17歳からのメッセージReport2011

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0717歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧今までの自分、これからの自分テーマ1京都府立城南菱創高等学校(京都府)伊勢紗幸さん私の口ぐせ私の口ぐせ、それは「分かってる」お母さんに「勉強しなさい」とか「部屋片付けなさい」って言われたら、必ず「分かってる」と言う。お母さんに「分かってるって言わないの」って言われたら「それも分かってる」って言う。素直に返事が出来ない。だって分かってるもん。ある日、部活の後輩に「ここをこうした方がもっといいよ」とアドバイスをすると「あ?分かってます」と言われた。心の奥がちょっとモヤモヤした。私は後輩にもっと上手くなってほしくて言ったのに、と思っていたらお母さんの顔が頭にうかんだ。そうか、お母さんはいつもこんな気持ちだったのか。後輩に上手くなってほしいと思った私と同じでお母さんも私に、行きたい大学に行ってほしいとか、もしもの時に困らないように、とか思ってくれていたのかもしれない。そう考えると同時に悪いことをしていたなと反省した。そして悪気はなくても簡単に何気ない一言で人を傷つけてしまうんだと気付き、言葉には気を付けようと思った。これからは、人にアドバイスや注意をしてもらったら私の為を思ってくれてるんだなと感謝できる人間になろう。「分かってる」から「ありがとう」同じ5文字だけどこんなにも見える世界が変わる。よし、今から「分かってる」は封印しよう。兵庫県立芦屋高等学校(兵庫県)松野下綾乃さん「ばかもの」ある春の朝、私はちょっとしたことで気分を害し、イライラしたまま学校へ向かった。周りの同級生達に何故だか腹が立ち、「邪魔だなぁ。通りたいんだけど。」「トロいのなら、道の真ん中を歩かないで。」などと心の中で毒づき、嫌な気持ちをひきずりながら授業を受けた。丁度その日の5・6時限目、全年次が集まっての集会があった。前から配られてきたプリントを何気なくひっくり返すと、『自分の感受性くらい』というタイトルの詩が印刷されていた。今までの自分の行動・感情を見透かしたような厳しい口調の文を、内心ヒヤヒヤしながら読み進めていくと、最後の一行で、そのヒヤヒヤも朝からの苛立ちも、何もかも全て吹っ飛んでしまった。「自分の感受性くらい自分で守ればかものよ」ああ、そうか。ばかものは私だったんだ。己の感受性すら守れず、何も変わっていない周囲に下らない感情を押しつけたおろかものは、実に私自身なんだ―。それ以降、私は己の理不尽な怒りが爆発しそうになると、深呼吸をし、「ばかものめっ! !」と自分で自分の心を叱咤するよう心がけている。そうすると、不思議と冷静になり、ゆとりさえも現れてくるのだ。「ばかもの」なんて、全く良い言葉ではないが、この詩を知ってからは、妙に愛着がわき、私だけの特別な言葉になってしまった。困る反面、その分少しだけ成長できた気がするのは、私の思い違いだろうか。鳥取県立米子南高等学校(鳥取県)青木菜々恵さん末期ケータイ依存症片時も離さなかった。外出するときは、カバンの中。家の中では、お気に入りのパーカーのポケットの中。二つに折れる型遅れの白の携帯電話は、画面裏に大きなディスプレイがついていて、ケータイを開かなくてもメールチェックができるようになっている。だから、こっそりメールチェックをするのが癖になっていた。寝る時は、一緒にベッドに入り、開いたままのケータイを右手で握ったまま眠っていた。完全な末期ケータイ依存症だ。そんな私を変えたのが、たった十日間のアメリカでの生活だった。海外は料金が高いからと母に言われ泣く泣くケータイを置いて旅立った。長時間の旅の果てに着いたのは、見渡せば木と牛と馬とぽつぽつと建っている家しかない所だった。しかし、人は温かく、スキンシップは激しかった。朝起きた後や寝る前、出かける前など、もしかしたら今日私が死ぬと思っているのではないかと思うくらい、ハグやキスをしてきた。そんな生活の中、気がつくと私は、ケータイの存在を忘れて文化の違いやコミュニケーションを楽しんでいた。景色も美しく、夜は窓の外の星空をずっと眺めていた。私にとって特別な十日間が過ぎると別れを惜しみ、日本へと向かった。迎えに来た親の車に乗ると、母が持って来ていた私のケータイがあったが、私は、それに目もくれずにアメリカでの生活を延々と両親に語っていた。金賞8点