17歳からのメッセージReport2010

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34 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧学校に対し、不満を言ってみる静岡県富士見高等学校(静岡県)村松綾香さん学校ノー万歳!わたしは学校がキライだ。勉強がキライだ!家LOVE!休日LOVE!と、叫んでみる。まあ、勉強は必要だし、社会のこととか色々ある。けど、これくらいの不満はだれでも言うでしょう、先生。先生たちは「そんなにイヤなら辞めちまえ」と言うが先生よ、辞めることができないことくらいわかってください。学校行かなきゃならないけど、こういう不満を言いたいんだよ。だって学生だもの。朝、目が覚めてめざましテレビを見たら「怪奇事件、富士見高校消失?」という校舎が消えてしまったというニュースがやっていて、今日からみんなで青空教室になる。・・・なんていうことが起きないかな―と、テレビをじっくり見てから学校へ行くための自転車をこぐ。なんやかんや言ったが、けっきょく学校は大事なんだよね。積もる不満は山になるばかりだけど、今日もしかたなく学校へ行く。そんな自分と同じことを思っている学生の諸君、共に頑張って早く卒業しよう。感謝の言葉三重県立宇治山田高等学校(三重県)中村香恵さん午前七時、朝食の時間。食卓に向かうとそこには調理され、飾られた食材がずらり。私はときどき考えてしまう。誰が人間を生きるものの頂点と決めた?もし人間より大きくて優れた生きものが存在していたら、私たちも食卓に並んでいたのではないか……。今にも聞こえてきそうだ。「どうしてお前なんかに食べられなくちゃいけない?」食卓に並んでいるたくさんの食材たちの声が。言葉を持たないからと言って感情がないわけではない。一生が短いからと言って粗末にしていい命なんてあるはずもない。みんな同じ命なのだから。私たち人間はいろいろな食材を食べないと生きていけない生きものだ。だからこそ今自分が生きていることに、もっともっと感謝しなくちゃいけない。私は食卓に向かって手を合わせる。今日も精一杯生きていくことを誓って、目の前に並ぶたくさんの命に感謝の言葉を。「いただきます。」心の動き兵庫県立尼崎高等学校(兵庫県)山下瑞稀さん心の中でさ迷う思い。まるで月の光も届かない海底にいるようだ。どこにいるのかも、どこへ進めばよいのかも分からない。ただ、静かな水の流れに従ってフラフラと流れていく。幼い頃は「大人」になる事に憧れを感じていた。好きな仕事について、いろんな人に出会って…何もかもが楽しいことばかりと思っていた。でも成長していくにつれて、幼い頃抱いていた憧れは薄れていき、不安ばかりが積っていく。時間と共に霧が晴れていくように、世の中の厳しさが見えてくるのだろう。すると、今まで信じていたものが全て否定されるような気分になる。とてもつらいけど、現実はいつでも正直。そんな中でも立ち向かっていける人が「大人」なのだと思う。荒れている海に飛びこむくらい困難な波が次々と襲いかかってくる。ただでさえ不況で泥沼のようによどんでいる社会。でも成長していくにつれて、上手く適応できるようになっていく。坂本龍馬みたいに世界を動かすことはできない、とても小さな存在。けど、それなりに出来ることはあると思う。世の中から見ると、ささいな事かもしれない。でもそんな小さく思えるようなものが集まれば、大きなものになる。一輪の花が集まって、花畑になるように。いつの間にか心が軽く、海面へのぼりはじめた。畜産の未来兵庫県立播磨農業高等学校(兵庫県)籾山京子さん私は、農業高校に入学し畜産科の酪農コースで搾乳したりエサをあげたりその他にも乳牛改良をするために受精卵移植の研究などもしています。そんな私が今、伝えたいことは題名にもあるように畜産の未来についてです。トウモロコシなどの飼料の値上りや、後継者不足によって近年酪農家や肉牛農家がどんどん減少してやめてしまう農家が増えてきました。さらに今、大問題となっている口蹄疫の影響によって八万五千頭以上もの牛や豚が大量に殺処分されていることを皆さん知っているでしょうか。この伝染病にかかってしまえば、一頭しか感染していなくても一緒に飼っている牛や家畜の全てが殺処分の対象になってしまうのです。口蹄疫の感染力はとても強く一つの農家でも百頭以上飼育している農家も多く全頭処分となってしまえば、経営が成り立たずやむをえず畜産をやめてしまった農家もあります。宮崎県の農業高校では愛情を込めて育ててきた牛や豚が処分され、畜産の勉強ができないのです。このまま感染力が広がれば豚肉・牛乳・牛肉の生産が減り風潮被害が広がれば、畜産農家は今以上に苦しくなり減っていくでしょう。畜産家は今、とても厳しい現状に立たされています。畜産農家も私たち農業高校生も苦しんでいます。もっと農業に目を向けてください。もっと関心を持ってください。考えてください。厳しさプラス優しさ天理高等学校第二部(奈良県)坂本幸成さん私は全寮制の定時制高校の4年生だ。厳しい場所で1年生の頃は、毎日のように上級生に怒られ続けた。「声が小さい」「挨拶の時、頭が高い」等、一生懸命やっているのに怒られる。なんとも理不尽な生活だった。そんな私も今では下級生を指導する立場となった。私も下級生に対して厳しく接していたが、なかなか上手くいかなかった。それどころか、下級生が高校生活を止めたいとまで言い出すようになった。私は悩んだ、いったい何が間違っていたのだろう、今までの上級生と何が違っていたのだろうと。そんな悩みを持っていた私に、先生があることを教えてくれた。「お前は、優しさのボールと厳しさのボールの投げ方を間違っている。2つのボールを別々に投げるんじゃない。厳し