17歳からのメッセージReport2013

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10 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ長野県松本蟻ヶ崎高等学校(長野県)小林ももさんこれからの私私は小さい頃からずっと本を読むことが好きだ。本は書店で購入するよりも、図書館から借りて読むことが多い。だから私にとって図書館は大切な場所だ。休日に行く市立図書館の雰囲気も気に入っているが、学校図書館の雰囲気も好きだ。小学校、中学校、高校の図書館で、私は一体何冊の本に出会ったのだろうか。学校図書館には友達と行くことが多く、自分ではあまり読まない種類の本を薦められることもある。それはとても楽しいことで、こうして出会った本も多い。また本を通じて新しい仲間とも出会える場所だと思う。学校図書館はたくさんの「出会い」が集まっている。私はそんな学校図書館のことをもっと知りたい。なぜなら、私は将来司書として図書館の温かい雰囲気を作りたいと考えているからだ。みんなに一冊でも、一人でも多くの出会いをしてもらえる場所を作りたい。その夢を持ち、もっと多くの出会いを見つけていくつもりだ。この先、どんな学校図書館に、本に、人に出会えるのだろう。まだまだ出会っていないものがきっと多くある。今日もまたページを開いて夢に向かって少しずつ、分からなくなったら少し戻って。読書のように楽しみながら、大好きな図書館を知っていきたい。三重県立白子高等学校(三重県)横山聖里菜さん母という存在私の将来の夢は、看護師になることである。理由は、いくつかあるが、母も看護師であることも含まれている。私は幼い頃から母が看護師という職業であることをとても嬉しく、誇りに思っていた。なぜなら、友達や先生に母の話をすると、「すごいなぁ。」と言われたり私自身もテレビドラマなどで看護師の仕事を見たり、母から話を聞いたりしていたので、誇りや自慢という実感が沸きやすかった。しかし、ある日から私は祖父母と一緒に時間を過ごすことが多くなった。理由は、夜勤という深夜の勤務時間が増えたからだ。その為、母と顔を合わすことも少なくなったが、祖父母は私をとても可愛がってくれた為、心細さや寂しさを感じたことはあまりなかった。保育園行事の親子遠足には母の代わりに祖母がついてきてくれたが、友達は皆、母や父または両親に付き添われているのを見て、それまで忘れかけていた心細さや寂しさ羨ましさが込み上げてきた。そればかりか友達に「お母さんおらんの。」「何でおばあちゃんがついてきとんの。」と問われたときにとても心が痛んだのと同時に、母が看護師であることにとても嫌気がさし、自分の中で1つの欠点であるとも感じた。今思えば、夜勤終わりの朝に眠い目をこすりお弁当を作ってくれたこと、会えた時には人一倍の愛をくれたことなど、私に寂しい思いをさせないよう出来る限りの努力をしてくれた母、看護師としての母をとても誇りに思う。彦根総合高等学校(滋賀県)岩田玲奈さん私の小さな世界中学の頃、人権をテーマに書かされた作文を全校生徒の前で発表させられたことがある。私が書いたのは言葉の重さについてで、悪口を言うな、とありきたりなことを綴っていた。私は空想の世界を愛しているので、言魂という概念にもロマンを感じる。だが正直、あの作文は綺麗事を連ねただけの薄っぺらい言葉たちである。内容の殆どはもうとっくに忘れている。いつ頃からだったか、私にとっての〝世界?とは、友人や家族といった狭い身内のことになっていた。それ以外は他人事で、私や私の〝世界?に害がなければ基本的にどうでも良いと思うようになった。それは今でもそうである。あの作文のように、大衆に向けてはとことん無気力なのだ。それが寂しいことだとはわかっている。考えを改めなければならないことも。けれど人の顔色をうかがって、びくびく過ごしていた幼い頃よりも、今の方がずっと生きやすいのも確かなのだ。きっと〝世界?を広げたら、私はあの頃に戻ってしまうと思う。これから先、大学から社会へ、嫌でも私を取り巻く世界は広がっていく。その時私はどうなるだろうか。広がる世界に対して真摯でいられるだろうか。その時作文を書いたなら、あの作文よりも心を込めた言葉を綴れるだろうか。今はまだわからないけれど、そうであれば嬉しい。だって世界の全てが大切だなんて、ロマンがあって素敵ではないか。大阪府立懐風館高等学校(大阪府)一瀬彩さん自分の夢に繋がる出来事目の前で野良猫がひかれた。車はお構いなしにその場を去ったが、私は猫を見ている。どうすればよいのだろうか。助けてあげたいと思う。だけどそんな勇ましいことを私はできない。猫に触れるだけでアレルギー症状がでてしまうものだから猫が怖い。そんなことを考えているくらいなら、面倒なことにならないうちに私もさっさと立ち去ってしまえばいい。そもそも私にはなんの関係もないではないか。だが、私には猫を放っておける勇ましさもなかった。どうすればよいのか迷っているうちに、猫はゆっくりゆっくりと腹を膨らまさなくなった。死の実感があった。あの時はこれが正しいことだと思って自分を納得させた。だが、今になって私はあの時の自分の行動に誇りをもっている。何もできない私が触れたことによって、苦しむのは猫であり、私もそうである。だから、放っておいてあげるのが一番正しかった。正しかったんだ。けれど、猫を救えなかったことに変わりはないだろう。ならば助けてあげられなかった命にせめて償いをしたい。そうしないと、現に、いつまで経っても気が収まらないのだ。私は君のことを救ってあげるどころか、救おうともしなかった。だからこれから他の動物たちを救う私の姿を見ていて欲しい。それがこれからの私だ。