17歳からのメッセージReport2012

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517歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージグランプリグランプリ3作品今までの自分、これからの自分テーマテーマ1大阪市立生野工業高等学校(大阪府)住田雅典さん無償の愛僕は両親と一緒に暮らさず、児童養護施設で暮らしている。そんな僕を見て周りの人間は、「寂しくないん?しんどいやろ?」と質問してくる。僕はいつも曖昧に答えているが、本心は違う。血の繋がらない、自分達に心を開いてくれない、そんな僕を含む子供達にも施設の人達は無類の愛情を注いでくれる。僕がそれを初めて感じたのは小学校6年生の時だ。施設で嫌な事があって飛び出してしまい、丸2日程帰らなかった事がある。その時ある一人の施設の人は、2日間ろくにご飯も食べず、友達の家や僕の行きそうな所を探し回ってくれた。僕はその人に見つかった時、はたかれると思った。でもその人は、はたくどころか僕をかたくぎゅっと抱きしめてくれた。その人は肩を震わせて泣いていた。その時僕はなにかを強く思った。僕を抱きしめていた手が離れ、笑顔と涙でくしゃくしゃの顔を見た時、初めて「ああ、これが愛情なんだ」と理解した。その後、その人が怒りもせず一日中僕の話を聞いてくれた時、僕はあまりの嬉しさに泣いてしまった。僕は寂しいどころか、一般家庭の子供に負けないくらいの愛情を一身に受けて過ごしている。そして、僕が一番言いたいのは、子供のいる大人達はどうかいっぱいの愛情をその子に注いであげてほしいという事だ。子供にとっての最大の栄養はたんぱく質でもカルシウムでもなく、親の愛だ。僕もそんな無償の愛を注げる人になりたい。佐賀県立佐賀西高等学校(佐賀県)渡辺美咲さん「未来の私」宛てのメール最近私は、「未来の私」宛てにメールを送る。日時を指定して送信できる機能を使い、書いた日時のちょうど一年後に自分に届くように設定するのだ。高校二年生という時期は、親や友達、進路などさまざまなことで悩み、悲しむ。その誰にも言えないような悩みを「未来の私」に相談するのだ。とても辛くて、もう忘れてしまいたいような事があったとしたら、それを本当に忘れてしまってもいいのだろうか。私はそうは思わない。なぜならその時の気持ちを大切にしたいと思うからだ。忘れてしまったからといってすべてなかった事にはなる訳ではないし、それが無意識にトラウマになっている事だってあるかもしれない。だから大切なのは、その痛みをどう乗り越えていくかだと思う。自分と対話し、さまざまな意見を頭の中でぶつける。その葛藤を繰り返すことで、この痛みもいつかは自分の糧となる、そう思うのだ。とはいえ、まだまだ未熟な十七歳の私には答えが出ないことも多い。出した答えでさえ、これで本当に大丈夫なのか不安でしょうがない。そんな相談を「未来の私」に送るのだ。不安に押しつぶされそうになった時にそのメールを送ると、少しだけ安心出来るような気がするのだ。十八歳の私がこのメールを開いて、少し面倒そうな顔をして、十七歳の私へ向け「大丈夫、大丈夫」と笑いながら言ってくれているような気がして。世の中の出来事から考える未来テーマテーマ2該当者無しグランプリ