17歳からのメッセージReport2010

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0917歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧優越感日本橋女学館高等学校(東京都)東泉弥さん―私、良い子だ。優越感に浸る。毎日、人の目を気にして、周りに良い子だと思われたくて日々を過ごしてきた。良い子だと周りに思われるのに絶好の場所が電車だ。ある電車での出来事、お年寄りに席を譲る。「あの、席良かったらどうぞ」と、作り笑いで。席を譲った事で、私は優越感に浸る。それを何度も、何度も繰り返してきた。優越感に浸っている時はとても良い気持ちになれた。でも、ある日、それを覆す出来事が起きた。その日は、大荷物を持った家族の子供に席を譲った。「あの、席どうぞ」また、いつものように席を譲った。そして、いつものように優越感に浸っていた。しかし、私が電車を降りようとした時、後ろから制服を掴まれた。何だ?と思って振り向くと、さっき席を譲った女の子だった。「お姉ちゃん、ありがとう」凄い笑顔で言われた。その時、涙が出そうになった。今まで、自分がどれだけやましい気持ちで席を譲ってきたか思い知らされた。人に親切にするのは当たり前で誰もがすることなのに、私は、何を勘違いしていたのか、自分が愚かだと思った。変わりたい、と思った。「席、どうぞ」今の私は良い笑顔で言えているだろうか?目標山梨県立都留高等学校(山梨県)白鳥智彰さん「先輩ファイトー。」陸上部に入っている俺は、微妙な気持ちで応援した。今日は陸上の大会。1年生は大会に出ず、応援や荷物運びをしている。正直いって俺は、応援が苦手で、早く大会が終わってほしいとずっと願っていた。高校に入る時運動と部活を完璧にすると目標を決めていたのに、実際、勉強についていけずに、部活もろくにがんばっていなかった。俺の思っていたバラ色の高校生活とは、全然ちがうものだった。もう部活動なんてやめちまおうかな、と考えてもいる俺だった。三段跳の決勝が始まった。決勝には、先輩が残っていなく応援しないでいいので楽そうだ。思いっきり体を伸ばし眠気と戦っていた俺に、手拍子の音が聞こえた。決勝に残った選手に、会場の人全員が応援していた。選手が動いた。だんだん、スピードが早くなる。手拍子も同じようになっていく。跳んだ。1段。パチン。2段。パチン。3段。パチン。選手の動きと手拍子が一体となっていた。「すごい。すごいすごい、すごい。」俺は、何度もそう言った。会場全体1つになる。そして完璧なジャンプ。俺は、胸が高鳴った。俺もそんなふうになりたい。思いっきり、跳びたい。今日から高校生活が始まった気がした。不安…そして。北杜市立甲陵高等学校(山梨県)細川菜穂さん四方八方が知らない人(おまけに頭良さそうな)。何もかもが真白なキャンバスみたいな新学期。席の周り…男子ばっかり。何?その話題。ドラマ見ないから分かりません、知らないんです。どうしよう…なんて言ってる場合じゃない?勉強のスピードが早い早い、おまけに難しい。中学までの勉強って一体何だったんだ??中学の友達にメールを送ろうとして思い留まる。皆だってきっと忙しい。新しい生活があるのに邪魔しちゃ悪いよね。この壁を乗り越えなければ。我慢して堪えた。でも、あれっ。何だか泣きたくなる。淋しい。思いっ切り喋りたいし、馬鹿みたいにはしゃぎたい。人恋しくてたまらない。ずっとモヤモヤしていた。でもある日、駅で友達に会った。久々に気兼ねなく喋った。嬉しい、楽しい!スッキリした。そして何だか分かった気がした。思えば、新しいクラスの人だって、話し掛けてくれたんだ。なのに、勝手に話が合わないと決めつけて自分で殻に籠ってしまっていた。どうしよう。まだ間に合うだろうか。大丈夫、積極的にいこう。十代も、もう後半に突入した。今しかない高校時代。思い切って、楽しみたい。だからまずはこれから。教室のドアを開ける。これから皆、宜しくね。男子にも、話しかけてみよう。「おはようっ!」これから歩む道岐阜県立瑞浪高等学校(岐阜県)小島海斗さん「努力した者が全て報われるとは限らん。しかし、成功した者は皆すべからく努力しておる。」この言葉は、あるスポーツ漫画のトレーナーが、大きな試合に臨む選手に向けて言ったものだ。私は水泳をやっている。ここ数年はなかなか結果が残せず、ずっと涙を呑んできた。高校一年の時は負けると悔しく、さらに練習に力を入れていた。週七回の練習を一回も休むことなく、次こそは!と意気込んでいた。けれど、どんなに練習を積んでも、結果は付いてきてくれなかった。今まで名前も知らなかった選手にまで負けるようになった。練習を休むことはなかったけれど、努力することに行き詰まりを感じるようになった。誰よりも早く練習に来て、足りない部分を補おうとしていたのに、いつのまにかそれすらやらなくなってしまった。ある試合の帰りの車の中で、母に「今は結果が出なくても、大きくなった時に、絶対自分に返ってくるからね。」と言われた。その時、漫画の台詞を思い出した。色んな人が居て、それぞれの想いを胸に秘め努力している。自分はまだまだだと痛感させられた。今は苦しい時期だけれど、漫画の台詞や母の言葉を思い出