17歳からのメッセージReport2012

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1317歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージでもない。なのに、ほっぺがふくらんで似ているからという理由だけでアンパンマンと呼ばれることがあまり好きではなかった。だから、アンパンマンのようにふくらむほっぺが「自分の嫌なとこ」となっていたのだ。ある日、友達に私のどんなところが好きなのかを聞く機会があった。すると、たくさんの友達が口をそろえて「よく笑うところ」「アンパンマンみたいなそのほっぺで笑われるとこっちまで笑顔になれる」などと言ってくれたのだ。ずっとアンパンマンと呼ばれるほっぺが嫌で「なくなったらいいのに」と思っていたが、私が笑うことで誰かが笑顔になってくれる。そう思うとアンパンマンほっぺも悪くないなと思えてきたのだ。今では「自分の良い所」としてこのほっぺが入っている。アンパンマンのようなヒーローにはなれないが、どこかで友達が困っていたり悲しんでいたら、このアンパンマンスマイルで笑顔になってくれたら嬉しい。だから私はこれからもたくさん笑っていきたい。島根県立飯南高等学校(島根県)梅田涼子さんつばめの巣1ヵ月ほど前から、わが家にツバメが巣を作りはじめた。何も無い屋根の下だというのに、巣を作ろうとしていた。最初は見ていなかったが、毎日小さな枝や泥を集め、何度巣が崩れても諦めることなく枝を運ぶツバメの姿に、いつしか私は興味を示すようになっていた。ある日、何度も巣が崩れるのをかわいそうに思い、巣箱をつけてみることにした。その方がツバメも楽だろうと思ったからだ。だが数日後、ツバメの様子を見に行った私が見たのは、巣箱のとなりで巣を作り続けるツバメの姿だった。彼らは、私が用意した楽な方法は選ばず、自分達の力で巣を作り続けていたのだ。どんなに苦しい状況であっても、何度巣が崩れても諦めない彼らの姿が私はとても眩しく思えた。彼らにくらべて私は、少しの壁にぶつかってもすぐに諦め、誰かが用意してくれた巣箱の中で生きているのだから。私はもう少しで社会に出て、自分の力で生きていかなければならない。当然、今以上に苦しいことや辛いこともあるだろう。だが私は、苦しくとも諦めず、何度でも巣を作り続けるあのツバメ達のように、前を向いて生きていきたい。そう思って、私は巣のとなりにつけていた巣箱を外した。。愛媛大学附属高等学校(愛媛県)中原佳名子さん赤ちゃんニガウリ私の部屋は西日があたるこれからの季節、とても暑くなる。今年窓の外にグリーンカーテンで室温を下げてみようと、植えたニガウリの苗がほぼ2メートルを越えた。毎朝登校前に水やりをしながら、ツルの方向を変えたり重なった葉を広げたりしている。2日前、初めて花の下にニガウリ特有のイボイボのある小さな小さな子房を見つけた。いつの間にと、びっくりしたと同時にとても愛しく思えた。わずか1センチ程の赤ちゃんニガウリがとてもかわいい。大人そのままの形で、ただ小さいだけだ。無事に大きく育って欲しいと祈る。毎日話しかけて気にかけているとこんなにも慈しみの心が育つのかと驚く。人も植物も、生あるものはその命を大切に全うして欲しい。その為の良い環境作りは絶対必要である。今ある便利な暮らしは、これから先も永久に手に入るとかってに思い、そして漫然と過ごしてきた私はこれから大学に進んで、地域における自然環境修復に関する諸問題を学び、弱った地球の健康を取りもどす手伝いをしたいと思う。未来ある子供達に負の遺産を残さない生き方をしなければと、赤ちゃんニガウリが教えてくれたような気がした。愛媛県立今治北高等学校(愛媛県)粟田佐知子さんサングラスの人に教わったこと尊敬している人がいる。話したことはほとんどない。しかし私はある時、その人の優しさに気が付いた。人を覚えるのが苦手な私は、偶然、いつも乗るバスの運転手の中にサングラスをかけた人がいることに気が付いた。サングラスの人、という覚え方だった。ある日、サングラスの人が運転するバスに乗った。早朝で、寝ている人も多かった。運転席のすぐ後ろに座り、何気なくその人を見ていると、あることに気が付いた。隅のバックミラーを通して後ろを見ているのだ。高速道路や整備されていない道、曲がった道。荷物の多い人を気にするように振り向くこともあった。気になった私は、注意してその人の運転を見ていて、更に二点気が付いた。一つは、大きなカーブでかかるGがほとんど無いことだ。体が傾かず、寝ていても安全だ。もう一つは、下車する人にありがとう、荷物大丈夫?よく寝れた?と声を掛けていたことだ。他の人にはない、さりげない優しさだった。運転するだけの仕事で、私達に優しさをくれている。誰にも気付かれないとわかっていても。プレートの名前を見た。バス停に着き、感謝を込めて、笑顔でお礼を言って下車した。「ありがとうね」と言ってくれた。私も、気を使え、誰にでも無償の優しさを与えられる人になりたいと強く思った。優しさに気が付けるようにとも。私はその日から、運転手さんに笑顔で感謝を伝えて下車している。愛媛県立今治北高等学校(愛媛県)山本望月さん?????My grandmother?????私は三年前に大好きなおばあちゃんを亡くしました。脳梗塞でいきなり倒れ、一度も目を覚ますことなく天国へ逝ってしまいました。私の中には、なぜもっと優しくしなかったのだろう、なぜもっと会いに行かなかったのだろうといったような後悔が残りました。私のおばあちゃんは、自分の事は二の次で、いつも人のために行動する人でした。いつも笑顔で出迎えてくれて、私たちのためにおいしい料理を作ってくれました。そんなおばあちゃんはたくさんの人々に好かれていたということを私は葬式で知りました。たくさんの人々が霊柩車を涙を流しながら見送っていました。その時、おばあちゃんがどれだけ人に愛されていたのかを目の当たりにしました。銀賞