17歳からのメッセージReport2012

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28 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ子供が少ししか食べたことのない野菜を好き嫌いするのと同じだ。今、私は学校という小さな枠の中で生活をしているからドーナツ状態でも困らない。しかし社会に出て今より大きな枠の中で生活をする時それでは無理だと思う。気の合わない人だとすぐに決め付けてはいけない。きちんと話をしなくてはいけない。何故なら私は子供ではなく大人になっていくのだから。そんな訳で私は、これから境界線であるドーナツを薄く平らに伸ばして、新しい自分になっていきたいと思う。三重高等学校(三重県)森可奈子さんちょっとしたキッカケ私の家では夕食の時、決まって学校の話が出る。楽しい事からイヤな事まで。私の話の最後に母は学校が楽しいかどうか聞く。私はこれを聞くたびに思い出す。当時小学生だった私は、ちょっとした擦れ違いから友人関係に溝があった。私の性格からして、先生や他の友達まして親には言うことが出来なかった。そんな時、三者面談のアンケートがあった。その最後の質問は”学校は楽しいか“というものだった。親に気付かれたくなかった私だが、「いいえ」と答えていた。そして面談当日、先生はその質問を指摘した。が、そこでも話す勇気がなかった。だから、本当のことは言わずにごまかした。この時、「いいえ」と答えた自分を後悔した。でも遅かった。家へ帰ると母は聞いた。「本当に学校は楽しい?。」と。今度は嘘をつけなかった。無意識に涙がこぼれ、泣き出してしまった。嗚咽で話すことも出来ない。母はただ静かに抱きしめ、私が泣きやむのを待った。そして私はようやく母に全てを打ち明けることが出来たのだ。私のように一人で考えこむ時間は大切だと思う。ただすべてが一人で出来ることではない。やはりどこかで助けを求めている。私はアンケートをキッカケに母がそれに気付いてくれた。今度は逆に私も、困っている人の心を打ち明けるキッカケとなって助ける側につきたい。京都府立京都八幡高等学校(京都府)六車優那さん魔法の言葉努力は裏切らない。私の好きな言葉であり、自分に言い聞かせている言葉だ。たった一言であるが、過去の自分から現在の自分を表している言葉でもある。私は何をするにしても諦めがちだった。苦手な教科は最初から取り組もうとしていなかった。「できない、嫌い。」の一言で片づけ、自分から逃げていた。そんな私は、あるきっかけで変わることができた。それは、高校受験である。三年生になり、受験への意識が高まった。逃げてばかりではいられない。一生懸命苦手な教科も勉強した。勉強すればするほど理解できてきた。私はふと気づくことができた。自分が諦めない限り、限界はないんだ、と。卒業の日、担任の先生から、「努力は裏切らない。一生懸命頑張ったことは全部今の自分につながっているんだよ。」というメッセージをもらった。私は今でも、辛くなったときは、必ずこのメッセージを見る。不思議なことに、前向きになれる。私にとっての魔法の言葉だ。人間は言葉一つで変わることができる。私の一言でも、一人でも多くの人を元気づけたいなあ。きっと、これから先たくさんの困難が待ち受けることだろう。私には、心強い先生からの言葉がある。どんな壁にも立ち向かい、挑戦したい。自分が諦めない限り、努力はいずれ何らかの形で実を結び、思いは必ず通じる。私は今も、そしてこれから先も、そう信じ続けている。京都府立久御山高等学校(京都府)小森珠杏さん一年生ぴかぴかのランリュックを背負って、新1年生が歩いている。まだまだランリュックは大きくて、少し不安そうにも見えるけど、1年生の手をひいて歩いている6年生は1年生から見てすごく頼りになる存在なんだろうな、と思う。ぶかぶかの制服を着た新中学1年生が歩いている。この前まで堂々とした最上級生だったのに。前に私が中学生になったとき、自分では大きくなったと思っていたのに、お母さんは「幼稚園みたいでかわいい」と言っていた。あの頃は意味が分からなかったけど、今なら分かる。なんてかわいい大人料金。この春、私は高校生になった。背もそれほど伸びないだろうし、中学一年のときよりうんと大人。中学のときよりうんと厳しい校則でいつもバタバタしている。それでも家族は「ピカピカやね」と言ってくれる。「いくつになっても一年生はかわいいんかなあ」「そうやで。社会人一年生もかわいいし、新婚さんもかわいいし、新米ママもかわいいで」一年生がかわいいのは、一生懸命がんばっているからかな。私も新鮮さを失わないように、そして年下の人をかわいいね、と言える大人になりたい。大阪市立高等学校(大阪府)中村春佳さん再出発今年の春、私は二度目の高校入学式を迎えた。十五歳の春、希望を胸に高校に入学した私は、その年の夏に体調を崩し、うつになり学校を辞めた。はじめの三ヶ月ほどは、何も考えられなかった。何を考えていても、常にマイナスの方向へと考えが傾いてしまうからだった。三ヶ月ほどたつと、体調もうつも改善され、また高校へ行って勉強がしたいと思うようになった。今から勉強をして、もう一度入試を受けて高校へ行くと一つ同級生よりも年上になってしまうことや、知り合いがいないと言う不安もあったが、それ以上に勉強がしたかった。そして、今年の春入試に受かる事ができ、二度目の入学式を迎えた。「学校へ行って勉強する。」これが好きな人はあまりいないだろう。でも、私は学校に行くこと、勉強することがどれだけ掛け替えのないものかを知ることができた。学校に普通に通えること、これが一番良いことだと思う。でも、一度辞めたことで私は自分を支えてくれる人達の大切さ、そして学ぶことの大切さを知った。他の人よりも少し遅れたけれど、その分中身の詰まった三年間をこれから過ごしたいと思う。私の人生は再出発したばかりだ。奨励賞