17歳からのメッセージReport2010

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1317歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧形を思い出せる。私にとっての空はそんな場所にしたい。ふと見上げた時に、望んだ光景が広がっている場所に。選びとった夢を一つ、大事に抱えて離さなければ、勝手に消えたりはしないのだから。自由兵庫県立播磨南高等学校(兵庫県)益田真佐子さん友達の家の犬は、首輪をつけられて束縛されると逃げたがるくせに、首輪を外して自由にしてやると、どうしていいかわからず、友達の周りをウロウロするのだ。今の私と同じだ。小学校を卒業したら中学校へ、中学校を卒業したら高校に入学する。限られた範囲での自由。私は、それが子供だといわれているようで、すごくイヤだった。「自由」という言葉が羨ましくてしかたなかった。高校を卒業したら「自由」が手に入ると思っていた。高校3年生になって限りのない中から将来の道を自分で決めていかなければならなくなった。私は「自由」になったのだ。しかし、私が一番に感じたものは自由になった喜びではなく、漠然とした不安と、責任の重さだった。今まで私が束縛だと感じていたものは、周りが守ってくれている優しさだと気づいた。自分が急に子供に見えた。動物は一度人間がいる生活に馴染むと、なかなか野生には戻れないらしい。きっと甘やかされて育った私も、すぐに自立できないのだろう。まだ、そこまで成長できていない。世界は、私の学ばなければならないことだらけだ。母の姿を追って愛徳学園高等学校(兵庫県)安田奈央さん幼稚園への行き帰り。友達はお母さんの自転車の後ろに乗って、私の横を通りすぎる。私は毎日歩いて通っていた。時間はかかるし、疲れる。けれど、周りのいろいろな物を、ゆっくり見ることができる。人の動きや生き物、そして何より身近にいる母の姿。当時の私の目には、母の姿はロボットのようにしか映っていなかった。それもそのはず、母は私の知らない人にも、「おはようございます。」「いいお天気ですね。」と言っていたのだから。挨拶するように体に設定されてしまったのではないか、決まった人だけでなく、誰にでも挨拶をするように……。私には、身知らぬ人に挨拶をする意味が、全く分からなかった。毎朝毎朝、たくさんの人に挨拶する母の姿は、次第に挨拶が苦手だった私から遠ざかっていくような気がした。高校生になった今、私は母に近づいているのだろうか。母を見てきて、挨拶の大切さを知った私は、ふと心配になった。幼稚園を卒園してからも、母の挨拶は私の身近な多くの場で続いていた。私も精一杯、母の姿を追ってきたつもりだ。私の目標はいつも「挨拶、会釈を頑張る。」という単純なもの。やらされるのではなく、自らが心を穏やかにし、自然と言葉に出たもの、それが挨拶ではないかと私は思っている。今、母の姿は少し大きくなった。一生かけて、母の姿を追い続けたい。『もういーかい…?』和歌山県立和歌山商業高等学校(和歌山県)中崎萌さん「もういーよ。」さて何処だろう。自分のいいところや将来の夢。探し続けてどの位経っただろう。たくさんの不安や悩みがかくれんぼして見つからず悪戦苦闘の日々。日を追うにつれ現実と向き合うようになり〝本当の自分?を見失っている気がする今日この頃。ある日、普段気に掛けることがほとんど無くどこかへ隠れている悩みや不安が、心の雨が降ることで我が家へ帰って来るがごとく蘇る。「あぁ私はどうしてこんな駄目なんだろう。」そう考えているうちにも雨脚は強くなり心の中は大雨洪水警報。どうにかなってしまいそう…。すると「私の事忘れてない?」誰かの声がする。「短所ばかり見つけないで。私はあなたの〝素敵?。ほら、あなたの素敵はまだたくさん隠れているよ。」私は大切なことに気が付いた。今までの私は自分自身を悲観的にしか見ていなかった。心の雨はいつしか晴れていた。「晴れたんだし、自分のいいところ見つけに行こうよ!」何も見つからないと嘆き立ち止まってもいい。泣きたいときは思い切って心の雨を降らせるといい。すると、今までの不安や悩みが集まってきて、これからの私を見つけるアドバイスをたくさんしてくれる。私は今までの苦労全てに「私を成長させてくれてありがとう。これからもよろしくね。」と言いたい。私のいいところはどこかな。「あ、私のいいところみぃつけた!」かくれんぼはこれからも続いていくだろう。将来のためにすべきこと。高知県立高知南高等学校(高知県)高橋祐朱さん将来の夢は美容師かヘアメイクアーティスト。人を喜ばせられたらなと思う。そのためにはまず学校を決め、親を説得。行きたい学校や就職先等は決めつつある今、一番の難関は、ラスボス母である。手が荒れる、厳しい、やっていけない。そんな事を言われる日々が続いている。少し前までは軽くあしらわれる程度だった。けれど私は「絶対に諦めん。」と心の中で強く思っていた。そうして、否定はされるけれど、ちゃんと話を聞いてくれる位にはなってきた。それに気付いた時、本当に嬉しくて、もっと頑張ろうと思えた。他の人から見ると「なんで否定されゆうのに嬉しいが?」と思うかもしれないけれど、今まであしらわれる程度で終わっていた私にとっては、それはもう、大きな進歩なのだ。嬉しいに決まってる。美容師になりたいと言い出したのは小6の時からで、話を聞いてくれるようになったのはそれから3年後の中3の時で、認めてもらえたのはそれから2年後の高2の時。そして今高3の私が居る。今思うと、この5年間は長い様で短かかった。あの時諦めていたら今頃どうなっていただろうとよく思う。昔の自分が居たから、今の自分が居る。あの時諦めなかった自分が居たから、今の自分が居る。全部含めて5年間。この5年間が無ければ今の私は居ない。だから、5年間の自分にありがとう。そして、今からの自分にがんばれ。