17歳からのメッセージReport2010

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1117歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧心に余裕を大阪府立北野高等学校(大阪府)江渕亜美さん私の頭の中はいつも勉強のことでパンパンだ。クラブがオフの日曜日も私の頭から勉強の2文字が消えることはなく、友達に遊びに誘われても断るばかり。別に私は勉強が大好きなわけではない。友達と同じように遊びたいなぁとも思っていた。ただ、与えられた課題を完璧にこなさないと気がすまないのだった。それが私の良い所であり、悪い所でもあった。2年生になってクラブや勉強の忙しさは増し、私は押し潰されそうだった。学校の友達に相談すると、その子はこう言った。「忙しいって幸せなことやん。全てを完璧にこなせる人なんておらんし、たまには手を抜いて遊ばんと、高校生活損やで!忙しい=しんどいって思うんじゃなくて、忙しい=充実している=楽しいって感じられたらきっと今より楽になると思うよ。」確かに私は目の前の課題を必死にこなしているだけで、そこに楽しさや充実感を感じることはなかった。私はこの1年間、損していたのだ。勉強が全てではないし、高校生活でしかできないことだってたくさんある。この青春真っただ中の高校時代、楽しまなきゃ損!たまには手を抜いたっていいよね。最近の私の心には少し余裕ができた気がする。努力大阪府立八尾翠翔高等学校(大阪府)高嶋綾乃さん私には中学3年生になる妹がいる。妹はできがよく、テストでも450点以下はとったことがない。しかし私は450点どころか、400点もとったことがない。たとえいつもよりも良い点数をとったりしても、妹の方が私よりも全然良い点数だった。その為、部活動を辞め塾に行き、勉強をがんばった。しかし、それでも妹には勝てなかった。部活動を下校時間までやって休みの日も部活動に明け暮れ、おまけに塾に行っていない妹が腹立たしくて仕方なかった。要領の悪い私は、いつも妹と比べられ母とけんかが絶えなかった。両親や祖父母の目はいつも妹を見ていた。その目が私を見て欲しくて、髪を茶色にしピアスも片方ずつに5つもあけた。それでも私を見てくれなかった。私はいつも妹に八つ当たりをした。それでも妹は何も言わずただ泣いているだけだった。それが私を余計にいらつかせた。しかしある日、私は夜遅くまで勉強している妹の姿を見た。私はそこでようやく気づいた。努力していたのは私だけでないということが。妹は私よりもずっと努力していた。私はその時涙がでてきた。今までの自分がやってきたこと。妹の優しさに申し訳なさでいっぱいになった。中学3年の夏から私は、今までの分をとり戻すため必死で勉強した。今では妹とは仲が良く、今の高校に入学することができた。努力したらその分だけ報われる。私はそのことが誰よりも分かった気がした。夢現大阪市立工芸高等学校(大阪府)阿部佑奈さん「夢なんてない。」私は、この現せかい実にいて、大人達の生き様を見てそう思った。中学を卒業し高校へと進学してきた私。けれど、今何のためにどうしたいかがわからない。ただ前に見えているのは、大学へ進み卒業し就職、それから結婚して子供を産み、円満な家庭を築き年をとる。はい、それで終り。これが理想。というよりもこれが現実というものだ。私はこの現せかい実で生きる。それは、少なくとも夢という実体の無いものより、現実のほうが安定しているだろうという結論が出した答えだ。私は、絵を描くのが好きだ。才能も無いし上手くもない。でも楽しい。描くのが楽しいただそれだけ。夢と同じ。子供が大好きな夢。まるで御伽話の世界だ。それが大人になると消えてしまうような気がする。シャボン玉が手の届かない所までいってわれてしまうように。私にはふれることができない。でも、私はそれを追う。そして探す。私は、夢を抱く。この現せかい実の内なかで、もろく今にも消えてしまいそうな夢を。やさしく抱こう。そう、私は現せかい実の内なかに居る。だけど、夢を忘れない。この現せかい実の内なかで夢を見続けたい。他人と自分大阪市立工芸高等学校(大阪府)井上綾菜さん人は何を考えているのだろう。私以外の人間は何を見ているのだろう。人は人を何だと思っているのだろう。私は16年間こんなことばかり考えて生きてきた。他人との関係をうまくやってこれなかった訳ではない。ふとした瞬間に、こういうことを思うのだ。他人との関係をうまくやってこれなかった訳ではない、というのは少し語弊があったかもしれない。実は中学3年生まで学校は楽しむ場所ではないと思っていた。理由は様々あるが、友達関係において私は極度の不満を抱いていた。他人の考えていることが理解出来なかった。所謂、自己中心的思考というものだろう。自分自身がこれに気付きはじめたのが中学2年生。そこから私は人と話を合わせる、ということを覚えた。自分に嘘をつきながらも、人と接しないと嫌われるのではないかという不安に勝てなかったからだ。しかし逆効果だった。自分を隠し続けるというのは辛く、虚しい思いをするだけで私は嘘という殻に閉じこもっていた。春、高校生になった私は新しい人生を踏み出す上で新しい決心をした。自分を隠さないよう、堂々と胸を張って生きていこう。大人になったときに自分の過去を恥じないためにも。他人を理解し、自分を受け入れてもらう。そう簡単なことではないけど、人を大事にするということは、とてつもなく大きな意味があると思うから、私はこれからも人を知っていこうと思う。人のためにも、自分のためにも。私大阪女学院高等学校(大阪府)辻元恵さん「首、曲がってるで。」突然母にそう言われた。改めて鏡を見ると、確かに少し曲がっている。理由はいつも下を向いていたからだと思う。中学生の後半くらいから、私は自分に自信を無くしていた。容姿は綺麗なわけではなく…どちらかといえばブサイクで、生まれつきの天然パーマもちょっとしたコンプレックスだった。男子に「髪の毛キモイ」とか言われるたび、「相手にすることないし」と強がってはみるものの、