17歳からのメッセージReport2010

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12 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧やっぱりそれなりに傷ついてた。自分の性格も好きではなかった。「みんなに嫌われたくない」と、自分はそう思っていなくても、「やんなあ」と適当に相槌を打ってしまったことが何度もある。空気を読んで…読み過ぎて、自分の意見がない、他人に流され易い自分が嫌だった。そんな理由から、自分を隠すように下を向いていたのだと思う。自信の無い自分の顔を見ていたのは地面だけだった。この春、高校生になった。今迄の文章で過去形を使っているのは、それらを過去の事にし、変わりたいと思うからだ。まず気を付けているのは、「前を向いて歩くこと。」当たり前の事だけど、ちゃんと胸を張って、堂々と歩けるようになりたい。私の首が元に戻る頃には変われているといいな。誰に何を言われようと、自分らしくいれる、「自分」に。私とバケツの中の稲の夢城星学園高等学校(大阪府)松川泰子さん去年、我が家のバケツに稲穂が実った。バケツの中の栄養を精一杯吸収し、稲が豊かに実った姿を見て「初志貫徹」という言葉が思い浮かんだ。私は個性が強い。だから田んぼの中で育っている稲ではなく、バケツの中の稲のように人とは違う世界を持っていることを感じている。しかし限られた環境の中で実りの秋に向けて芽を出したバケツの中の稲のように、今の私は夢を見つけ、まさに実らせようとしている。私はバケツの中の稲が大きく育っていくように自分が大切にしている世界の中で個性を磨き、力強く成長したい。自分にしかできない奇抜な発想や行動で、誰も考えてみたこともないことを成し遂げたい。私の個性は、バケツの中の稲のように不格好で奇異に見えるかもしれない。首頭を垂れるバケツの中の稲のように、成し遂げるまで諦めず何度も正面からぶつかっていくのは不格好に見えるかもしれない。しかし、私は限られた環境の中でも、真っすぐ伸びていきたい。何かを成し遂げて初めて稲穂を実らせたい。私はバケツの中の稲と同じように初志貫徹して夢を叶えるために成長するのだ。「ねぇねぇ、お姉ちゃん」城南学園高等学校(大阪府)古川華寿実さん私の妹は障がい者だ。見た目は背の低い可愛らしい女の子だけど、普通の子とは少し違う。私はそんな妹が苦手だ。妹はいつも私の悪口を言ってくるし、私が少しでも妹の意見を否定しようものなら物凄い大声で奇声を発して泣きだす。周りからは可愛らしく見える妹も私から見れば怪獣だ。ある日、妹が私に「ねぇねぇ、お姉ちゃん。私のこと好き?」と聞いてきた。私はテスト前でイライラしていた。だから「あんたのことは嫌いや」と言った。そしたら「ねぇ好きって言ってよ!」と顔を真っ赤にして涙をぼろぼろ流して私にすがってきた。驚いて「好きよ」と言い直した。妹は納得したようで人形で遊び始める。その時思った。この子は一体何なんだろう、と。その日からますます妹が苦手になった。図書館でたくさんの本を読んでも、ネットで調べても妹にどうやって接したらいいのか、という疑問は解決しなかった。もやもや考え続けてある結論にたどり着いた。妹を一方的に障がい者と決めつけている私が問題だったんだと。妹は普通の可愛い女の子だ。少し個性が強くて、繊細なだけ。そう思うと私は前よりイライラしなくなった。それともう一つ分かったことがある。こんな短気で怒りっぽい私のことを、妹は大好きなんだなって。うまく言えないけど本当は私も大好きだ。「嫌い」なんて言ってごめんね。大好きだよ。さぁ、大阪府匿名希望こうやって原稿用紙に向かい合うと、少し緊張する。本当の自分が見えてしまいそうで。それに考え込むとネガティブな感情が頭の中を支配していく。でも良いことを書かなくちゃとキレイな言葉でそれをかきけそうとする。結局、どっちが自分の気持ちかわからなくなって、考えることすらやめてしまう。ずっとそうやって自分の本心とは向き合わないように生きてきてしまった。悲しいことがあって1人で泣き続けたとしても、次の日には何気ない笑顔の自分がいた。心の中は風がかすめただけで痛むほどでも、「忘れた」ってそう言ってれば大丈夫なんだと思いこませていた。でも本当はずっと前から、しんどいと思ってることに気づいていた。ただそんな自分は認めちゃいけない気がしてた。明日には違う何かがあるはずだと、そう思わなければ今までの自分がすべて無駄になってしまいそうで怖かった。そんなことないって、わかってる。ただわかってるつもりの自分は可哀想で、なによりそれを知ってる自分は空しかった。本当は夢や明日は眩しすぎて、手を伸ばすことも、直視することすら怖かった。でもこの原稿用紙をうめることができたら、きっと精一杯手を伸ばすだろう。たとえ伸ばした先には何もなくても、明日は必ずいつもと違うだろう。それはどんな明日か、確かめてやろうじゃないか。さぁ、そのトキがきたようだ。忘れていた色兵庫県立網干高等学校(兵庫県)坪田響さん晴れた日の青空が苦手だ。特に、雲一つない抜けるような空を見た時には、ふいに泣き出したくなる。ある日の夕方、犬の散歩に行った時のことだった。まだ沈んでいない太陽が眩しくて、犬に引かれるがままに下を向いて歩いた。気付けば普段とは別の道。川を挟んで向かい側。ほんの何十メートルかの違いだったけれど、そこは別世界だった。空も花も涼しげに揺れている中、うつむいた自分だけが場違いな気がした。私はいつから、くだらないと夢を捨ててしまうようになったのだろう。無理だ、と零す癖がついたのか。幼い頃見えていない事はたくさんあった。でもその代わりに堂々と夢を口にできた。魔法使いになれると信じて疑わなかった。大人になった気で、途中で全部落としてきたのは自分自身だ。空の色が目に痛いのは眩しいからじゃない。今以外見ようともしていなかった。届くために努力することが怖くなって、私は逃げ出したのだ。夢は叶うとは限らない。大きすぎるとその響きに押しつぶされてしまう。でも捨てる必要はない。両手いっぱいに持ってもいいと思う。一つずつ見つめ直せば見えてくる。描いた