17歳からのメッセージReport2010

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10 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧し、辛くても逃げないようにしている。努力すれば報われる訳ではない。けれど、これから立ちはだかる壁から目を背けず、あの時の母の言葉を糧として、何十年経っても努力出来る人間になる為に、今努力している。〝自意識過剰?な自分静岡県富士見高等学校(静岡県)杉澤莉子さん「誰かが可愛いって言うと、全部自分のことだと思ってたんだよ、あんたは。その上、知らない男の人が来るとどっか逃げちゃってさ」母はいつも幼い頃の私をそう言う。他人に向けられた褒め言葉にいちいち赤面する。勘違いにも程がある。少々恥ずかしい過去である。今までの自分を一言で表すと〝自意識過剰?だ。赤面の過去からも分かるように、何でも自分に置き換えて、良い方にも悪い方にも捉えるふしがあった。今現在の私も相変わらずな気がする。誰かがヒソヒソ話をしていると、自分のことを話してるんじゃないかと心配になるし、人に優しくされると、この人、私のこと好きなんじゃないかとうぬぼれる。そんなはずないのに。〝自意識過剰?な生き方はかなり面倒くさい。小さな出来事で必要以上に浮いたり、沈んだり。それが良いことなんだか悪いことなんだか。なんだかはっきりしない。だから、今までの自分はかなり面倒くさいことをしてきたんだと思う。だから、これからの自分は〝何を言われても自分は自分?という生き方をしたい。もうすぐ受験で時間もないので、心配やうぬぼれの自意識とはさよならをして、これからは〝自分は自分?という自意識を持ちたい。その方が生き方として、とてもさっぱりしていて、無駄がなさそうだし、数倍かっこいい気がする。いきなり自分自身を変えるのは難しいが、少しずつ変わっていきたいと思う今日この頃である。妹の反抗期。愛知県立半田農業高等学校(愛知県)佐藤美紗葵さん「うざい。」そう妹にはっきり言われた時、私は、涙が溢れそうになった。私には中学1年生になった妹がいる。世間で〝反抗期・思春期?にあたる時期だからか、最近口が悪くなり、父や私によくあたる。私はふと考えた。自分が妹と同じ歳だったとき、果たして今の妹と同じように両親にあたっていたのだろうか。だれもが経験するはずの反抗期。当事者である妹は、全く悪気はない。しかし、「仕方がない反抗期なんだから。」その言葉で簡単に片付けていいのだろうか。妹の何気ない言葉一つで、私は涙が溢れそうになってしまう。〝傷付いた?簡単にいえば、そうなのだろうか。私自身も反抗期の時に発した一言で両親を傷付けてしまったのだろう。そう考え始めると申し訳ない気持ちでいっぱいになった。「うざい。話しかけないで」そう妹に言われた私は胸が苦しくなった。だけど話しかけずにはいられなかった。一人で何かと戦っている妹を一人にしたくなかったから。今の立場になって分かったことは、心配してくれる人の気持ち。自分を思ってくれているから心配してくれる。そう考えると私は嬉しくなった。いつか、妹も反抗期でなくなった時に、そう気付いてくれることを信じて、私は今日も「うざい。」と言われても話しかける。私をとりまくすべてに愛知県立半田農業高等学校(愛知県)沢田有以さん私には父親がいる。しかし母親はいない。母との思い出は記憶に2、3しかない。それほど私が幼い頃に離婚したのだ。それゆえ母という存在と、女としての母像が、私の中ですっぽりと抜けている。だからかもしれない。私が男まさりだったり、恋愛に対して拒否感を持っているのは。親不孝という言葉があるが、子どもにも子不孝ということがあるのではないだろうか。子どもは産まれてくる環境が選べないから。きっと運が悪かったのだ。私は産まれてきてしまったのは。小学生の頃に、母親がいないくせにと馬鹿にされたこともあった。自分がなぜここにいて、生きているのか、存在理由が欲しかった。「産まれてこなければよかった」と、嘆いていた。家族が嫌いだった。自分が大嫌いだった。それでも私は、今を生きている。以前の私のことを今考えると何とも言えない気持ちになる。しかし私は思うのだ。今までの自分が、周りのすべてが、「今」の自分をつくったのだ。私がこうして生きているのも、そのすべてがあったからだ。だから私は、そのすべてに感謝したい。自分の夢に向かって大阪府立園芸高等学校(大阪府)大下浦直希さんふとんにもぐりこみたい。今すぐ帰りたい。学校に行くことを放棄し、自分の部屋に入って鞄を投げ捨てて。音量を最大に上げて、自分の世界に入り込みたい。外界と自分を遮断してしまいたい。別に学校で嫌なことがあったわけでも虐められた訳でもない……嫌なのだ。大人と子供の丁度境目に当たるこの歳17歳の私は、逃げたいのだ。社会から大人から親から、全ての事から逃げたいのだ。今、私の周りの大人は私に大人になることを強要する。気のせいかも知れない。気にしすぎなのかも知れない。だが、確かに感じてしまうのだ。自分に期待する人たち。その目線が痛い。体に心臓に突き刺さる。そして動けなくなる。見えない鎖に繋がれているように動けなくなってしまうのだ。子供のままでいたい。自分と周りとの温度差に嫌気がさした。そんな時、夢を見つけました。それはかなり困難な夢でした。でも、ふっと楽になりました。親の敷いたレールの上を走るのをやめて、自分の夢に時間を費やす毎日。やりたいことが次々に出てきて、とても時間が足らなくなりました。毎日が楽しくなりました。今も親と自分の気持ちの違いに身動きが取れなくなる時もあります。でも、私は自分の夢に向かって歩いていきたい。進んでいきたい。いつまでも逃げているわけにはいかないから。いつか親に自分の夢を話せるまで。向かって行きたいと思います。