17歳からのメッセージReport2010

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1517歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧と聞いた時に頑固で融通がきかない人というマイナスイメージがわいてくる。このように、日常の生活で「軟」と「硬」を比べるとあきらかに「軟」の方が良く思える。だが僕は「軟」よりも「硬」の方が大切だと思う。なぜなら、世の中は柔軟性を求めるあまり自分の考えや主張したい事を表にあまり出さず、周囲に合わせるようになっているからだ。もし自分の中に硬い気持ちがあれば、自分の考えや主張したい事をどんどん表に出すはずだ。誰かに反対されても、考えを変えない頑固者を僕は目指したい。僕は今、高校生で野球部に入った。つまり「軟」から「硬」に変わったのだから、自分の心も「軟」から「硬」に変えてどんな時でも考えを貫いていきたい。祭、つながる北杜市立甲陵高等学校(山梨県)左嵜拓郎さんイキの良い木遣りの声、輝くラッパ隊のマーチ、そして「ヨイサ、ヨイサ」の声に包まれて。胸の高なり、興奮、そして感動。僕の地元、信州諏訪の御柱祭である。山から切り出してきた大木を何千人もの人が力を合わせて諏訪大社まで引いてくる。急坂から落とし、川を越え、原始的且つ危険を伴うこの祭、傍目から見てもよくわけがわからないかもしれない。それなのにこの充足感は何であろうか。今、僕は多くの人と指先でつながっている。画面を介して会話する彼等の職業や名前、それに顔だって知り得ることができる。ゲームを一緒に楽しむことだってできる。でもそれだけだ。つながってはいない。今、僕は近所の人の名前や職業を把握していない。しかし、御柱祭で同じハッピに腕を通し同じ柱を引き同じ時間を過ごしその人達を認識し理解した。つながった。つながりとは、単に情報を得るということではない。同じ体験をし、同じ感情を味わい、相手を肌で感じ、そういった「共有」こそがつながりなのである。情報社会を迎え、僕達は知るということを情報入手ととらえ違えている気がする。画面に映る情報で相手を知ることはできない。共有し、知り、そしてつながるのである。その手段として地域の祭りに参加してみてはどうだろうか。思い出や充足感とともに多くのつながりがもてるのではなかろうか。その祭り特有のかけ声にのって。義務だから?静岡県匿名希望私はあいさつをするのが苦手だ。人とすれ違った時にあいさつをしなければ、とは思うのだが大体は何も言わずに終わってしまう。「あいさつをしなさい」幼い頃から私はずっと言われてきた。気づけば今の私にとってあいさつをすることは〝義務?と化してしまっている。言いたいから言うのではなく、言わなければならないものとして。ある日の帰り道、地域の人が私に「おかえり」と声をかけてくれた。知り合いではないその人に、私が迷ったあげく返したのは小さな声での「こんにちは」だった。果たして、地域の人が私に言ってくれた「おかえり」は義務だったのだろうか。隣に誰が住んでいるのか分からないくらい、他人に無関心になってきている日本人、ということを聞いたことがある。そんな中で私の住んでいる町の温かさといったら!たまにウザイと思ってしまうのも嘘じゃない。けれどもこんな町に住んでいる私は幸せものなんだというのも分かっている。だからもし次にチャンスがあれば〝義務だから?ではなくて〝したいから?という理由で「ただいま」と言えるといい。〝人とのつながり?の糸日生学園第二高等学校(三重県)茂木薫さん〝人とのつながり?それは糸のようなものだと思う。新たに紡ぐことができる。逆に断ち切ることもできる。人との縁が多様であるように、〝人とのつながり?の糸もまた、多様だと思う。親子の糸は硬く絶対に切れないワイヤー。恋人の糸は儚く愛しい赤い糸。初対面の人との糸は今にも切れそうな細い細い糸。人の周りは糸だらけだ。だから絡まってしまう。すると身動きがとれなくなる。ただの糸なら切ってしまえば良いが、そうもいかない。これはただの糸ではない。〝人とのつながり?だ。切ってしまったらどうなるだろう。一人で生きていけるはずもない。子供の私ならなおさらだ。糸はいつも大切なものである。少しずつ編み込んで太く硬い頑丈な糸にしてゆく。だが糸が切れてしまうこともあるだろう。大切に紡いできた糸が切れてしまうのは本当に一瞬のことである。でも糸は便利なもので、何度でも紡げる。もう一度紡げばよい。次は切れないように。目に見えない〝つながり?の糸。とても不思議な糸で、大切にすれば、どこまでも太く硬く長くすることができる。太くするほど人は成長できる。硬くするほど人は強くなれる。長くするほど人はどんな遠い所でも繋がることができる。私は、支えてくれる糸に感謝しながら、これからも新しい糸を紡いでゆきたい。人大阪府立八尾翠翔高等学校(大阪府)前川祥平さん「一人じゃない。」この言葉はあなたに何回言っただろう。あの時、あまり学校にも来なくて、暗い人だと思っていたけど、本当は優しくて温かい人だと私は知った。だから「支えたい」と思った。それから、私たちはどんどん仲良くなって、学校にも来られるようになり、どこでも常に一諸にいた。けれど、あるとき私の弱さから、あなたを信じられなくなってしまい、すごく傷付けてしまった。口も利かなくなって、少しすると、またあなたの席が空いていた。その時、私は信じてあげられなかった自分を悔やんで、自分も助けられていた事に気付いた。あの人は、私に人はとても弱い生きものであること、支えあって生きることの大切さ。信じることの難しさを教えてく