17歳からのメッセージReport2012

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3917歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージたことが無いか考えてほしい。考え実行し前の自分とどう変わったか実感してほしい。清風高等学校(大阪府)山﨑和彦さん僕の証僕は、今ここにいる。30秒前は、まだ廊下にいて、1時間前は、外にいた。でも、そんなことは時間が経ってしまえば、忘れられてしまう。そして僕は、大人になった自分を想像してみる。悲しくて、怖い。そこには、今の僕が残っていない。たぶん、ちょっとした感動も、思いも未来では跡形もなく消えて無くなってしまっている気がする。今、僕が持っている夢は、歌手になること。今までいくつかの夢を見てきたけど、これだけは絶対に夢で終らせたくない。皆と同じように机に向かいつつ詞を書いている。こんなことしかできない歯がゆさをずっと感じているのに、それすら忘れて全く別の方向へ向かっているかもしれない。僕が今ここにいること、ここで思っていることを忘れてほしくない。どんな形でもいいから、何か証を残したい。この場所で、こんな気持ちで生きていたんだと、未来に残すための証がほしい。そう強く願っているのに、何もできない。どうしたらいいのかわからないから何もできないんだ。考えれば考えるほど、何かにギュッと締めつけられているみたいに、苦しくなって気がつくと震えが止まらない。苦しいけれどこの感情も、未来の僕には、忘れないでほしい。苦しいけれどとても大切な気持ちなんじゃないかと思う。どこかでそう思っているし、それが今の僕の証になってくれるかもしれないと思っているから。兵庫県立視覚特別支援学校高等部(兵庫県)桑名亜美さん今、伝えたいこと私は生まれつき視覚に障害があります。私は自分の目が不自由なことは、不幸でとてもはずかしいことなのだと思っていました。幼い頃によく近所の人や友人から、「目が悪くて可哀想だ。」などと心ない言葉をかけられとても悲しくつらく感じていました。その気持ちは徐々に大きくなり、学年が上がるにつれて、自分が視覚障害者だという現実を自覚するようになりました。そんな気持ちを胸に秘めながら日々を過ごしていましたが、ある出来事がきっかけで感謝の気持ちが芽生えてきました。中学時代、授業中に私の見えない黒板の文字や教科書の小さな文字を、私に分かるように丁寧に教えてくれたり、体育の時、飛んでくるボールや勢いよく走ってくる人に気付かずに困っている時、適確にアドバイスをして私を危険から救ってくれる級友に出会いました。この出会いは、私にとって大きな転機になり、障害があってもそれを補い身近にあって支えてくれる人がいるという事実を自覚させてくれましたし、支えてもらった時、素直に「ありがとう」と言える自分になることができました。その思いを心の糧に、今まで力を貸してくださった多くの皆様に恩返しがしたいと思います。言い換えると、精神的にもっともっと強くなって、自立心や柔軟な広い心を養い、立派な社会人になって世の中に貢献できる愛すべき人間になりたいと、今強く祈念しています。兵庫県立日高高等学校(兵庫県)朝田琴音さんお父さんからのエール「元気か?寮生活、頑張っとるか。こっちのことは何も心配しなくていいから、勉強ちゃんとやるんやで!」看護師になる夢を叶えるために実家を離れた私へ、お父さんはいつも受話器の向こうからエールを送ってくれる。そのハツラツとした明るい声が私は本当に大好きだ。ある日、2ヶ月ぶりに家に帰り、お父さんと家事をしようと一緒に家中をかけ巡った。お風呂掃除は思いっきり力をいれる。曲がった腰をたたきながら大きなため息。料理では本も使って献立を考える。育ち盛りの兄弟がいるから大変だ。一緒に考えてもなかなかメニューが決まらない。またまた大きなため息。食後の後は大量の洗濯。一緒にたたみながら横を見るとお父さんは倍もたたんでいる。「大変だね」とつぶやく私に「どうってことないさ」と笑って返事をくれた。お父さんは誰よりも働き者で、頑張り屋で、人を思いやる人で……ため息ついても、くまを作っても、どんなにしんどくても、笑顔を絶やさない。その陰でどれだけ頑張ってくれていたんだろう。自分が苦しくても、娘の私をずっと支えてくれていたんだね。いつも私たち家族のためにありがとう。私に「頑張れ!」ってエールを送ってくれてありがとう。自分の夢、叶えられるように頑張るから。家帰ったら、たくさん家事手伝うから。これからもずっとずっと、私の自慢のお父さんでいてね。和歌山県立きのくに青雲高等学校(和歌山県)藤田はづきさん本にしかない魅力数年前、テレビのニュースで電子書籍という物が紹介されていた。電子タブレットなどに大量の本のデータを取り込めば、その端末でいつでも読書が楽しめるのだそうだ。そんな夢の様な話に、当時の私は目を輝かせていたが、そのニュースのナレーションが、「これからは電子書籍が主流になる。」と言った時、少し嫌だと思った。私は読書が大好きで、暇さえあれば本を読んでいる。読書をすることだけではなく、本そのものも好きだ。本は何冊も持つと重くなるうえ、持ち運びに困る所が不便だが、それゆえ、その本を読んだという記憶が残り、重みがある分、読んでいる実感がわく。電子書籍は無駄がないが、そういった魅力が欠けているように思うのだ。また、電子書籍には古本がない。作品自体は古くても、画面に出されるページは常にぴかぴかの新品だ。本は古くなってしまうが、古本を手に取る度に、前の持ち主に大事にされていた事がよくわかる。私はそれがたまらなく好きなのだ。電子書籍が絶対に嫌だと言っているわけではない。だんだ奨励賞