17歳からのメッセージReport2012

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2717歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージさず引退したいと思いながら毎日を過ごしている。今、強く思うことは、「人を支えることで、いつか自分の幸せになる」ということ。マネージャーになってから辛いこともあった。それでも逃げ出さず、選手を支えてきた。試合に勝ったときの選手たちの笑顔に励まされて、いままで続けてこれた。引退の近い私にとって、その笑顔を見ることが幸せである。最後の大会で、最高の笑顔が見られたら、一生の思い出になるだろう。愛知県立半田農業高等学校(愛知県)横田季樹さん兄弟僕には二つ年上の兄がいる。兄は脳に障害を持っていて、普通の人にはできる事が、兄にとってはとても難しい事になる。昨日までできていた事がある日突然できなくなることもある。僕は兄を、兄として見ることができないでいた。兄は毎日同じ事の繰り返しで生活している。起きたら食事をし、いつもと同じ部屋同じ場所で同じ漫画を読んで、生きていくため必要最低限のことを済ませると、また漫画を読みに部屋に戻る。そんな毎日のどこに幸せがあるのか、僕にはわからなかった。ある日、僕は兄が大切にしているアルバムを見ていた。ある写真を見たとたん、僕の眼から涙がこぼれた。そこには、やっと歩けるようになったくらいの僕の手をとり、笑顔で歩いている兄の姿があった。兄を厄介者だと思い、理解もしようとしなかった僕を、兄は今も兄弟として大切にしてくれていたのだ。兄が憎かった時もあった。いない方が気が楽だと思った時もある。しかし今はそんなことを思った自分に後悔している。大人に近づくにつれ、関わることも少なくなった。兄のことを心のどこかで避けていた自分を捨て、これからは、積極的というよりも、自然に、どこにでもいる兄弟のように接していきたい。桜花学園高等学校(愛知県)成田紗恵子さん笑顔の花を咲かせるために私は高校生になるまでボランティアという言葉はよく耳にしていたものの、実際に活動したことはもちろん、どんな活動があるのかさえも知らなかった。もともと人と関わることは好きだったが、ボランティアなんて老人や大学生など一部の人がやるものだと思っていたのであまり興味を持たなかったのだ。しかし、高校一年の夏、友達に「ボランティアに参加しない?」と誘われた。少しとまどいながらも、良い経験になるのではと思い参加してみた。私が参加したのは福祉施設に通う人が行うお祭りの手伝い。水ふうせんつりのコーナーだった。水をバケツにくんで運んだり、水ふうせんをふくらましたり障害を持っている人にとって少し大変な仕事を代行した。その後、施設に通う人たちと一緒にお店を運営し、さまざまな人たちとふれ合う中で私はふと思ったのだ。「障害があっても少しサポートしてあげれば何でもできるんだ」と。水ふうせんを全て売りきった施設の方はとてもうれしそうな顔をしていた。その笑顔を見て達成感にあふれ、流した汗もムダではなかったと思い、とてもうれしかった。この経験を通してボランティアという見方が少し変わった。小さな助けが大きな力になるんだ、より多くの笑顔を創れるんだと思った。これからは自分からボランティアに参加して高校生という若さを生かして世の中を笑顔でいっぱいにしたいと思う。三重県立白子高等学校(三重県)西本祐美さん知るということ東日本大震災が起きてから原発反対と叫んで、原発廃止の署名運動をしているのをテレビで見たり、実際に「署名よろしくお願いします。」と声をかけられたりした。そんな光景を見る度に私はモヤモヤして納得いかない気持ちになった。それは私が原発を知らないからだ。だから原発は廃止すべきだとわかっていても頭の片隅で「何故」の文字が消えない。みんな原発の何を知っていて、何が悪いと言うのだろう。政府に騙されたと怒る人や政府を皮肉った歌を歌う人がいるけれども、本当に政府だけが悪くて私達国民は被害者でしかないのだろうか。初めて原発が作られた時に私は生まれていないが、これからの原発を考えてどうするのかを決めるのは私だ。原発で働いて生活している人も沢山いるし、私は原発のおかげで自由に電気を使ってきた。責任を政府に押し付けているだけの私達に、今後ますます深刻になっていくであろう電力不足の覚悟が出来ていると言えるのだろうか。私は原発を廃止することだけが正しいとは思わない。継続にしても廃止にしても国民全員が結果に対して納得し、責任を持たなければならない。そして、再び問題が起きても、自分達の決めた判断を信じる事が大切だ。その為には知らなければならない事が沢山あるだろう。私は今こそ自分がきちんと知らなければならないと強く思う。三重高等学校(三重県)中島悠希さんドーナツ状態の人間関係「ドーナツだねえ。」突然、友達が私に言った。夜の十時前、電車の中で。無論そんな時間にドーナツを持っている人も食べている人もいないのはわかっていたが、私は思わず車内を見渡してしまった。それを見た彼女は私にこう言った。「あなたの人間関係を喩えたんだよ。」私はすぐに知合いを「好きな子」と「嫌いな子または興味のない子」に分類してしまう。真ん中に穴が空いている普通のドーナツを想像してほしい。空いた穴の中心に私がいる。その周りには私の「好きな子」がそしてドーナツの食べる部分を境界線にして外側には私の「嫌いな子または興味のない子」がいる。確かにドーナツだと自分でも思った。何とも彼女は上手に喩えたものだ。この事について考えてみると自分が子供染みているように思えてきた。確かに人には気の合う人と合わない人がいるだろう。だがそれだけで人を決め付けてはいけない。それでは奨励賞