17歳からのメッセージReport2010

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18 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧昼休みには雨があがっていた。外は青空が広がって晴れていたけれど、私の気分は晴れなかった。自分が見てもうっとおしい顔をして、トイレの鏡で髪を整えた。友達は私を「中庭に行こう」と誘った。友達は「気持ちいいね」と言いながらのびをした。私は泥の混じった水たまりを見ていた。そこへ友達が追いついて来た。二人で雨上がりの水たまりをのぞくと、水面に私と友達が映った。背景に校舎、そして青空。風に揺れ動く泥水に私達が映った。その時、私は一瞬はっとした。なんて奇麗なんだろうと。いつもならきたないと思っていたのが、この時初めて奇麗だと思った。泥の混じった水たまりにも意外な一面があるんだと。平凡な風景にはっと気付かされる「時」「場面」がある。そんな一瞬のきらめきに後から気付くこともある。私はこれからいろんな人と関わり、いろんな物と接していく。必ず人や物には悪いとこと、いいとこがある。私はきらめく一瞬を見つけて生きていきたいと思う。そうすれば私自身もきっと素敵な人に近づけると思う。今、私がおもうこと大阪市立工芸高等学校(大阪府)浅野さやかさん私は今、高校三年生である。大人と比べて、考え方も甘ければ説得力にも欠ける。何をするにしても、「まだ子供なんだから」とバカにされる。かといって子供らしいといっては表現が曖昧であるが、その様な行動・発言をすると「もう大人なんだから」と叱られる。私は、一時期、そのことについて真剣に悩み、考えた。私は、どうすればよいのか、わからなかった。電車で通学をしている私は、その日も、またその次の日もずっとずっと揺れる車内で考えていた。そこに一人の義足をつけた男性が乗車してきた。そのとき、座っていた全ての大人が、一瞬で一斉に眠りについた。私は驚いた。ついさっきまでゲームをしていた人、本を読んでいた人、携帯電話をさわっていた人、全員がそうしたのだ。しかし、小学生の男の子は違った。大人が眠ると同時に席を立ち、「狭いですけどどうぞ」と、席を譲った。義足をつけた男性は「ありがとう」と、席に座った。もし、困っている人を見て見ぬふりをするのが大人なのだったら、私は大人になんてなりたくない。しかし、それは不可能なことである。いずれは私も大人になる。では、私には何ができるのか。そう考えた。高校生という大人と子供の境目の立場の私。子供には行動力、大人には思考力がある。私は大人の良い面も子供の良い面も両方引きだせる人間になりたい。ずるい大人にはなりたくない。と強く思うのである。戦場のカメラ大阪市立工芸高等学校(大阪府)鈴木ことはさんある時、私はふとテレビで戦場カメラマンが出演している番組を見かけた。そのカメラマンが撮影した数枚の写真を見ながら思ったこと。それは子どもが写っている写真が多いということだ。私の写真のイメージとしては、「笑顔が多く、幸せそう」ということが第一だったが、その写真の中の子どもたちは、皆希望を失いかけた表情が多かった。銃を手に持ち、怪訝そうにこちらを見ている少年、母親を失い泣き叫ぶ子どもの泣き声は、写真の中におさめられていても、こちらまで届きそうだった。戦後約六十年、いまだ各地で行われている紛争で、多くの罪のない人たちが犠牲になっていることなど、現場にいなくてもわかっていることだ。これから未来を担い、築きあげていく子どもたちを犠牲にし、誰が他に変わりになれるだろう。その子たちが世界を変えてしまうかもしれないことを考えれば、なんて残酷なことをしているのだろう。そんなことを頭に巡らせていると、とても心が苦しくて、叫びたい気持ちになってくる。私は戦争を経験したことはないけれど、私にもわかるのは戦争では何も解決できないということだ。きっと最後に残るのは人の死と虚しさだけだ。一刻もはやく、カメラのフィルムに残るのが、笑顔ばかりの世界になってほしいと思う。子どもから大人へ大阪府匿名希望二十歳になるまではまだ子ども。と思って生きてきた私が来年度からは社会に出て働いていきます。今までは、学校という大人に守られた環境で伸び伸びと過ごしてきました。ある程度のわがままもサボリも遊びも許された世界にいましたが、社会に出て働くというのは今までの生活と全く違うでしょう。想像できる来年度の自分というのは、初めての環境になれることができず、毎日バタバタしているといった感じです。周りはみんな大人、責任感や考え方、いろいろなことが自分と違う人ばかりだと思います。その中でどうやって周りの人と仲良くなって、仕事を吸収していくかが大事なことだと思います。今まで適当に流してきたことも社会に出たら許されないことだし、今まで逃げてきてたようなことにまた遭遇したら、社会人として正しい行動をとらないといけなくなります。このようにいろんなことを全部自分で考えて行動しないといけなくなります。未知の世界です。今までの自分では通用しない、周りに合わせることも覚えないといけない、もちろん会社にとって大切な業務も覚えないといけない、上司ともうまく付き合っていかないといけない。考えれば考えるほど、社会に出ることが恐くなってきますが、自分が今向かい合わないといけないことなので、自分でよく考えて、自分の行きたい方向へ飛びたちたいです。17歳が私の子ども最後の年です。万華鏡兵庫県立小野高等学校(兵庫県)馬場ひかりさん「きれいやなぁ。」そう言って万華鏡をくるくる回す私に、友達が言った。「万華鏡ってきれいやけど、中のかけらが1つないと、その形はできひんから不思議やなぁ。」その言葉を聞いて、私は母のしてくれた話を思い出した。「今、自殺とかが多いけど、その子らはちゃんと周りの人の気持ち考えとんのかなぁ。人が1人いなくなったら、たくさ