト体験をもとに考える作品など、身近な事例から接近する方法が多数を占めていました。対して「働く」という意味を自分なりに考えてみるという、どちらかといえば抽象的な接近方法は意外に少数でした。?多くのメッセージから、働くとはどういうことか、という答えそのものというよりは、この課題に取り込むことで、日頃見過ごしている「働く親」などを発見したり、正視を避けている自らの将来を自問したりする様子がうかがえて新鮮でした。また、希望や夢を語っても、その過程についてまでは触れずといったものが多かったのも、高校生の皆さんの現状の一端が現れていると感じました。?偉人たちの伝記や自伝、報道あるいは小説などの、いわば間接的事例から思いをめぐらせて「働く」を考えてみるという接近方法をとった作品は圧倒的に少数でした。最近の風潮なのでしょうか、やや気になる点でした。?「働く」というテーマ自体、簡単に答えがでるようなテーマでもないので、課題への取り組み自体が、皆さんの今後にとって、何らかのきっかけになったことを願っています。?17歳の皆さんの率直なメッセージが聞きたくて、今年は「今、これだけは言いたい!」というテーマを新たに設定しました。その結果、日常生活で感じた小さな疑問や、気がかりに思っていたことなど、何気ない日常の中でふと立ち止まって考えた高校生のメッセージが8339作品も集まりました。?全体的には、病気、不登校、友人との関係等、身の回りで生じた小さな出来事をきっかけに考え、悩み、もがく高校生の素直な姿の想像できる作品が多かったように思います。全体的に素直で、いまのごく平均的な高校生の姿が浮き彫りになっていて好感が持てました。なかでも、グランプリに選ばれた作品は、現代の高校生らしい日常生活を題材にしながら、父親に対する暖かなメッセージがしたためられ、ほほえましく感じられました。?ただ、いま現在、これだけは言いたいという強烈な主張・迫力に満ちた作品は案外少なかったと思います。また、読んでいて成程と膝を打つような作品も乏しかったです。この点が評者としては残念に思われました。その点で、銀賞にとどまりましたが、私(家近)の記憶に残ったのは、聴覚に障害のある高校生の作品でした。この人は、外国映画は好きだが、日本映画は嫌いだというのです。理由は、日本映画には字幕がついていないから理解できないというものです。健常者には思いもつかない指摘で心に残りました。?最後に、このメッセージを通じて考えたことが、これからの皆さんの成長の糧になってくれることを期待しています。?今、これだけは言いたい!?テーマ?働く、ということ?テーマ?今までの自分、これからの自分?テーマ?3