17歳からのメッセージReport2010

17歳からのメッセージReport2010 page 20/44

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2010 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2010

1917歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧んの人が悲しむのになぁ。1人1人が大切やのになぁ。」私は、この社会と万華鏡は同じだと思った。万華鏡のかけらが1つなくても、万華鏡はできる。しかし、何かもの足りないような悲しい感じがする。同じように、社会から人が1人いなくなっても社会はまわる。しかし、どこかで悲しんでいる人がいる。私は今まで自分が嫌いだった。何ができるというわけでもないし、いつも周りに迷惑をかけてばかりいる。そんな自分が大嫌いで、「自分が生きている意味ってあるのかな?」と、考えることもよくあった。ただ流れていくだけの毎日を何となく過ごしていた。でも、私を大切にしてくれる人がいることを今回知った。だからこそ私は、これから生きていく中でもっと自分を大切にしたい。家族を、友達を、仲間を、周りの人全員を大切にしたい。1人1人がかけがえのない存在だから…。今、伝えたいこと兵庫県立視覚特別支援学校高等部(兵庫県)横田翔さん今までの自分は、障害を受け入れることができなかった。それは、普通の人とは圧倒的に目の見え方が違い、そのことで人に馬鹿にされ、自分のしたいことも出来ない上に、いつも人に迷惑をかけているんじゃないかと不安だった。そんな時だ。ぼくは大きな病気になってしまったのだ。それは癌。それから人生のすべてが変わったんだ。もちろん障害に対する思いもだ。なんでぼくだけこんなに不幸なんだと思っていたが、病院には、ぼくみたいな人がいっぱいいたんだ。癌でしんどいのに、みんな笑って暮らしている。みんなは、ぼくを馬鹿にしなかった。そんな経験から、ぼくは障害を受け入れようと思った。現在ぼくは高校生だ。これから先、もっと辛いことがあるかもしれない。でもぼくは逃げずに頑張りたいと思う。視力障害を馬鹿にされても逃げない。障害を持っている皆さん、そこから逃げずに頑張ってほしい。もし、困っている人がいたら、その苦しみに寄り添ってあげよう。最後に、ぼくのこれからの目標は、ぼくのように障害をかかえた人の為に、少しでも役に立てる存在になることだ。あふれでる笑鳥取県立米子南高等学校(鳥取県)松本佳奈さん皆さんは自分の町が好き?私は、おしどりで有名な町に住んでいる。人口は約四千人、スーパーとコンビニが二つ、あたり一面山に囲まれている。年々、過疎化が進んでいるそんなこの町が私は大好きだ。きっと私と同年代の人はこの町に住みたくないだろうなといつも思う。けれど、こんな田舎にも良いところは山ほどある。冬にはたくさんのおしどりが飛来する日野川。山ではイノシシが捕れる。夜になると星がきれいに輝き、夜景スポットだと思うほどの美しさだ。だが、やはりこの町の一番良いところは人との結びつきだと私は思う。駅から家までの道を歩いていると、知り合いではないのにおばあさん・おじいさんから小学生まで「おかえり」と言ってくれる。逆に、私が「こんにちは」とあいさつするとあいさつとともに笑顔を返してくれる。この町は、本当に人とのつながりが温かいなと日々実感する。でも、一年後には私もこの町を出て行く予定だ。都会で、電池が切れるまで働いたら、大好きなこの町に帰ってきたいと思う。しっかりとエネルギーを充電したい。一番落ち着くところだから。自慢できる私のふるさとだから。田舎に住んでいる皆さん、都会は便利な町ですが自分を育ててくれた故郷を大切にしよう。四季岡山県立岡山南高等学校(岡山県)伊井千尋さん私が今伝えたいこと。それは、日本というこの国の、四季の美しさである。春には桜。暖かい風。生き物たちも目を覚ます、始まりの季節。夏は、暑い日差し。冷たく、青い海。秋は枯れ葉の季節。茶色い葉が散ってゆくのもまた、風流に感じるのだ。そして冬。冷たい風の中白い雪が降る風景。一大イベントクリスマス。幸せをもたらしたり、どこか寂しさを感じさせたり、冬は私の一番好きな季節だ。四季には、様々な美しさがあり、人々はその美しさに感銘を受ける。時にはその美しさを求めに行くこともあるのではないだろうか。例えば、桜を見に花見をしたり、新緑を眺めにいったりというようなことである。それに四季があるのは日本だけだ。日本にとって最大の自慢は、産業の進化でも何でもなく、四季がある、感じられるという事だと私は思う。そんな「四季」を私は何より大切にしたいと心から思う。自然がこんなにも人の心を動かしてしまうなんて、とても素晴らしいことではないだろうか。今は温暖化などの多くの環境問題が目立っているが、きっと、人間は四季の存在を当たり前だと思っているから、このような問題がとりあげられているのだろう。どうか、四季の美しさをもう一度見直し、残していく努力をしてほしい。四季は日本の最大の魅力だということを忘れることなく一瞬一瞬大切に過ごしてほしいと思う。虹色が見せたもの岡山市立岡山後楽館高等学校(岡山県)増田美穂さんしとしと、ゆったりとした雨が止まない。蒸し暑い上に蝉がミンミン鳴いて全くたまったもんじゃない。足下に目をやると息絶えて木から落ちた仲間の死骸。「君達は自分の命の短さを知ってた?」蝉の命を短いと感じてしまうのは人間の寿命があまりに長いからで、当たり前だが蝉はそんな人間様の寿命の長さなど知らない。それよか考えるという機能を兼ね備えていないからこその生物。本能の赴くままに生きるというのが通用するのは人間以外の生物の殆どに該当する。きっとそれが元の生物の在り方であり、生態なのだろう。そんな事を考えているうちに、段々自分が人間である事が嫌になってきた。まるでゲシュタルト崩壊でもしているかのような、めまぐるしい感覚が体中に広がっていく。人間は知恵をつけすぎ要らないものまで身につけすぎている。それを跳ね返し本能の赴くままに突き進めば後ろ指さされ、お前は猿だと罵られる。何故人間は考える為に生まれてきたのだろう。考え出したらきりがない。ただ、この蝉の死骸を見て確かに感じる。生涯をまっとうした勇ましさと誇らしい使命感を。彼らのように生きる事は出来なくとも、最後に辿り着く先に同じ位の輝きを持っていられたら、人間で良かったと思えるのかもしれない。思えるようになりたい。