17歳からのメッセージReport2010

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2717歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧本を『読む』和歌山県立那賀高等学校(和歌山県)下浦俊哉さん本を読む事とはどういうことなのか。今までは考えたこともなかったし、これからも考えるつもりはなかった。僕は、本を読むのが好きだ。というより、本を読んでいる自分が好きなのかもしれない。最初に本を読んだのは、本を読んでいる友達を見て、格好いいと思ったからだった。そんな友達に憧れて本を読み始めた。今にして思えば、そんな幼稚すぎる理由だったということに恥ずかしさをおぼえる。色んな本を読んだ。ミステリー小説や偉人達の伝記、ギリシャ神話や旧約聖書といったものまで読んだ。そういった本の数々を唯内容を知るためだけに読破した。僕の中には何も残らなかった。格好つけるために本を読み始めたが、恐らく僕はただ読んだつもりになっていただけだったのかもしれない。本を読むとはどういうことなのか、意識していなかったから。そうしているうちに気付いてしまった。このままではいけないのだと。そして僕は、改めて本を『読み』始めた。高校生になって、きっと自分は変われたのだろう。まだ、本を読むことがどういうことなのかは、解らないけど、他人の目だけを気にして読んでいた頃に比べて、今の僕は確実に本を『読んで』いるに違いない。見上げた空の先に島根県立益田高等学校(島根県)吉田美由希さん私は、今、何のために、何を求めて生きてるのだろうか。日々移ろいでゆく時間、目まぐるしく流れるニュース、簡単に壊れてしまう人間関係。ただ過ぎていく学校生活では、誰もその答えを教えてくれない。家族と私の間の歪みも、小さくなることはない。胸が痛い。どうして、誰も私のことを分かってくれないの。家族ですら、私の心を理解できない。私だって、本当はいつもあなた達を大切に思っているのに。学校から配られる進路調査の紙。何を書けばいいのだろう。将来のことなんてまだ分からない私に、その紙は私を焦燥に駆らせる。ちっぽけな私に、何ができるっていうのだろう。学校からの帰り道、坂を自転車から降りて登っていた私は、ふと空を見上げた。木々で囲まれた中心に広がる星空。瞬く星に、私は目を奪われた。その時から、私は空を見るのが好きになった。紅に染まる夕暮れも、雲一つない青空も、雲で覆われた灰色の空も、私の心を癒してくれた。そうやって眺めているうち、自分の抱えてる悩みなんて、どうでもいい気がしてきた。道端に咲く小さな花も、頑張って大地に根を張って、短い時を生きている。自分はたくさんたくさん悩めばいい。誰もが納得するような答えじゃなくても、自分なりの答えが出せたらいいんじゃないかな。自分の人生はまだまだこれからだろうし、今は曇り空かもしれない私の心も、いつか光が射す青空を夢見て。手を見て岡山県立岡山南高等学校(岡山県)後口侑里さん私の祖母の手はしわしわで柔らかい。その手でよく、「侑里の手はきれいじゃなあ。」と私の手を触る。2人で手を並べてみると思わず笑ってしまうほど祖母の手と私の手は違う。日常の中で手は必要不可決な部分であり、手を使って多くのことをする。祖母はしわしわの手で編み物や料理、更には重い鍬を持って畑仕事をしたりする。私は「きれい」と言われる手を持っているけど、そんなことはできない。祖母の手には、私ができないことを難なくやれてしまう能力があるのだ。それは積み重ねてきた経験のあらわれだと思う。しわの数だけ、祖母がしてきた努力や体験があるのだろう。年をとるにつれて、体はおとろえていくものだ。でもその分、いろいろなことを学んだり、経験したりできるのだと思う。私には、これから先まだまだ長い人生が待っているのだろう。将来、祖母ぐらいの年齢になったとき、今の私にできないことが、しわしわになっているであろう手で、できるようになっていたい。あなた岡山県匿名希望私は、あなたのことが嫌いだった。勉強ができないところ、人の悪いところしか見つけられないところ、中途半端なところ、容姿、人に流されるところ。本当に嫌だった。何でこんな自分なのだろうかと毎日のように思っていた。だから、とりあえず今までのあなたと正反対のことをしてやろうと思いついた。勉強、授業をちゃんと聞いて提出物も出してやった。テスト一週間前は夜中まで勉強した。テストの点数は上がった。次は、とりあえず人のことを誉めてみた。私もこんな人になりたいと欲が出た。それから、自分が手を出したことには、最後までやるように試みた。容姿、とりあえず化粧をしてみた。男がかなり寄ってきて、昔の男友達も私を女として見てきて、少し嫌になった。そして、自分の意見を言うようにした。皆も私の意見に反対したり賛成したり、色々な意見や考え方が生まれた。あなたが変わってから、周りが変わったことは…、友達が増えた。しかも、自分の意見を聞いてくれる友達が。友達が勉強を教えてほしいと言うようになった。一緒に頑張ってくれる人もできた。それと引き換えに、あなたを消したいという思いも強まった。あなたを考えるだけで嫌になる。でも、あなたがいなかったら今の私はいない。だから、少しくらいは感謝しているよ。これからは、たまにはあなたのこと思い出して生きてみるよ。今までの自分を大切に徳島県立城東高等学校(徳島県)小倉瞬さん僕は過去のことを後悔することもあるが、過去に戻ってやり直したいと思ったことは一度もない。今までの自分があるからこそ、これからの自分を作っていけると思うからだ。今までに僕は、たくさんの失敗をしてきた。例えばテストで悪い点を取ったときはもちろん、友達とのけんかや試合での敗退、もっといえば、ちょっとしたことで親に怒られるのも失敗といえるだろう。しかし、考えてみればその失敗した経験から学んで成長するのではないだろうか。テストだっ