17歳からのメッセージReport2012

17歳からのメッセージReport2012 page 39/48

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2012 の電子ブックに掲載されている39ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2012

38 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ京都府立京都すばる高等学校(京都府)坂尻あかりさん人の温かさ中学を卒業してすぐ、私は姉と一緒に、東日本大震災で大きな被害を受けた、宮城県七ヶ浜市を訪れた。夜行バスで12時間、到着してすぐ、お世話になるご夫婦に壊滅的な被害を受けた、南三陸町へ連れて行っていただいた。そこは、本当にここに町があったのかと思うほど何もなく、閑散としていた。私はこの旅をして、1番強く感じたのは、現地の被災者の方々の強さだ。2泊3日という短い期間の中で、私はたくさんの優しさを感じた。軽く、1年分の優しさをあらゆる方からいただいたのだ。私が、現地の方々を元気づけようと思っていたのに、なぜか、帰る頃には、私の方が元気になっていたような気がする。人に親切にするということは、された側にとって、大きな影響力があると私は思う。私は、実際親切にされて身にしみるような温かさを経験した。人の温かさを見たり、感じたりすると、おなかの底から、ぽぉっと熱くなる。朝の電車の中で、サラリーマンのおじさんが、乗ってきたお年寄りの方に、笑顔で席を譲るシーンを見た時もそう感じた。誰かの親切は、受ける人だけじゃなく、それを見ている人も、きっと良い影響を受けると思う。私は、この2つの経験を通して、人の温かさを感じることができた。私は、この何とも言えない温かさを、もっと他の多くの人に感じてもらえるよう、ささいな事からでも、人に親切にしていきたいと思う。京都府立京都すばる高等学校(京都府)安原楓さん世界を生きる日本私達の生きる世界。その世界には未知なることがあふれている。そして、その世界で私達生き物は人生を歩んでいかなければならない。その中で、いろいろな経験をして様々な人達と出会う。それは、良い経験ばかりではない。世界では、自然災害がたくさん起こっている。さらに、今、日本では津波や地震、台風などの自然災害が非常に多い。私は、そういったニュースを見るたびに命の重みを感じさせられて、これからの人々の暮らしに不安を抱くことがある。だから、もっと人と人との協力や絆を大切にして、他人のことまで考えられる思いやりが必要だと思う。そしてもう一つ、経済の面でも気になることがある。最近よく耳にする、増税や国の借金のことだ。東北大震災が起こってからあまり時間が経っていないし、国民が混乱している中で増税するのは、どうなんだろうと思う。もっと他にも無駄なお金があるはずである。まずは、無駄を見つけて減らしていくことが大切であると思う。このように、日本だけではなく世界各国でそれぞれ抱えている問題がたくさんある。日本でも、まだまだ私の知らない問題が数えきれないほどあると思う。その中で経済の中心となる国会や内閣の人達ばかりに任せるのではなく、国民にできることがないかを一人一人真剣に考えて、一つ一つ解決していくべきだと思う。大阪府立千里高等学校(大阪府)河田悠花さん行動することある朝、駅前で何年も前の殺人事件の手掛かりを求めるビラが配られていた。「あ、あの事件だ……手が塞がっているしな、どうしよう……。」そして少し考えたが結局、受け取らなかった。だがすぐに、それは間違った行動だったと気づいた。確かに読んだとしても捨てればゴミになるかもしれない。でも忙しいふりをしてそこを通り過ぎれば、何枚も何枚もコピーして被害者の無念をはらしたいと思っている人たちの気持ちは、どうなるのだろう。自分は忘れていないから、と思っていても手を出して受け取らない限り、それは無視同然だ。心が動いたのなら、行動しないと意味がない。「忘れていません。今でも覚えています。」そう言葉にはできなくても紙1枚を受け取るという、とても簡単な行動で気持ちを表すことができるのなら、受け取っていればよかった……。後悔と本当に申し訳ないという気持ち、そして自分はこんなにも心無い人間だったんだ、というショックを受けた。私のような人がいるから、人との繋がりが薄い社会ができてしまうのだろう。私が犯人を捕まえることはできない。だが事件を本気で解決しようとしている人を、支えることはできる。ビラはただの紙ではない。人の気持ちだ。それを受け取ることで、救われる人がいるのかもしれない。今からは心が少しでも動くのなら、行動に移す。絶対自分に約束する。電車の中でそう誓った。大阪市立桜宮高等学校(大阪府)廣田達也さん「部活動と日常生活に境目は無い」部活動と日常生活に境目が無いことがわかったのは、ぼくが現在所属しているサッカー部でのことだ。顧問の先生はよく僕たちにオフ・ザ・ピッチが悪いやつはピッチの上で良いプレーはできない。オフ・ザ・ピッチとピッチの上はつながっていると言う。オフ・ザ・ピッチというのは、試合以外での行動のことだ。言い換えると日常生活だ。例えば日常生活で自分のやらなければいけないことを面倒くさいからと言ってサボってしまうと試合で自分はしんどいから走らないでおこうなどと考えサボってしまい、チームメイトに迷惑を掛けてしまう。そのせいで失点されてしまうことだってある。また、日常生活でゴミを拾わない人や自分以外の人に親切にしない人は、試合でチャンスを掴むことはできない。逆にゴミを見つけたら拾う人や周りの人に対して良いことをする人は、試合で危ない場面に遭遇しても助かることだってある。これらのことは、実際にぼくは経験したことで自信を持って言える。スポーツには誰だって挫折することはある。だがそれは今自分がやるべきことが不足しているだけだと思う。改善するには、技術面から直すのもいいが、まず自分の日常生活に誤っ奨励賞