17歳からのメッセージReport2012

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2317歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ愛媛大学附属高等学校(愛媛県)井伊彩歌さん無題「私は今十一歳です。今日の私も頑張りました。大きくなった私は今頑張っていますか?」ある日、本棚の整理をしていた時小物入れから十一歳の私からの手紙が届いた。そしてこの言葉が深く突きささり私は涙を流した。私は小学校と中学校で皆無とはいえないがいい思い出がほとんどない。今の私とは正反対で全く人を信じず仮面をかぶった嘘の自分で日々を過ごした。地元が嫌でただ逃げて今までを捨てるように電車で一時間半かかる高校へ入学した。高校ではたくさんの人に出会え、人を信じ大切にし合うことを知り本音を吐く場所ができ本当の自分で笑えるようになり、何より大切な人がたくさんできた。本当に幸せで楽しい二年間だった。そんなある日の2年生の終わり頃に小さい頃から大嫌いだった人に偶然地元で会った。最初は固まったが向こうも私も全く普通に話せた。そんな自分に違和感を感じしばらく地元にいる時間を増やしてみた。そんな時あの手紙をみつけたのだ。そしてみつけたことにより違和感の意味がわかった。私は地元を離れ、たくさんの人間を知ったことにより大きく成長していた自分に気づいた。そしてそれと同時に地元に対して懐かしく恋しく思う自分がいた。いやな事はたくさんあった。でもその時の私もただ毎日頑張って生きていたのだ。地元にいた自分も今の自分も頑張っていることに変わりはないのだ。過去も今の自分をつくったのだ。十一歳の自分へ。今日も私は頑張っています。愛媛県立三崎高等学校(愛媛県)村井祐里奈さん豆腐の可能性私の家は豆腐屋だ。私は幼い頃から毎日豆腐を食べて育ってきた。今こうして運動をしたり勉強に励んだりすることのできる健康な体は、母と祖母の豆腐がつくったと言っても過言ではない。豆腐は見た目こそシンプルだが、実はとても栄養価が高くヘルシーで、スペシャルな食品なのだ。もともと豆腐の原料である大豆は「畑の肉」と呼ばれていて、文字通り肉のような栄養がある。平安時代から食べられている豆腐をバカにしてはいけない。そしてこれはとっておきの情報だが、実は豆腐は甘い。出来立てあつあつの豆腐の甘さは、アイスクリームのそれより遥かに健康的で良質である。この事実を知らない人がたくさんいること、何よりこの出来立ての味をみなさんに食べてもらう機会が少ないことは、非常に悲しい。豆腐屋の娘として、日本人の豆腐離れが進む今、豆腐の素晴らしさを全ての日本人に伝えたい。いや、日本人だけではなく、世界中の人に食べてもらいたい。スペシャルな食品である豆腐を食べることで、みんな元気になる。とうふ(倒負)の名の通り、負の気持ちを倒して毎日明るく生きることができるのだ。さらに、調理を工夫することで、自炊の楽しさを知ることができる。そしてそれが、私たちの健康な暮らしへとつながり、さらに、豊かな世界へとつながるのである。豆腐の可能性は、無限大だ。福岡県立香椎工業高等学校(福岡県)須長純也さん友人と勇気の大切さ僕は小学校に通っていたとき、いじめられていた。クラスの人達にいきなりたたかれたり、教科書が隠されたりもしていた。日に日に少しずつひどくなっていくいじめ。僕は何も言い返すことができずにいた。言い返したりやり返したりしたら、もっといじめられると思っていたから。両親には相談はできなかった。心配をかけたくないと思っていたから。しかしそんなある日、別のクラスで新しい友人ができた。僕は思いきってその友人に自分がいじめられていることを話し、どうすれば良いかを聞いた。友人は「はっきり言えば良いんだよ。やめろ!ってね」と言った。それ以外の方法は無いかと聞いたが「はっきりと言わないと、いじめはとまらないと思う」と友人に言われ、僕はそれしか方法がないと思った。そしてある日、勇気を振りしぼって「もうやめて!」と僕をいじめている人達に言った。するとクラスの人達もやめなよと言ってくれて、新しい友人も来てくれて一緒になって言ってくれた。クラスの人は「大丈夫だった?今までしらんぷりしててごめん」と僕に近寄り言ってくれた。新しい友人も「よかったね」と言ってくれた。僕は涙が止まらなかった。多くの人の優しさがとてもうれしかった。その後に、いじめていた人たちが僕に謝ってくれた。次の日からは、いじめられずに楽しい日々を過ごせた。友人がいなかったら、今の僕はいないだろう。友人と勇気は、無くてはならないものだと今の僕は思う。西南女学院高等学校(福岡県)奈賀千夏さん私の中のヒーローテレビのチャンネルをかえているとき、目にとびこんできた。百歳のおじいさんがダンベルを持ち上げたり、鉄球をなげている。その光景は今でも私の脳裏にやきついている。それ以来、私はその番組で紹介される百歳の人を見ると不思議と力がわいてきて前向きな気持ちになった。ある日、私の家に祖母が泊まりに来た。祖母は泊まりに来ると、必ず料理を作り始める。私がいつも祖母に感心するのは他にもある。朝、起きるとすぐに化粧をして数分で着がえて、お花に水まであげてしまう。まるで私の方が年をとっているのかと思えてしまう。そんなあるとき、祖母にどうしてそんなに元気でいられるのか聞いてみた。祖母は「せっかく命があるから、毎日一生懸命でいきんとね。もったいないやろ」といっていた。私は心から祖母は私の中のヒーローだと思えた。今、私たちの平成という時代は次から次に新しいものをうみだし、便利で何不自由なく暮らしている。しかし、耳を疑うような事件を大人がおこしていたりしており、私たち子供は本当の大人のあるべき姿が一体何であるのかと思ってしまう。しかし私は、こんな時代であるからこそ、私たちの大先輩である、お年寄りの人に目を向けて、多くのことを見ならうべきであると思う。ちょうど生徒が教師に勉強を教わるように、高齢者の方の知恵を私たちの世代は見本としていくべきであると思う。将来の明るい未来のために。銀賞