17歳からのメッセージReport2012

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30 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ言葉を上手に話せない赤ちゃんも、動作で自分の思いを伝えると思う。しかし、自分の意志が伝わらなかったらイライラするし、悔しくなったりする。実際に私はそういうことがよくある。たとえば、クラスの委員などを決める時、最後の1つがなかなか決まらないことがよくある。その時、私はやろうかなという気持ちになる。しかし、なかなか決まらなくて静かになっている空気の中で手をあげることができない。その時私は、手を挙げるだけですぐに決まるのにと思う。行動に移すにはまず、恥じらいや、誰かがやってくれるという気持ちをなくさないといけないと思う。そういう気持ちをなくして、ありのままの自分を出すことによって、自分の意をそのまま行動に移すことができると思う。ありのままの自分をそのまま出すことは簡単ではないと思う。しかし、行動に移すことによって後悔がなくなる。行動に移して後悔することもあるかもしれない。でも、やらないで後悔するよりはましだ。だから、私は自分の意志を伝えることができる人間になりたい。兵庫県立国際高等学校(兵庫県)戸田洋子さんセカンド・ポジション言葉が、声に出すと現実に変わる魔力。私にとって、それを如何に駆使するかが日々の面白みだ。そして、この趣味は意外なところで特技として役立っている。私は、母に言わせると「十人並みでない」子供らしい。成績中の上・運動並と極めて平凡だが、我ながら持て余し気味の思考力と行動力はちょっと歳の数に合わない。その上、私は義理人情を重んじる古風な性格で、友人に日常的に明治初期の女に間違えられる。そんな私のご時世に合わないスタンスのおかげで、友人とはセーブした付き合いしか出来ない。だが、アウトローも悪いことばかりではない。友人にとっての所謂”駆込み寺“になれるからだ。私は自分が老成した未熟者だと重々承知しているが、こんな時は「大人より等身大で同級生より頼りになる相手」に変われるらしい。私の趣味が高じた口八丁も「物は言いよう」で、言霊を籠めるように語りかけた言葉は、友人の勇気になる。私は行き詰まった友人に心の逃げ場所をあげられるのだ。これ程、心に適うことはない。私は、愛する友人達にとって、二番目で良い。彼女達が二者択一しろと迫られたら、迷わず切ってくれて構わない。それ位、アウトローな私に居場所ももたらしてくれる彼女達は大切なのだ。何より、「私だけに見せる顔」というのは格別なものなのだ。セカンド・ポジション。うん、悪くない。和歌山県立那賀高等学校(和歌山県)上横手希帆さんおばあちゃんの大きな手人の手は何のためにあるのだろう。文学を書くため?何かを創り出すため?生活していくため?様々だろう。私のおばあちゃんの場合、そこに「編み物をするため」も追加される。彼女の若い頃からの趣味の一つだ。おばあちゃんはまた、山奥で暮らしていた頃から「野菜作りをすること」も趣味にしている。私と一緒に住んでいる今も続けている。しかし、最近変わったことが一つある。おばあちゃんは、ここのところ毎日手に包帯を巻いている。どこかでぶつけた跡も、切った跡もない。ただ、おばあちゃんの手は私より一回り大きくて太く、赤黒く腫れている。若い頃から過酷な土木の仕事に従事し、洗濯機が無かったので、家族の洗濯物は洗濯板で洗っていたおばあちゃんの手は酷使され、今では生活に支障をきたすまでになっている。スーパーへ行ってお勘定をする時も、小銭を出しにくそうにしてお札で済ませているし、ボタンがたくさん付いたブラウスも、最近着ている姿を見ていない。文句一つ言わないおばあちゃんも、私の見えないところでは、苦しい心の葛藤があるのだろう。私なんてしょっちゅう何か文句を言っている。でも、自分に降り懸ってくる悪いことを必死で堪えているおばあちゃんを前にすると、自分が恥ずかしくなる。私が文句を言いながら勉強できるのも、おばあちゃんが家事を手伝ってくれているから。もっと感謝できる人間になろう。岡山県立津山商業高等学校(岡山県)吉岡那奈さんお金の使い道私は、今まで自分の欲しい物、自分の食べたい物と、自分のことばかりにお金を使っていた。必要性や先のことを考えずに買っていたものだから、多々、いらなかった、と無駄遣いをしてしまうこともあった。無駄遣いをしたことに気づいた時は後悔するのだが、何日かたてば忘れてしまい、何度も無駄遣いをしてしまっていた。昨年の8月、インターハイの帰りに、被災地の石巻女子高等学校へ、グローブや防具などを寄付するために訪れた。バスから降りた瞬間、その地域の景色に驚き、言葉を失ってしまった。テレビで被災地の映像を見たことがあり、怖いなあ、と他人事のように思っていたが、実際にその地域に足を踏みいれると、テレビなんか比べ物にならないくらいおそろしく、足のふるえがとまらなくて、他人事ですましてはいけないものだった。怖いと同時に、とても申し訳ない気持ちでいっぱいになった。沢山の人が苦しんでいるのに、無駄遣いや食べ残しばかりしていた自分がとても恥ずかしく、すみませんと心の中で何度も思った。日本だけでなく、世界でも沢山の人が苦しんでいる。その人たちのためにも、必要性や先のことを考えてお金を使っていこうと思う。また、ボランティア活動や募金活動にも積極的に参加し、1日でもはやく、多くの人が元の生活に戻って暮らすことのできるよう、1人でも多く、食料や薬が手元に届くよう、支援していきたい。広島県立呉昭和高等学校(広島県)石脇美緒さん努力をすること絶対休まないって決めていた。毎日体育館で、1人でもシュートを打つと決めていた。私にはバスケットの実力がないし、何よりも努力をすることで誰にも負けたくなかったからだ。高校1年生の1年間は試験週間以外休まず朝練をした。しかし高校2年生の冬、私は2週間ほど朝練に出なかった。奨励賞