17歳からのメッセージReport2012

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34 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ世の中の出来事から考える未来テーマテーマ2日本橋女学館高等学校(東京都)稲川沙也夏さん心の傷のない社会へ以前、歴史の授業で「パープルハート勲章」についての話を耳にした。パープルハート勲章とは、戦闘中に敵の攻撃によって負傷した、あるいは死亡した米軍兵士に与えられる勲章だ。パープルハート勲章は「名誉負傷章」とも呼ばれ、この勲章の保持者は栄誉に加え、様々な面で特別扱いを受ける権利も与えられる。しかし、この勲章の大きな問題は、外的に負傷した者にだけ与えられるという点だ。つまり、心的に負傷した者には与えられないのだ。私はこの話を聞いた時、それはあまりにも残酷だと思った。確かに、外的に負傷すれば、以前のように自由な暮らしはできないのかもしれないし、誰だって不自由になるだろう。では、心の傷はどうなるのか。心に負った痛みや苦しみは、外からは決して見えない。だが、見えないからといって、そのような傷を放置する事が正しいのか。私はどんな形であれ、傷ついた者には平等さが与えられるべきだと思う。大切なのは、名誉でも勲章でもない。社会がそのような人たちをどのように受け入れ、そしてどれだけのケアをしていくかが大切なのではないのか。パープルハート勲章に限らず、これからを生きる私たちにとっても、心の傷を作らない社会を築いていくことは重要視されるべきだと思う。(富山県)匿名希望原子力発電所廃止について。5月5日、日本国内全ての原子力発電所が停止しました。福島第一原発の事故により原発完全廃止への取り組みが強化されました。もし、このまま原発が完全に廃止された場合、今まで原発でまかなってきた国内全体の約30%の電力をどう補ってゆけばよいのでしょうか?全国民、全企業が節電を心掛け、電力消費量を抑える方法。しかし、夏場冬場に冷暖房を使用せずに生活するのは難しく、無理をして体調を崩す人が増えてもいけません。また、製造業など、大量の電力を必要とする企業が努めて節電に協力してくれるとは限りません。電力を補うために火力発電所をフル稼働させる方法。しかし、地球温暖化や化石燃料の枯渇化が心配されるなか、発電に多くの燃料を消費し二酸化炭素などの温室効果ガスを排出する火力発電を推進するのは決して正しい判断とは思えません。やはり現状では原発を利用せずに安定した電力を供給するのは難しいと思います。そこで、地震や津波の心配が比較的少ない日本海側の原発を再稼動、代替エネルギーの開発を推進し、再び「脱原発」を目指す方法。私は現時点でこの方法が最善策だと思います。「原発反対」を訴える人に言いたい。ただ「反対」と訴えるのではなく原発廃止後の代替エネルギー案の提示や節電を広く呼びかけ原発の必要性が無くなったうえで「反対」を主張してほしい。原発廃止後の電力をどう補うかも考えず「反対」とだけ主張するのはあまりにも無責任ではないだろうか?岐阜県立大垣南高等学校(岐阜県)松岡志歩さん少子化に思うこと少子化が進んでいることについて、私は今後の未来はもっと速いスピードで少子高齢化が進むと思います。今、15歳未満の子どもは1982年以降31年連続で減少しています。また、国連人口統計年鑑によると、人口4千万人以上の27カ国中では日本の子どもの割合は最低という結果で日本の総人口の中で子どもが占める割合も13%ととても少ない割合になっています。こうした結果の理由は、出生率低下にあります。出生率低下には、晩婚化未婚率の上昇、高い教育費、せまい家屋、子育てと仕事の両立が困難という理由があげられます。私はこのような理由から少子化が加速していると知って、このままこの少子化が進んだら、今後の日本を支えていく人たちがいなくなるということなので、発展はしなくなり、日本の社会が機能しなくなってしまうのではないかと思います。また、少子化と共に高齢化も進んでいるので、高齢者の支援をする人は今以上に減ってしまいます。これから65歳以上の年齢になっていく人は、少子化で自分たちを支えてくれる若い人たちがいなくなると思うと、とても心配になり不安だと思います。だから、少しでも出生率を上げるために、家庭における男女の役割分担の見直し、子育てを支えるためのサービス・環境整備などをもっと充実させていく必要があると思います。そして、少子化がこのまま進まないような工夫を国民的な広がりのある取り組みを行っていく必要があると思います。静岡県立富岳館高等学校(静岡県)秦進治さん飢え私は最近ある写真を見ました。その写真は、海外のある子供が飢えで死にそうな所を、ハゲタカが食べようとじっとねらって待っている写真です。そのあとにその写真をとったカメラマンの記事を見ました。そのカメラマンの人は、この写真で世間からの非難を受けて精神的に苦しくなって自殺をし、この世から去っていきました。わたしはその記事を読んだ時、このカメラマンの人がされたことは本当に誤った行動だったのか強く疑問に思いました。たしかにこの写真をとったことは、その子供にも悪いことですし、写真をとる暇があるならその子を助ける方を優先にすべきだと思います。しかし、今の世間では、飢餓がたいへんな問題となっています。このカメラマンの人はカメラマンとして、この辛い現状を今の世間に伝えなくてはと思ったのではないのかと思います。このカメラマンの人は、この写真のコメントを書く時、泣きながら書いたそうです。私は、カメラマンの人がこの写真をとった行動は、悪いことかもしれませんが、とても良いことをしたと思います。現代社会では大量生産、大量消費が食物を最も無駄にしています。その生産したものを捨てるのではなく、飢餓で苦しんでいる人々に与えて生きていってもらうのが、今の私たちのできる尊いことだと思うのです。人は一人では生きていけません。助け合いがあるからこそ人は生きていけると思うのです。奨励賞